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ライター T-Friends

2016.5.31

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TREASURISE RECORDS Presents -UNKNOWN TREASURE QUEST Vol.7

@新栄APOLLO BASE

磨かれる前の宝石がぶつかりあって輝きを見せた夜

地元、東海地区を中心としたまだ知られていない原石に出会えるイベント、“UNKNOWN TREASURE QUEST Vol.7”が夏フェスシーズンを控えた5月15日(日)、APOLLO BASEで開催された。今回の出演者は2014年、2015年と共にTREASURE 05XのメインステージにO.Aとして選ばれたEARNIE FROGs、Three Outを中心とした5組の注目若手バンド。まだシーンにはない個性をキラキラと輝かせ、次々とステージに現れた彼らは、次世代の音楽シーンを切り拓くパワーに満ち溢れていた。

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トップバッターを務めたのはScriptline。「さあ、アポロベイス楽しんでいきましょう!Scriptlineです。よろしく!ハンドクラップ出来ますか?」とChie(Vo)がステージから呼びかけ、『Crystal Glass』のエネルギーに満ち溢れたパワフルなハイトーンボイスでLIVEはスタート。強靭なバンドサウンドを一身に浴びて、輝くような笑顔で楽しげに歌う彼女にオーディエンスは徐々に魅了されていく。「今日は一緒に楽しんでいくからね!最高の夜にしましょう」と笑うと、バンドがしっかりと音を支える中、音の流れをも変えてしまうような陽性の声が心地よく身体を揺らす。

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イベントに誘われたことへの感謝を告げ、「私達を初めて見るお客さん、今日はいっぱいだと思うんで…。暖かい目で見て頂ければ嬉しいです」と話すと、『Break Free』、『The Film』と様々な表情でオーディエンスを魅せていった。そして、名古屋の人は冷たいと言われがちだが、今日のお客さんは暖かいと嬉しそうに話し、「これからもライブハウスでいっぱい遊んでいこうと思うから宜しくね!」と呼び掛けると暖かい拍手に包まれたフロア。力強さの中に女性らしい繊細さが顔を出す『Your Fiction』、『Second』と全力で音を鳴らして、「今日はありがとうございました!」と叫び、清々しい熱を残して彼女達はステージを後にした。

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心地良い音の余韻を引き継いだのは、名古屋を中心に活躍の場を広げているThreeOut。登場と同時にセッションを始め、彼らが持つ重厚な音世界を展開させると、「ThreeOut、始めます。宜しく」という後藤直人(Vo/Gt)の宣言から一気に音の手綱を握りしめて自在にテンポを操る『カランドリニア』へ。癖のある声音で作り出すダークな雰囲気に会場は一瞬で染まっていく。

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後藤が「UNKNOWN TREASUREはヤバいイベントだってさ、みんな分かってるんだろ!?」と叫び、『Self Control』を奏でると、彼らのことを知らなかった人も巻き込んでフロアの温度は急上昇。不意に三戸 直(Dr/Cho)が「EARNIE FROGs、ツアーファイナルおめでとうございます!」と話して、ツアー前の彼らにつっこまれるという和やかな一面を挟みつつ、「すげぇ楽しいわ」と呟いた後藤から、シングルのリリース・主催フェスの開催が発表されると大きな声援が贈られた。

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再び『インソムニア』、『TRINITY』と安田優作(Gt/Vo)とのツインボーカルで確かな演奏力に裏打ちされた世界をしっかりと描き出すと、「ラスト1曲、ぶちかまして行けんのか!」と後藤が煽り、真紅にステージが染まり上がる中、疾走感に溢れた『MASTERPIECE』へ。爆音の余韻と熱を身体に残して、彼らは次のバンドへとバトンを繋いだ。

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クラブ風の打ち込みが響く中、大阪からやって来た新星、ERUVOMAが登場。「最後まで楽しんでって下さい、よろしく!」と翔(Vo/Gt)が叫ぶと、スターターに選ばれたのは『REVIVE』。独特なリズムを染み込ませるようにオーディエンスは身体を揺らして楽しんでいる。翔が「一体となってるLIVEって楽しいと思うねん。俺らのこと、知らん人がほとんどやと思うけど、楽しんでいこう!」と人懐っこい笑顔で話し、『Sweet temptation~獣道~』を演奏する頃にはフロアとステージが1つになって、LIVEならではの一体感を生み出していた。

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アットホームな雰囲気が漂う中、軽妙なトークで場を和ませ、ころころと変わるテンポが楽しい『REVOLVER』へ。リズムが変わっても直ぐにオーディエンスの身体が付いて行くのは、鳴っている音を楽しんでいる何よりの証拠だろう。そのまま翔の力強い声を軸に広がりを見せた『JOKER』を奏で、演奏が終わると不意に静かになったステージ。今日のように楽しい気持ちを共有できる場所があることがとても幸せだと話す真摯な声を、オーディエンスは静かに受け止めていた。心を掴まれたオーディエンスが手のひらをステージに向けて揺らし、優しさと激しさという相反する要素を融合させて詰め込んだ彼らのステージは終了。柔らかい余韻を残して、4人は舞台を後にした。

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続いてステージの上に真っ白な衣装を身に纏って現れたのは、3人組のPOPバンド、しなまゆ。「東京都の立川市からやって来ました、しなまゆと言います」とモリユイ(Vo)が話すと、『サタデーフライト』でライブハウスの空気をカラフルに色付けてみせた彼女達。少女性の高いあどけない声は、思わず聴き入ってしまう不思議な魅力を秘める。ベーストラブルが起こって急遽MCを始めるハプニングがありつつも、仕切り直して『恋をしている目をしている』へ。フロアは既に彼女達の作り出す心躍るメロディーにどっぷりと浸かっている。まだ彼女達が高校生だった頃にEARNIE FROGsと出会った話をし、思わぬ縁と繋がりで今日のような1日が生まれたことを嬉しそうに話したモリユイ。高校生の時に作ったという『スポンジ』をあどけなさと妖艶さの両方を行き来しながら歌い上げ、出会いの日を懐かしんだ。『チャイニーカンフーセンセーション』を奏で、「今日は本当にありがとうございました」と口を開いた彼女。「最後の1曲、死ぬ気で歌うから。私が歌うところ見てて!」と叫ぶと、《がむしゃらに進め!》という言葉が今の彼女達にぴったりと重なった『Bambi』へ。真っ白な純粋さはそのままに、沢山の色を吸収していくしなまゆのこれからが楽しみになるような、天真爛漫なエネルギーを振りまいて、彼女達はEARNIE FROGsへと音を繋いだ。

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沢山のバンドが想いを込めた熱演を繰り広げる中、トリを飾るのは、EARNIE FROGs。磯貝 祐香(Dr)のカウントから勢いよく『Astroarts』の音の奔流の中へ。三木正明(Vo/Gt)と尾形悠妃(Vo/Ba)の心の奥底にある悲しみまで届くような声が、アグレッシブなバンドサウンドと絡み合って美しい調べを生み出していく。「EARNIE FROGsです、どうぞよろしく!」と三木が告げると、寺尾広大(Gt/Cho)のトリッキーなギターリフが印象的な『MATSURI』でフロアはお祭り騒ぎに。そのままサビでの開放感が心地良い『プラナリア』を奏で、三木が「UNKNOWN TREASURE、そして、我々のレコ発LIVEに来てくれてどうもありがとう」と話すと、今日しか出来ないLIVEを披露することをオーディエンスに誓ってみせた。

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『うそつき』を尾形の女性らしい情緒豊かな歌声で届けると、「ここからツアーが始まります。いろんなものをいっぱい吸収して、いろんなドラマを作ってくるので、ファイナルで成長した我々を見に来てください!」と笑顔で話した寺尾。あと2曲で最後だと告げると、惜しむ声が次々に上がった。ゆったりと水の中を揺蕩うような音に酔いしれた『鯨』を奏で、本編ラストは『drifter』。少しずつモノクロだった景色に色を付けていくような、視界が開けていく感覚を伴った希望がライブハウスに光となって降り注いでいた。

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アンコールに応えてもう一度ステージへと上がった彼ら。オーディエンスへの感謝を伝えると最後に披露する曲、『uncircle』について、寺尾が話し出した。この曲はバンドの個々の歪さがぶつかって、バンドが嫌になってしまった時に三木がバンドを続けたいという意思表示として持ってきた曲なのだということ。思い通りにいかないことがいっぱいあって、それでもLIVEでエネルギーの交換をしたら、上手くいかないことがあったから喜びを感じられると思えたということ。過去の出来事を1つ1つを噛みしめるように話す姿に、感情を揺さぶられた人も多かっただろう。「一緒に嫌なことがあっても、進んでいこう」とフロアを見渡しながら寺尾が話すと、沢山の拍手が贈られた。バンドとしての1つの大きな出来事を刻みつけた『uncircle』で終わりを迎えた彼らのLIVE。結束力を強めて、どんどん未来へと加速していく今の彼らに敵はいない。絶望が反転した希望はとても強く、明るく彼らの未来を輝かせていた。

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ここから全国の音楽シーンへと羽ばたいていくバンドが集い、決戦前夜のふつふつとしたエネルギーに満ちていた今回のイベント。音楽で成功を収めることはとても難しいことかもしれないが、今は原石として未来を見据えている彼らが、宝石になる日が待ち遠しく思える、そんなフレッシュな才能が濃縮された一夜だった。これからの彼らの輝かしい活躍に期待したい。

文/渡辺 真綾 写真/前田達也(tatsuyamaedaphoto.tumblr.com)

■セットリスト

scriptline
1.Crystal Glass
2.Endless
3.Break Free
4.The Film
5.Your Fiction
6.Second

ThreeOut
1.カランドリニア
2.Self Control
3.インソムニア
4.TRINITY
5.MASTERPIECE

ERUVOMA
1.REVIVE
2.Sweet temptation~獣道~
3.REVOLVER
4.JOKER
5.LINK×LINK×LINK

しなまゆ
1.サタデーフライト
2.恋をしている目をしている
3.スポンジ
4.チャイニーカンフーセンセーション
5.Banbi

EARNIE FROGs
1.Astroarts
2.MATSURI
3.プラナリア
4.うそつき
5.鯨
6.drifter
(encore)
7.uncircle

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