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ライター ツボイ

2020.4.20

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ニガミ17才 インタビュー

「白いキャンバスを眺めていて、見えてきたらそこに下書きしていく感じかも(岩下)」

TV番組『バズリズム02』で「コレがバズるぞ!BEST10」の2位にランクインし、業界だけでなくリスナーからも注目を集めるバンド、ニガミ17才。“おしゃれ且つ変態な音楽の表現。”を掲げる彼らの楽曲は、キャッチーの中に変態性が混在。それが中毒性へとつながって、今ハマる人が続出している。今回、そのニガミ17才の岩下優介(Vo)、平沢あくび(Syn)の2人に結成からバンドの楽曲、平沢のバラエティ出演への思いまで語っていただいた。

―まずは、ニガミ17才結成の経緯から伺ってもいいですか?

岩下優介(Vo): 僕は昔、嘘つきバービーというバンドをやっていて、それを解散してからはもう音楽に携わるのは止めようと思っていたんですけど…。

平沢あくび(Syn): バンド解散後しばらくして岩さん(岩下)に連絡してみたら、外に出ず、誰とも連絡を取らず、ずっと家にいて廃人みたいになっていて(笑)。「もう表舞台に出たくない」と言っていたので、やる気ないなと思ったのと同時に、ファンだったので「もったいない。絶対ステージに立たせたい」とも思ったので、とりあえず当時流行っていた音楽を持って行って聴かせたり、ライブハウスへ行けば刺激を受けるかもと思って、仲の良かった385というバンドのMIYAちゃんがライブやる時に、岩さんを連れ出したりしていました。

岩下: (平沢)あくびが毎週月曜日に、自分が気に入った音楽CDを置いていくんですよ。半年ぐらいやってたよね?

平沢: 半年ぐらいだと思います。季節変わってましたから。

岩下: 嘘つきバービー時代は、中学校の頃から好きだったゆらゆら帝国やナンバーガール、ZAZEN BOYSの流れしか聴いてこなかったので、流行りの音楽や今の邦楽の流れを全く知りませんでした。それが、解散後あくびが置いていく流行ってる邦楽や洋楽を聴いてるうちに「日本ってカッコいいバンド多いんだな」と思うようになって、それが評価されている音楽業界に戻ってもう一回勝負してもいいかなと。それでバンドをやろうと思いました。

―なるほど。それから平沢さん含めどのようにメンバーを集められたんですか?

岩下: まずドラムから探し始めたんですけど、そういえば昔よく対バンしていたミドリのドラムの小銭が上手だったなと思って声を掛けOKをもらいました。俺はベースを弾いていたんですけど、嘘つきバービーでしか弾いていない男にしたかったので、サンプラーみたいな鍵盤をやろうと。そうやって考えていくうちに女性コーラスが欲しくなったので、あくびに「女性メンバー入れたいんだけど、知り合いいない?」って相談したんです。その時彼女は女優さんだったので、誘うなんてミリも考えてなかったんですけど、385のライブへ行った時にMIYAちゃんが「岩ちゃんとバンドやればいいじゃん」と言っていて、「その手があったか!」みたいな。「女優やってるから誘っちゃダメというわけじゃないんだ」と思って、「バンドやってみる?」と言ったんだよね。

平沢: ですね。楽器の出来ない私を誘ってくれたのに応えたくて、事務所を辞めちゃいました(笑)。私、二足の草鞋はできないので。それに、辞めたら本気でやらざるを得なくなるじゃないですか。

岩下: あくびが事務所を辞めたことでバンドのギアがグッと上がって、やらなきゃという雰囲気になりました。確か、あくびが辞めてすぐにライブを決めた気がします。その時まだ1曲もなかったですけど(笑)。

平沢: 全部後々だったよね。ライブを決めてから曲を作ったし、アルバムのリリースを発表してからアルバムの曲を作り始めたし(笑)。

岩下: 確かに(笑)。ちなみに、ベースはドラムの小銭が連れてきました。ブルースのセッション大会かで知り合ったとか(笑)。

―そうなんですね(笑)。ニガミ17才というバンド名についてもお聞きしていいですか?

岩下: ニガミちゃんという架空の人物の17才の1年間を、メンバー4人で一生かけて表現するというコンセプトからです。ニガミちゃんは人の名前っていうだけですね。

平沢: 17才が甘酸っぱいのか、ほろ苦いのかとなった時に「ニガミがいいよね」みたいな。

―ニガミ17才は、“おしゃれ且つ変態な楽曲の表現。”をテーマにダンサブルな楽曲をやられていて、嘘つきバービーとはかなり違います。どのようにして今の音楽性に辿り着いたんですか?

岩下: あくびが置いていった“あくびヒットチャート”で音楽の考え方が変わりました。嘘つきバービーで僕は一回死んだつもりでいるので、あくびが持ってきたカッコいい表現が世の中で評価されるなら、もう一度イチから勝負しようと始めたからというのはあります。

平沢: サカナクションやSuchmosを置いていってました。そのとき音楽を聴いてる人からすれば、「サカナクションの新曲だ」「この曲はSuchmosというバンドの曲なんだ」という感じだと思いますけど、岩さんはそれ聴いて「何これ!めっちゃカッコいいやん!」って。

一同: (笑)。

平沢: 岩さんはどこをカッコいいと思って聴いてるのか気になってたんですけど、まさかポップなものに興味を持つなんて。それが衝撃で。

岩下: 嘘つきバービーは世間に評価される側としてやってきたので、その時期にそれらを聴いてもたぶん刺さってなかったと思います。そこからバンドを止めて、フラットなリスナーとして聴いたからカッコいいと思えて今までとは違うバンドをやろうと思えたのかなと。

平沢: ニガミの曲は、岩さんのマイブームによって曲調が変わるので面白いんですよ。新曲が届く度に「今そっちなんだ」と。曲作りの時も、岩さんがメンバーに求めるビートやリズムの要求がひとつ前の曲と全然違うし。岩さんの中にある“岩下ヒットチャート”がメンバーも分からなくて。

岩下: 毎週“岩下ヒットチャート”をメンバーに送ろうか?前回よりツーランクダウンとか付けて。

平沢: めっちゃ聴きたいそれ(笑)。

―それで知るのも面白いですね。音楽性が変わったことで、曲作りもバンドの頃とは変わったんじゃないですか?

岩下: そうですね。今はひたすら机に向かって曲作りしています。それに、そうは見られないんですけど全部完璧にしないと嫌で。だからめちゃくちゃ時間がかかる。ボツ曲が6,000曲ぐらいあります(笑)。

平沢: そのボツ曲も私はすごくカッコいいと思うんですけど、岩さんにとっては少しのパーツがしっくりこなければ全部がボツになるんですよ。

―それは時間が掛かりそうですね。ニガミ17才の複雑なリズムはどう思いつくんですか?

岩下: クリックをずっと聴いてるとですかね。絵を描くのと一緒かも。白いキャンバスを眺めていて、見えてきたらそこに下書きしていく感じかもしれないです。

―なるほど。それをちゃんと演奏するもすごく大変だと思うのですが…

平沢: はい(笑)。岩さんが鍵盤のフレーズも全部考えてくださるので、私はそれをひたすら覚えるだけです。私は曲もフレーズも作れないので、岩さんが表現したものを完璧に出すのが役目。すごくゆっくり再生したバージョンのデータをいただいて、音を指で追ってひたすら覚えています(笑)。スタジオでは、鏡を見ながらお客さんの方を向いて弾く練習をしています。

岩下: 1曲が100だとしたら、その中でここはしっかり弾かなきゃいけないというポイントは10ぐらいだと思うんですよ。あくびは、曲を渡すだけでその内の9ぐらい正解してくるのですごくやりやすい。ただの音楽素人じゃなくて、感性が合うというか感覚が一緒なのかなと。それが全くないのがドラムの小銭。10の内1合ってたらいいぐらい(笑)。でもあいつはドラムの技術があるので、そこでカバーしてる。

―極端ですね。話は変わりますが、ニガミ17才のミュージックビデオは面白くてD.I.Y感もいいなと

平沢: MVは結構2人で話し合います。監督さんに「こんなの撮りたい」と言って具現化してもらうんですけど、いつも結構変なものにお金を掛けていて。『ただし、BGM』だと、ゴミ袋の中のLED。

岩下: LEDは確か全部で8万ぐらいしたんですよ。それを撮影の前日に届く手配にしてたんですけど、その日東京が大雪で届かないとなったので急遽買いに行ってもう8万出しました。だから、今無駄に未使用のLEDが倉庫の中にあります(笑)。

―(笑)。それに、なぜかちょっとオシャレっぽさもあるんですよね

岩下: それは監督の功績もあると思いますが、バンド結成の時からオシャレはすごく意識していました。ベタでもいいからオシャレなものをやっていきたいねって。

―ファッションもギリギリで、ダサいとオシャレのちょうどいいところを付いているなと

平沢: 『化けるレコード』で私ピンクブルマ履いてるんですよ。あれもマネしたいかわいさじゃない方へいこうみたいな(笑)。

岩下: ブルマの角度もだいぶ話し合いました。これよりハイレグになるとただのエロになるから、かわいい角度って?と2人でコマネチしてるみたいな(笑)。

―こだわる部分が細かいですね(笑)

岩下: バランスって本当に難しいと思うんですよ。先ほどおっしゃっていただいたダサいとオシャレのバランス、変態とおしゃれの配合というか。その境目は気を付けてます。

―そうじゃないと、ただダサいだけ、ただオシャレなだけになっちゃいますしね。そんな中、1月にリリースされた『幽霊であるし』のMVは、PERIMETRONが手掛けてるんですよね。どうやって出会ったんですか?

岩下: これは完全に僕らがPERIMETRONの映像作品のファンで。あくびが「めちゃくちゃかわいいMVあるんです」と、Tempalayの『どうしよう』という曲のMVを教えてくれたので、見たらめっちゃカッコ良くて。で、制作していたPERIMETRONの映像作品を見まくって、「どうにか繋がって『幽霊であるし』は一緒にやりたい」とPERIMETRONの公式ホームページにあるお問い合わせに「こんにちは。ニガミ17才です」って(笑)。そうしたらPERIMETRONが僕らのことを知ってくださっていて、「ぜひお仕事一緒にやりたいです」と返事が届いたんです。

平沢: まさかのファンで。私たちのやりたいことも聞いてくださって、話し合いながらMVを作れて楽しかったです。「すごくオシャレにしてください」って言ったんですけど、その中での変態性を今回は岩さんが補ってくれました(笑)。

一同: (笑)。

岩下: そういう役どころですからね。

平沢: いつも私と岩さんでふざけてたんですけど、最近私のバラエティ出演が増えてきたので「ちょっと違う顔を見せたいね」と岩さんから提案されて。

岩下: あくびのバラエティ出演はめちゃめちゃ話し合って決めたんですけど、キャピキャピしたキャラクターでずっとバラエティに出てたので、キレイなあくびを見てほしいと思い、「今回は演技に徹してくれ」と。

平沢: あらー(笑)。笑いたくて仕方なかったですけど。

―見ている方も不気味さに笑えましたよ。髪が長いままだったらより不気味だろうなと。ちなみに、どうして髪を切ったんですか?

岩下: 気になりますよね。髪の毛のことを考えてなかったというか。オカッパで20年ぐらいやってきたので、これが当たり前になってて切るとことに思いがいってなくて。ふと、オカッパってカッコのいいか?って(笑)。

平沢: えっ!急に?(笑)

岩下: そう。何でずっとトレードマークみたいなことしてるんだろう、ダサっと思って切りました。

一同: (笑)。

―結構単純な理由だったんですね。平沢さんがバラエティ番組に出演するにあたり、話し合いされたとおっしゃっていましたがどのようなお話をされたんですか?

岩下: あくびがバラエティに出ているのは、ニガミ17才というバンドや音楽そのものを広めたいという思いからなんですけど、バラエティに出ることでバンド自体がなめられるのは嫌だなと思ったんです。あくびは下ネタも言うキャラクターですし。でも、あくびがどんな出方をしようと、それきっかけでバンドに興味を持ったとしても、ニガミ17才はカッコいい音楽をやってる自信があるから大丈夫ということを4人で確認し合って、あくびをバラエティに送り出しました。

平沢: これきっかけであくびを検索した人がニガミのMVを見て、そこから関連動画に出てくるバンドのMVを見て、カッコいいなかわいいなと広がればいいなと。私はニガミ17才の広告塔になろうとしていたし、個性的で面白いバンドって多いからもっとバラエティにバンドマンが出ることで、ひとつの枠として使ってもらえるようになって、もっとバンドがポピュラーになったらいいなという思いもあります。

岩下: あと、バラエティ出演にあたり3つの取り決めをしました。その中のひとつが嘘はつかない。バラエティの空気に流されて面白くするために嘘を言うことはしないでほしいと。ウケなくてもいいから、本当のことだけを話してという取り決めをしました。例えウケなくても、あくびには帰ってくる場所がちゃんとあるから怖いもの無しでいってらっしゃいと。

―何かいい話ですね。今後の活躍も期待しています。最後にインタビューを読んでくれる人にメッセージをお願いします

平沢: 今の状態が終息したらライブハウスに来てほしいです。音楽を生で体感してほしい。それはニガミ17才だけじゃなくて、気になったバンドも見にいってほしい気持ちがめちゃめちゃ強くあります。

岩下: それだけみんなカッコいいことをやってると思う。生で体感したことない人は、ライブハウスへ行ってみてほしい。配信もいいですが、生は全然違うから、今の状態が終息したら是非ライブハウスへ行ってみてください!

ニガミ17才「幽霊であるし」MV

■リリース情報

『幽霊であるし』
配信シングル
2020.2.7 リリース

■LIVE情報
全国対バンツアー「ニガミ17才と。-2020-」
6月01日(月) 愛知 池下CLUB UPSET w/MONO NO AWARE
6月10日(火) 東京 渋谷WWW X w/Tempalay
6月16日(火) 広島 セカンドクラッチ w/岡崎体育
6月24日(水) 沖縄 那覇Output w/385
6月30日(火) 福岡 DRUM SON w/xiangyu
7月02日(木) 香川 高松TOONICE w/空きっ腹に酒

■オフィシャルHP
https://nigami17.com

■プロフィール
2016年に元嘘つきバービーの岩下優介(Vo)を中心に、小銭喜剛(Dr)、イザキタツル(Ba)、平沢あくび(Syn)の4人で結成されたクリエイティブバンド。“おしゃれ且つ変態な楽曲の表現”というテーマのもと、全面セルフプロデュースで活動している。楽曲はもちろん、変態を標榜するにふさわしいミュージックビデオも展開。その独自のセンスが注目を集める。
ワクワクドキドキの背徳感、それに勝る音楽的満足感に浸れる、ジャンルにとらわれない超個性的な楽曲とライブパフォーマンスは、度々「中毒性がある」と評され、ニガミ沼にハマる人が続出。2020年、要注目バンドとの呼び声高し。

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