

ツボイ
2019.7.3
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BOYS END SWING GIRL Major Debut 1st Album『FOREVER YOUNG』インタビュー
「ずっと初心を忘れずに持ち続けていこうという意思表示として、このタイトルにしました(冨塚)」
以前からメジャーデビューを嘱望されてきたバンドのひとつBOYS END SWING GIRLが、遂にインディーズ時代の代表曲をタイトルにした『FOREVER YOUNG』でメジャーの舞台に登場。これまでの爽やかなイメージに囚われないアグレッシヴな楽曲から、バンドの新たな側面を感じさせる曲まで、バラエティに富んだ楽曲で構成されている。バンドの可能性を感じさせるその作品について、メンバー全員に語ってもらった。
―メジャーデビューおめでとうございます!まずはバンド結成の経緯からお聞きしてもいいですか?
冨塚大地(Vo/Gt): 僕はプロサッカー選手を目指していたんですけど、中学校2年生の時に試合で大敗して夢を諦め、学校へ行けずにいつも公園で音楽を聴いていました。それがきっかけでバンドをやりたいなと思い、オリジナル曲を作り始めたんですけど、その曲をライブハウスでやるにはバンドメンバーが必要で。そこで、小学校から一緒だった白澤(直人)に声を掛けました。当時は他にもメンバーがいたんですけど抜けてしまって。それでも、高校に入って(鍔本)隼と出会い、白澤が大学時代に出会った(飯村)昇平が加入して、2012年に今のメンバーになりました。
白澤直人(Ba): 僕は元々趣味でアコギは弾いていたけど、ベースは全く弾いたことがなくて。でも、周りにオリジナル曲を作っている人はいなかったので、誘われた時は純粋に嬉しかったですね。
飯村昇平(Dr): 白澤から「サポートでドラムを叩いてくれないか」と誘われて冨塚くんと会って話をしたら、しっかりバンドのことを考えているなという印象だったので、僕もバンドをすることに対して真面目に向き合うことができました。
鍔本隼(Gt): 冨塚くんとは高校の時に出会ったんですけど、野球部だったので楽器はやっていなくて。でも、2人のバンドのライブは観に行っていて、「バンド入りたいな」と思っていたところに「ギターが抜けたから入ってほしい」という電話を冨塚くんからもらったので、ギターを弾いたことないけどやろうと。
冨塚: アツくないですか?隼は一番仲が良かったけど、野球部だったからバンドには誘わなかったんですよ。ギターもやっていないし。でもギターが抜けた時、ダメ元で夜中に電話して。そうしたら、次の日に野球をやめてギターをやるという。漫画みたいですよね。
―本当に漫画みたいですね。今の4人になったタイミングで、BOYS END SWING GIRLというバンド名にしたんですか?
冨塚: バンド名は、最初に僕と中学時代の友達とで曲を作り始めた時につけました。メンバーが入れ替わる時に変えようと思ったりもしたんですけど、中学時代に初めて曲を作った瞬間が僕にとっての音楽の始まりだし、本当はバンドをやりたかったけどやれなくなった友達のためにも名前だけは残したいなと。
―なるほど。その当時はどのような曲を作っていたのでしょうか?
冨塚: 友達はアジカンが好きで僕はLUNKHEADが好きだったので、その2バンドの曲を混ぜたような感じでした。僕がLUNKHEADみたいな曲を作って、友達が書いたアジカンみたいな歌詞で歌っていました(笑)。
―音楽のルーツは他のみなさんも同じですか?
飯村: 音楽のルーツにLUNKHEAD好きはありますが、個人が好む音楽は別ですね。僕はハードコアとか激しめな曲ばかり聴いていました。大学になって洋楽も聴くようになりましたけど、ロックが多かったですね。
白澤: そもそも僕がアコギを始めたきっかけは、漫画の『20世紀少年』に出てきたローリングストーンズやビートルズなんです。だからその曲はよく聴いていました。バンドを始めるタイミングで冨塚くんから邦楽を聴かせてもらって、日本のロックも聴くようになった感じです。
鍔本: 僕はずっとYUIさんや斉藤和義さんを聴いていて、冨塚くんから音楽を教えてもらって、LUNKHEADが好きになりました。
―冨塚さんがみんなに影響を与えたんですね。6月5日にリリースされたデビューアルバム『FOREVER YOUNG』から20日ほど経ちますが、手応えはいかがですか?
冨塚: 僕の中では全て出し切れたと思っています。メジャー契約を結ぶかどうかというときに、ディレクターの方から「BOYS END SWING GIRLのみんなが、いい音楽を作ることだけに専念できるようサポートをしたい」と言われたのがすごく嬉しくて。このアルバムはそれができたし、ちゃんと自分たちの音楽要素を出し切れたので、手応えはあります。
―そのメジャー1発目のタイトルを『FOREVER YOUNG』にしたのはなぜですか?
冨塚: 『FOREVER YOUNG』という曲をインディーズの頃からずっと歌ってるんです。活動休止してバンドが解散するかもしれない時期に引っ張り上げてくれた曲なので、僕らにとってすごく大事ですし、僕個人としても自分を救ってくれた曲。かつこの『FOREVER YOUNG』という曲は、お客さんと僕らを繋いでくれる曲でもあるので、バンドのテーマソングだと思っています。今回メジャーへ行くにあたり、変わっちゃうのかなという気持ちに対して「俺たちは大丈夫だよ」と言ってあげられるし、自分たちもずっと初心を忘れずに持ち続けていこうという意思表示としてこのタイトルにしました。
―この他にもインディーズ時代の曲が2曲入っていますが、どうして入れようと?
冨塚: 『MORINING SUN』は初めてアレンジャーの方とガッツリ組んだ曲です。その方のエレクトロなアレンジに違和感があったんですけど、リリースしてみたら聴いてくれたファン達が「BOYS END SWING GIRLらしいね」と言ってくれて。すごく不思議だなと思ったのと同時に、何をやっても俺たちが演奏したらBOYS END SWING GIRLの音楽になるんだという勇気をもらいましたし、この曲があったからいろんな曲に手を出せるようになりました。だからこの曲は絶対に入れたいなと。もう1曲の『ストライド』は、僕はサッカー選手になる夢に向かって本気で頑張っていたけど挫折して、でももう一度立ち上がった。その気持ちをこの曲に残せたと思っているので、メジャー1発目に歌詞面で『ストライド』を入れました。
―それぐらい気持ちが入っている2曲だということですね。今作にはいろいろな曲が入っていますが、その中で『リベラルセブンティーン』のリアルな歌詞が好きです
冨塚: ありがとうございます。歌詞を書くにあたりペルソナを決めていて。この曲は、17歳の女の子が自分は何かにならなくちゃいけないけど、何になるのかと悩んでいることを書きました。一人称がウチになっているのは、作詞家のjamさんから「一人称を変えてみたら」というアドバイスをもらったからで、変えてすごく良かったと思っています。あと、最後の曲『Alright!! 〜令和若者賛歌〜』もペルソナが入っています。
―この曲は応援歌ですよね
冨塚: そうです。僕らは25歳なので、同い歳の友達は社会人4年目。仕事を頑張っている友達は本当にすごいなと思っていて、それに対して賛歌を贈りたいなと思って書きました。友達のこいつに歌おうと。
―ペルソナというより、リアルなお友達のために書いたんですね
冨塚: はい(笑)。でも、限定すればするほどみんなに届くんだなと今回改めて知りました。例えば『リベラルセブンティーン』も17歳に向けて歌っていますが、17歳以上の人から「すごく好き」って言われたり、『Alright!! 〜令和若者賛歌〜』も25歳に向けて歌っているけど、まだ働いたことない高校生から「共感する」と言われたり。今のところなぜかは分かっていないですが、そういうことってあるんだなと。可能性が見えてきた気がしました。
―年齢関係なく刺さる歌詞なんだと思います。飯村さんは今作で特に好きな曲は何ですか?
飯村: リード曲の『Goodbye My Love』ですね。初めてスタジオで聴いたとき、すごく鳥肌が立って、絶対にこの曲をリード曲にしたいなと思いました。<衣替えをした 春物のコート 音も立てずに ぽとりと落ちた 映画の半券 ああこんなところに まだ君はいたのか>という歌詞が本当にすごくて。超想像できるんですよ。
―これは冨塚さんの実体験だったりします?
冨塚: いつもははぐらかすんですけど、これに関しては実体験です(笑)。
―やっぱりそうなんですね(笑)。白澤さんは歌詞についていかがですか?
白澤: 歌詞は全体的にすごくいいなと思っています。最近、恋愛の歌ってすごくストレートな歌詞が人気な気がしていて。恋愛の歌『Goodbye My Love』『毛布の中で抱き合って』もそうなんですけど、このアルバムでは恋愛でもすごく詩的に表現されている感じがあって。もっと評価されてもいいんじゃないかなと。
―冨塚さんの歌詞は結構入り込みやすいですよね
冨塚: 心掛けていることがあって、すごく難しい言葉を使って難しい言葉を並べるんじゃなく、難しいことを一番簡単な言葉で説明できる人になりたいと思って歌詞を書いています。言葉にしたいけどいつも出てこない、何て言えばいいのか分からないものを言葉にして伝えることが僕にできることじゃないかと。<映画の半券>という風景をフィルターとして挟むことで、伝わりにくい言葉も伝わりやすくなると思います。歌詞を書く時にそれをずっと探しているのはありますね。今回のアルバムはそれができたんじゃないかと思います。
―それすごく分かる気がします。鍔本さんはギタリストとして好きなフレーズあります?
鍔本: 今回いいギターソロがたくさん録れたと思います。特に『Boo!! Let it go!!』が気に入っています。
冨塚: 俺らの中でのいいというか、好きなのは歌えるギターソロだよな。
鍔本: 『紅』みたいな。
一同: (笑)。
冨塚: そこまではできないですけど、歌えるギターソロが僕らの強みだと思うし、その意識があるのでそこは続けていきたいなと思います。
―その方がライブでも盛り上がりますよね。そして、今作のツアーが7月11日(木)の名古屋APOLLO BASEから始まります。どんなツアーにしたいですか?
冨塚: メジャーデビュー1発目だし、このアルバムを出してからアンプで曲たちを鳴らしていないので、まずはそれが楽しみです。音楽は音を楽しむことなので、まずはメンバー4人が楽しむ。そして、来てくれたお客さんみんなと楽しむことができればいいなと思っています。とにかく楽しむことが大事ですね。
―間違いないです。最後にそのライブを楽しみにしているファンへ向けてメッセージをお願いします
白澤: インディーズ時代より一皮剥けてブラッシュアップされていますし、新しい曲も披露するので楽しみにして来てくれればと思います。
鍔本: 今回のアルバムは、みんなに歌ってほしい曲や叫んでほしい曲もあるので、いっぱい聴いて予習してきてほしいです。
冨塚: 怒りを溜めてきてもらって、みんなで「Boo!!」ってやりたいですね。この曲は、普段仕事で辛い思いを抱えていても言えないことを、今まで爽やかバンドと言われてきた俺たちと一緒にライブハウスで「Boo!!」って言ったら面白いなと思って作ったので、怒りを溜めて発散しに来てほしいですね。
飯村: 怒りだけじゃなくて曲によって感情を解放させてほしいですね。みんなで楽しみましょう。
冨塚: みんな仕事や学校で辛いことがあるかもしれないけど、いいこともあるからそれに向かって頑張ってほしいと思っています。そのいいことが俺らのライブになれるよう頑張りますので、ぜひ一緒にライブを楽しみましょう。
BOYS END SWING GIRL『Goodbye My Love』
■リリース情報
『FOREVER YOUNG』
Major Debut 1st Album
2019.6.5 発売
2,593円(+tax)
■LIVE情報
BOYS END SWING GIRL TOUR 2019 “FOREVER YOUNG”
7月11日(木) 愛知 APOLLO BASE
7月12日(金) 大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
7月21日(日) 東京 渋谷WWW X ※ワンマン
■オフィシャルHP
https://www.besg.jp
■プロフィール
千葉県成田市出身。小学校からの幼馴染である冨塚(Vo)と白澤(Ba)を中心に2010年結成。2012年に鍔本(Gt)、翌年に飯村(Dr)が加入し、本格的に活動を開始する。10代の頃からRO69JACKやHOTLINE、HARENOVAなど数々のコンテストで入賞し、注目を集め、2016年9月に自主レーベルNazcaRecordsより1st Mini Album『KEEP ON ROLLING』をリリース。2017年より88Music・Village Again associationと契約。2nd Mini Album『TRANCE』、3rd Mini Album『CLOCK』をリリース。そして、テレビ朝日EX THEATER TV主催「ROAD TO EX 2017」で優勝し、初代チャンピオンとなる。2018年にはメトロック東京などの大型フェスにも出演。夏に4th Mini Album『NEW AGE』をリリース。ツアーファイナル公演の代官山UNITでワンマンライブを成功させ、12月にはEX THEATER ROPPONGI「SO FES 2018」に出演し、ステージ上でメジャーデビューを宣言。そして、2019年6月5日にアルバム『FOREVER YOUNG』にて、テイチクエンタテインメント・Imperial Recordsより待望のメジャーデビューを果たす。冨塚(Vo)の"透き通りながらも力強い歌声"を武器に、地元千葉県成田市から果ては世界を目指して活動中。