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ライター T-Friends

2016.9.21

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T/ssue『二次元ノート』リリース記念ライブ

@RAD7

「あなたの心を照らします」-沢山の想いが弾けた夜-

名古屋を中心に活動の幅を広げ続けているT/ssue。8月28日(日)、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進を続ける彼らの『2次元ノート』リリース記念LIVEがRAD7にて開催された。当日のゲストは、盟友・WOMCADOLE。チケットはもちろんソールドアウト。満員のライブハウスに集ったオーディエンスが、どれほどこの日を楽しみにしていたかを、開演を待ち焦がれる笑顔が如実に物語っていた。

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先攻を務め、会場を大いに盛り上げたのは滋賀のスーパーロックバンド、WOMCADOLE。安田吉希(Dr)を皮切りに、樋口侑希(Vo/Gt)、古澤徳之(Gt/Cho)、黒野滉大(Ba)がオンステージ。静かに期待感が広がる中、スモークを切り裂くように絞った声で樋口が吠え、力強いストロークと共に『ワンダー』でLIVEがスタート。隅々まで声を届けようとするように、マイクの向きさえも変えながら歌う姿から今日に懸けてきた想いが滲み出ていた。

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「準備は出来てるか名古屋!何の準備か知ってるよな!ロックを迎えに行くんだよ!」と威勢の良い声を響かせると、『夜明け前に』では何かが始まる前のふつふつと沸き上がるエネルギーの元、それぞれがアクティブにステージを動き回る。感情を叩きつけるようなアクトに、ライブハウスの温度も急上昇。予定調和でLIVEをせず、“今”の想いを吐き出していく彼らの言葉は、新鮮で瑞々しい。

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のっけから容赦なしにフロアを熱気で包み込み、MCでは古澤も思わず「暑いねー!」と洩らしていた。「ロックンロールの仕方知ってますか!? 手拍子貰えますか!?」と叫んだ樋口に応える形でクラップが巻き起こると、更なる高みへと駆けるように、次々と楽曲をドロップする4人。見ているだけでなく、同じものを感じて一緒にLIVEを作り上げようという意志のもと、空調も切ったままで演奏を続ける彼らは、汗だくで“一緒にロックをしている”という一体感が会場を特別な空間に変えていく。

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感情の扉を開き切ったオーディエンスを前に、アカペラで歌い出す樋口。声が枯れてしまっても不思議は無いほど、彼の歌はいつも全力で、だからこそ《生きていてください》という泥臭いほどピュアなメッセージも、照れが混じることなくストレートに胸を打つ。「俺らだけじゃロック出来ないんだよ。みんなの手を借りて初めてロック出来るんです。上手いこと表現出来ないかもしれないけど、あんたらも楽器を持ってんだよ。このど真ん中に持ってんだよ!鳴らせんだよ!鳴らしてくれよ名古屋!」と胸元をぎゅっと掴みながら樋口は叫ぶ。ひたむきに想いを伝える為には、どんな言葉も惜しまない。最後の最後まで“スーパーロックバンド”としての生き様を刻みつけ、それぞれの胸に熱い高まりを残して彼らはステージを後にした。

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歪んだギターが始まりを告げるように鳴り響く。ブルーに染まったステージに登場したのは、T/ssue。花岡 直(Gt) 、小澤大地(Ba/Cho)、岩田陽平(Dr)の3人が定位置に着き、丁寧に一礼した曽根一朗(Vo/Gt) 。「T/ssue、始めます」と告げると、星が瞬くような音がステージから溢れ出し、『イノセント』の柔らかなフレーズが独特のセンチメンタリズムを撒き散らし、ライブハウス中に広がっていく。淋しさも、温かさも、全てを閉じ込めた曽根の声は、揺らぎを秘めた少年がしっかりと未来を見据えて熟していくように、頼もしい成長を遂げている。

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小澤が「全員で来い!」と誘うと興奮で染まったフロアは目一杯のハンズアップで応えた。岩田が笑い混じりに声を届ける茶目っ気たっぷりな一面を挟みつつ、「真面目な話になるんだけど…」と口を開いた小澤。「2マンをやるなら彼らしか考えられなかった」という言葉に前回のツアーを共に回ることが出来ず、今回が念願の対バンとなったWOMCADOLEへの強い想いが現れているような気がした。

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特別な1日には、特別なことがしたいということで、彼らが今日に向けて用意したのは初披露となった新曲『tommorow』。沢山の想いが詰まっていることを否が応でも感じさせられる、狂おしいほどのボーカリゼーションが印象的な1曲だ。

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『塩釜口』、『アマテラス』など、音に身を溶かしてしまいたくなる心地良い音像でフロアを満たし、「今日はソールドアウトということで。来てくれたみんな、本当にありがとうございます。精一杯の恩返しをしたいと思います」と口を開いた曽根。高校生で音楽を始めた彼は、手を差し伸べられても素直に受け取れない時期があったのだという。小さな奇跡が積み重なって、このステージに辿り着いたことをしみじみと話し、「そんな自分の人生を込めた曲を今から演ります。これは俺のために書いた歌だけど、皆んなにとっても道標になるように書いた曲です」と最後に呟くと、“1人1人の人生が交わるこの瞬間が奇跡だと思う”という言葉と共に、《この世は綺麗だ》《あなたは綺麗だ》というフレーズに根源的な希望を感じる『Re collection』を披露した。

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今日の日を作り上げた『二次元ノート』を秘めやかな熱量を込めて届けると、「明日もあなたの心を照らす」という宣言の後、ラストソングに選ばれたのは『東京city』。4人から溢れ出た音が、沢山の心の内に閉じ込められていた想いを解き放ってゆく。深々と頭を下げたメンバーがステージを降りてもなお、心を奪われたようにオーディエンスは拍手を止めなかった。

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アンコールを含めたとしても、あっという間に終わってしまうのがライブハウスで過ごす時間。そのほんの僅かな瞬間に、どれだけ多くのものがステージから手渡されるのだろう。色合いや伝える手段は異なるとしても、互いに沢山の感情をフロアへと繋げた両バンド。想いは灯りとなり、未来へと繫がる道を照らす。沢山のエネルギーを受け取りにライブハウスを訪れたオーディエンスは皆、晴れやかな笑顔でそれぞれの日常へと旅立って行った。受け取った灯りが煌々と輝いている光景が目に浮かぶ、忘れ難い一夜を作り上げた彼らに、改めて拍手を贈りたい。

文/渡辺 真綾  写真/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト
ーWOMCADOLE
1.ワンダー
2.夜明け前に
3.少年X
4.哀しみのファンファーレ
5.青鼻のピエロ
6.ドア
7.おもちゃの兵隊
8.綺麗な空はある日突然に

ーT/ssue
1.イノセント
2.November
3.one and only
4.tommorow
5.翠
6.塩釜口
7.静かな午後
8.アマテラス
9.Re collection
10.二次元ノート
11.東京city
(encore)
12.スカート

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