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ライター ツボイ

2019.2.13

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King Gnu 2nd Album『Sympa』インタビュー

「僕の声をすごく理解して書いてくれていると思う(井口)」

いま急速に知名度と評価を上げているKing Gnuが、1月16日に2ndアルバム『Sympa』をリリースした。ネオソウルやR&B、ストリングスまでをも飲み込み、J-POPへと昇華させた独自のサウンドは他を圧倒する。その作品からKing GnuのアートワークやMVなどを手掛けるPERIMETRONとの関係性まで、井口理(Vo/Key)と勢喜遊(Dr/Sampler)の2人に訊いた。

―King Gnuは今すごく注目されていますが、お2人はこの状況をどう感じています?

勢喜遊(Dr/Sampler): いろいろなところで反応をいただけたり、CDショップで大展開している店舗さんも目にしたりするので、すごくありがたいと思っています。

井口理(Vo/Key): 僕は正直スピード感に結構戸惑っている部分もあって、なかなかこの状況を楽しむことは難しいんですけど、前向きに捉えたいですね。

―実は前身のSrv.Vinciの頃から聴いていました。当時から曲を作られているのは常田大希(Gt/Vo)さんですが、その常田さんが持ってきたものに対してみなさんでディスカッションしながら仕上げていく流れなのでしょうか?

井口: (常田)大希からざっくりこういう風にしてほしいというイメージを伝えられて、各々がアレンジしていく感じですね。

勢喜: (井口)理ならコーラスワークを考える、僕なら自分のアイデアを盛り込みながらドラムを組み立てるという感じで各々がアレンジして、それをまとめる感じです。

―井口さんは常田さんとは幼馴染みだとお聞きしました。聴いてきた音楽も同じでした?

井口: 全然違います。僕はいわゆるJ-POPばかり聴いていました。僕らの世代だとORANGE RANGEとか流行ってたよね。

勢喜: ORANGE RANGEは流行りましたね。僕も小学校6年生の時に『musiQ』というアルバムを買った覚えがあるので。

井口: 大希も聴いてたとは思いますが、あいつは洋楽を幅広く聴いてたので、それが今に影響している部分もあると思います。

勢喜: 僕はダンスをやっていた関係でヒップホップを自然に聴いていましたね。

―みなさんバラバラなんですね。でも、その皆さんのアイデアが集まってKing Gnuのサウンドを作り上げていると。そして、1月16日にリリースされた2ndアルバム『Sympa』は、前作『Tokyo Rendez-Vous』よりポップだと感じたのですが、意識の変化や影響を受けたようなことがあったのでしょうか?

勢喜: 常田がファーストと『Sympa』の間にJ-POPを聴きまくった時期があったらしくて、それがポップになったひとつの理由かもしれないですね。

井口: 昔よりもポップスに対しての苦手意識がなくなって、いいものを取り込む聴き方をしてるんじゃないかと思います。

勢喜: 確かに、壁みたいなものが取り払われたような感じは見受けられます。

―今作は曲の振り幅も広いです。曲はもっとたくさん作っていると思うのですが、その中からどのように収録曲を選んだのでしょうか?

井口: 確かに入れていない曲もあるよね。

勢喜: 結構あったね。全体の中でこれはちょっと違うなという曲は入れなかったです。あと、全体の流れをみてアレンジを変えた曲もあって、例えば『Bedtown』はライブで『Catch!!!』というタイトルでやっていて、ミドルテンポのR&B寄りのビートの曲でした。今回アルバムを通して見た中で、バランスをみてこういうのもいるんじゃないかとテンポを30ぐらい上げています。

井口: アッパーな曲が少なかったというのがあったので、『Catch!!!』をもうちょっとテンポを上げて後半に入れようとなって、今の『Bedtown』になりました。

―全体のバランスを考えてアレンジも変えているんですね。ちなみに、『Slumberland』って前身のバンドに元ネタとなる曲がありますよね

勢喜: そうですね。『PPL』という曲です。

―今回どうしてリアレンジして収録されたのでしょうか?

井口: Srv.Vinci時代のファースト作品に入っていた『PPL』をリアレンジしたんですけど、この曲はずっとライブでやっていたので、その中で変わってきた部分もあって。

勢喜: だから入れたのはありますね。

井口: メジャーの一発目に入れることで、今のKing Gnuを伝えたいなと。

―その『Slumberland』と次の曲『Flash!!!』が今のKing Gnuだと思うのですが、最初にこの2曲を持ってきたのは狙いです?

勢喜: そうですね。名刺代わりとして最初に持ってきました。

―また、『Sympa』というインタールドが4曲収録されています。これは、作品の流れにおいて欠かせない曲なのかなと思うのですが

勢喜: アルバムを通して作品にするというコンセプトの元、『Sympa』を4曲作ったのだと思います。今はシャッフルで聴いたり単曲買いしたりするので、アルバムを通して聴く機会が少なくなっているじゃないですか。僕らはアルバムで勝負したいので、コンセプチュアルにして1枚を通して聴いてほしいという思いがあります。

―『Sympa I』には信号、『Sympa IV』にはサイレンが入っています。これにも意味を持たせているということでしょうか?

勢喜: 『Sympa I』で流れてくるのはモールス信号で、「助けて」という意味で…。

井口: SOSです。救助を求めているという。最後の『Sympa IV』で…。

勢喜: サイレンが鳴って、助けが来るというストーリーになっています。

―そのようなストーリーの元作品が進行していくんですね。King Gnuは、基本的に井口さんと常田さんのお2人で歌われていますが、前回より今回の方が曲単位で担当しているような印象を受けました

井口: 住み分けは前回とだいぶ違いますね。常田が本当に伝えたい歌詞は、自分で歌った方がしっくりくるんだと思います。ロマンチックなラブソングみたいな歌は僕が歌っています。住み分けが彼の中でしっかりできてきたのだと思います。

―井口さんが歌われている『Don't Stop the Clocks』の声は結構高いですが、井口さんの声ありきの曲なんだろうなと

井口: そうですね。僕の声をすごく理解して書いてくれていると思います。音域にしろ表現にしろ、僕がどう歌うかを理解できているんだろうなと。この曲は、それが特に出ていると思いますね。

―ちなみに、この曲はアルバムの中でも異質ですよね

井口: もうバンドじゃないですよね(笑)。

勢喜: 結構チャレンジした曲です。

―そういう意味では、最後の曲『The hole』もすごくシンプルでこれまでにないタイプの曲だと思います

井口: この曲もバンドにとっては挑戦した曲で、サウンド面でめちゃめちゃ引き算しました。

勢喜: この曲では、手数じゃない表現というか、違う段階に踏み込めたような気がしています。

―最後にそういう曲で終わるのは先への期待感もあります。そして、King Gnuはアートワークも特徴です

勢喜: PERIMETRONという、普段は各々フリーランスでやっているけど、時としてチームで動く集団のクルーとずっとやっています。

―そのPERIMETRONの方達がKing Gnuのビジュアルや世界観を作っているんですね

井口: PERIMETRONがアー写からミュージックビデオまで、アートワークの全てに関わってくれるのは強みですよね。見せ方として確立されているので、すごく助けられている部分があります。

―しかも、King Gnuというバンドをしっかり理解している印象もあります

井口: 仕事で頼んだだけでは、今のようにはなっていないと思います。彼らとすごく密に話し合いをするし、お互いがどういう人間なのかを分かっているからこそ成立しているのだと思います。

勢喜: そういう関係性の元ミュージックビデオが作られるので、普通のものとは違うものができますよね。

―ミュージックビデオは、最近の『Player X』『Flash!!!』を取っても、曲をしっかり理解した上で作られている感じがします。アニメーション、CGと曲で表現を変えていますし

勢喜: 幅はありますね。その辺も結構考えているみたいで、みんなの会話はよく聞きます。

―ということは、みなさんはミュージックビデオが完成してから見られるんですか?

井口: ほぼそうですね。

勢喜: 撮れ高の時点で結構カッコいい画になっているので、大体の予想はできるんですけど、完成してから見ることの方が多いですね。

井口: だから、ほとんどファンの人と同じ(笑)。

一同: (笑)。

―今後のミュージックビデオも楽しみにしています。そして、3月3日からワンマンツアーもスタートします。8カ所11公演ですが多い方ですか?

勢喜: この数は初めてですね。

井口: 名古屋、大阪、東京以外の街でワンマンをやるのは初めてです。

―ファンからのKing Gnuへの期待値も高いと思います。そこに応えるプレッシャーもあるのではないですか?

井口: ライブだと俺ら気にするタイプで。ちょっといつもより盛り上がっていなかったら、今日ダメかなと4人ともステージ上で思うんですよ。

勢喜: 今日のオーディエンスは静かだなとか。会場ではそんなに分からないぐらいですけど、結構敏感に感じる4人なので、それを跳ね除けていきたいですね。

―意外と繊細なんですね。名古屋には11月のワンマン、年末の『年末調整GIG』で来られていましたが、お客さんの印象はいかがですか?

勢喜: 結構盛り上がってくれていた印象があります。名古屋に苦手意識は全くないし、いい感じです。

―3月7日のダイアモンドホールを楽しみにしています。そして、TVドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』の主題歌『白日』を書き下ろされていますが、お話をいただいてから書かれたのでしょうか?

勢喜: そうですね。制作期間が短かったので、結構バタバタしましたけど頑張って完成させました。めちゃめちゃいい曲ができたと思ってるし、周りからの反応もいいのでバズってほしいですね。

井口: そうだね、是非フルで聴いてほしいです。

勢喜: びっくりするような展開になっているので、フルで聴いてほしいですね。

―それはフルで聴きたい!では最後に、ツアーへ足を運ぶファンへメッセージをお願いします

勢喜: 全国ツアーは初めての経験なんですけど、やることをやるだけなので楽しみます!名古屋のお客さんは、いつも通り楽しんでもらえればと思います。

King Gnu『Slumberland』

King Gnu『Flash!!!』

■リリース情報

『Sympa』
2nd Album
2019.1.16 発売
初回生産限定盤(CD+DVD) 3,900円(tax in)
通常盤(CD) 2.900円(tax in)

■LIVE情報
King Gnu One-Man Live Tour 2019 “Sympa”
3月03日(日) 東京 STUDIO COAST
3月07日(木) 愛知 DIAMOND HALL
3月09日(土) 福岡 DRUM LOGOS
3月17日(日) 大阪 BIG CAT
3月18日(月) 大阪 BIG CAT
3月21日(木祝) 香川 高松MONSTER
3月22日(金) 広島 HIROSHIMA CLUB QUATTRO
3月30日(土) 北海道 札幌cube garden
3月31日(日) 北海道 札幌cube garden
4月05日(金) 宮城 仙台Rensa
4月12日(金) 東京 STUDIO COAST

■オフィシャルHP
http://kinggnu.jp

■プロフィール
東京藝術大学出身で独自の活動を展開するクリエイター常田大希が、2015年にSrv.Vinciという名前で活動を開始。その後メンバーチェンジを経て、常田大希(Gt/Vo)、勢喜遊(Dr/Sampler)、新井和輝(Ba)、井口理(Vo/Key)の4名体制へ。SXSW2017、Japan Nite US Tour 2017出演後、2017年4月26日にバンド名をKing Gnuへと改名し新たなスタートをきった。独自のポップセンスと色気が凝縮されたトーキョー・ニュー・ミクスチャーと称されるサウンドはもとより、FUJI ROCK FESTIVAL、RISING SUN ROCK FESTIVAL等大型フェスへの出演、盟友クリエイティブレーベル「PERIMETRON」と制作するMVが注目を集め、ワンマンLIVEも毎回即完!! 音楽・映像・アートワーク、LIVE全ての面において、唯一無二の世界観を築き上げている。

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