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ライター ツボイ

2019.12.19

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EARNIE FROGs 3rd Mini Album『Orange glitter』インタビュー

「『Orange glitter』らしい熱量が、この作品に入っていない別の曲でも届けられるんじゃないかと思います(三木)」

前作のミニアルバム『イエロウ・イン・ザ・シティ』からわずか半年、11月20日に3rdミニアルバム『Orange glitter』がリリースされた。前作は広く街をテーマにしていたが、今作は人にフォーカスを当てており、彼ららしさが垣間見られる作品となっている。ただ、様々な新しい挑戦をしているからか、新たなEARNIE FROGsの一面も見られる。常にチャレンジをし続ける彼らが先に見据えるものとは。テラオ(Gt/Cho)、三木正明(Gt/Vo)、ゆかちん(Dr/Cho)の3人に話を訊いた。

―11月20日にリリースされた3rdミニアルバム『Orange glitter』は、前作『イエロウ・イン・ザ・シティ』から半年という早いスパンでのリリースになりますが、曲は前回の時点で結構出来ていたんですか?

テラオ(Gt/Cho): 前作と並行して録っていた曲も結構あって、そもそも「フルアルバムで出すか、ミニアルバムで出すか」という話し合いをしていたぐらいでした。この2枚は紅白盤というか、前回と今回を合わせてひとつの作品みたいな感じだと自分たちの間では思っています。前作は“街”という大きいところでしたけど、今回は“人”にフォーカスを当てていて、街に住んでいる人に潜っていくような作品になっています。

―その収録曲はどのようなテーマをもって選ばれました?

三木正明(Gt/Vo): 何か意図があってこの6曲を選んだというより、その時の俺たちの音楽を閉じ込めたらこういう感じになったのかなと。自然とこういう方向性の作品になったと思います。

―その1曲目『36.7℃』は体温のことだと思ったのですが、そうだとすると平熱よりちょっと高いですよね

テラオ: この曲を作った時にすごく体温を感じて。それは平熱じゃなくてちょっとあったかいぞと。自分の平熱が大体36.5℃なので、高揚した感じは36.7℃だなと思ってタイトルを付けて、音源と一緒におがた(Ba/Vo)へ投げたら、おがたにとっては微熱を感じさせる曲だったみたいで、違う視点からの36.7℃を曲に出来たと思います。

三木: おがたが曲を書いて僕のキーだったので僕が歌っているんですけど、最初は結構ポジティブに受け取って歌っていて。でも、おがたに「そういう感じじゃないんだな。いい歌らしく歌う感じでもないんだ」と言われたので、録り直して今のテイクを使っています。僕にとっての36.7℃とおがたにとっての36.7℃が混ざって、さらにテラオくんの意志もあって、すごくいい感じにミックスされていると思います。

テラオ: 聴く人によって聴こえ方が変わる曲になったというか、押し付けがましさのない、聴き手に届いた時点でその人の曲になっている曲を初めて形に出来た感じがします。

―次の『バタフライ』はガラッと変わって疾走感のある曲。展開が結構面白いです

テラオ: この曲はゆかちん発信です。

ゆかちん(Dr/Cho): スタジオで私の好きな曲を2人に聴かせて、「これをやりたい」ってその場でセッションして骨組みを作りました。それをテラオさんにDTMで作ってもらったんですけど、途中ですごい展開があって…

三木: 遊び心が、ね。

ゆかちん: 「こんなん出来たよ」みたいな感じで。

テラオ: これはトリッキーを求められているような気がして。ゆかちんが聴かせてくれたのが、UNISON SQUARE GARDENの田淵さんが楽曲提供している曲だったので、田淵さんイズムではないですけど、自分の中でそれを昇華してやりたいことを全部詰めたら意外といけちゃって(笑)。ゆかちんからも「オッケー」って。

ゆかちん: この曲はすごくこだわりました。歌詞も最初めっちゃネガティブで、「曲がこんなにアッパーなのにそれは嫌だ」と言って書き直してもらいました。お陰でSNSで「『バタフライ』の歌詞は元気がもらえる」と言ってくれる人もいてうれしいです。

三木: 最初、結構内省的な歌詞を書いていて。『バタフライ』はサビの部分だけセッション時に何となく歌ったメロディと歌詞があったので、そこに向かっていく話を作る時に結構内省的な言葉をバンバン使っていました。それをみんなに聴いてもらったら、「メロディも歌詞もまだハマりきってないから録れないね」という話になって、その状態が結構長く続いて「今日出来てなかったらもう録れないよ」までいってしまったので…。

ゆかちん: スタジオの中に籠もって一人でずっと歌詞を付けていたよね。

三木: 追い込まれた分、突破するぞ感が歌詞にもメロディにも現れてすごく『バタフライ』らしいというか、この曲の感じとマッチしてるんじゃないかと思います。

―アーニーらしい近い距離感の応援ソングになっていると思います

テラオ: 俺も頑張ってるからお前もがんばろうぜって(笑)。そういう感じです。

―今の若い子たちにはそれがハマると思います。ちなみに途中のギター音はどうやって

三木: 「ピューーン」って鳴ってるところですよね(笑)。

テラオ: 香水の瓶でやりました。

一同: (笑)。

テラオ: いろいろ試していた時に、ちょうど筒型のやつがあって「これだ!」って。

―遊び心があっていいと思います。そして『little high』はロックンロールな感じで新しいなと

テラオ: ビレッジマンズストアがカッコいいなと思って、アーニーでも一回やってみようとニヤニヤしながらオケを作りました。これって三木とおがたの両方がメロディを付けてくれたんだっけ?

三木: オケが上がってすぐに、俺がツーコーラスぐらいメロディを付けて歌詞も書いて「こんな感じでどう?」と。ただ、そこから進んでいなくて。その後おがたに「歌詞メロを考えて」と言って、3番以降はそれが付いています。最初に僕が付けたものに後からおがたが付けてくれたことで、僕とおがたの対比が出たりコーラスした時に混ざった感じになったりして、音楽的にも面白い作品になったと思います。あと、初めてユンゾンもやりました。

テラオ: そういう新しい挑戦をたくさんやれた曲です。ロックンロールは幅があって懐の深さもある気がしたので遊ばないとどうすると思って、初めて1番から5番まで作りました。よくあるポップスの形に囚われず構成を練れたし、ドラムもいろんなパターンで面白みを作ってくれてバンドらしい曲になったなと思います。

ゆかちん: この曲はドラムを作るのが楽しかったです。歌詞もメロも聴いて「ここはこうした方がいいかな」みたいな感じで楽しく作れました。今までアーニーでやったことないけど、やっていてハマる感じがある曲になりました。

テラオ: ツインボーカルだし、ビートルズっぽい感じが出せたらなと。60年代70年代のテレビで流れていたSHOWみたいな感じで、小さいステージで歌っている感じをミックスの時に表現してもらいました。結構満足度高めの曲です。

―今後も楽しみになる曲ですよね。ビートルズとは違いますが、『ヴァニラ』はちょっと洋楽の匂いがします

テラオ: ニューウェーブをやってみたくなって。DTMを始めてから音を詰める嗜好になって、足し算で曲を作りすぎてるから引き算で作りたいなと。それでパッと浮かんだのが、シンプルなビートとコードで曲が進行していくニューウェーブで。それからそのアーティストの曲を聴き漁って、自分の中でアウトプットしたらこういう形になりました。

三木: 僕は元々ちょっと隙間のあるサウンド感が好きなので、この曲はすっとメロディを付けて、歌詞もメッセージ性をあまり考えずイメージで並べました。結果、それがこの曲らしいなと思って、そのまま使った感じです。

―その歌詞は衝動的な印象もありますが

三木: そうです。そうです。

テラオ&ゆかちん: (笑)。

―えっ、笑うところ?

テラオ: ちょっとエピソードがあって。三木とは高校からの同級生なんですけど、その当時はもっと今より血がたぎっていて。それがいい感じに『ヴァニラ』には入ってるなと。

三木: 全然意識してなくて。ちょっと若い感じはさせたいというか、17歳18歳の時って、無意味にエネルギーがあったり、何かやりたい、すごく焦ったりすることがあるなと。それをあまり日本語的に通る文章で書くと変な感じがするから、イメージをくっつけて想起させる手法をやってみたらハマりました。僕的にはかなりお気に入りの曲です。

―そういう曲なんですね。そして最後の『Rock Radio』は骨太なアメリカンロックな曲だなと

テラオ: 僕本当はアメリカ大好きなんで。「その感じちょっとやってもいいですか?」って作った曲です。

三木: これは、僕もおがたもメロサビを考えていて、その二つが全然違う曲だったんですけど、それをガッチャンコしました。

テラオ: データをもらってどっちのメロで、どう歌うのかを全パターン試して選びました。これはアーニーしかやれない作り方だと思います。

三木: キメラなのに繋がっていて、より生き物らしくなる感じです。何ならそれぞれが作った歌詞もほぼ変えてなくて。メロはおがたのものが生きていて、サビが僕の歌詞メロが生きているんですけど、テラオPにまとめてもらって…。

テラオ: 枠内でまとめるのが2人とも上手いので、あとはキャラクターがどう見えるかを調整するだけで良くて。別のパターンも良かったんですけど、そういう意味ではアメリカの人種がいっぱいいるけどひとつの国になってるみたいな感じが、この曲ですごく出た感じですね。最初の<ノーサンキュー>のコーラスもたくさんの人に声を入れてもらっていて。そういう作り方をしたのも初めてで、それを受け入れる土台の強さを『Rock Radio』は余すことなく発揮してくれている感じですね。

ゆかちん: 録り方もこの曲だけ特殊で、この曲だけエンジニアさんが違うんですけど、レコーディングの時に「お前のグルーヴを出せ」って言われて、クリックを使わずその場の高まりを録りました。スタジオ全体の扉も開けっ放しにしたので、広がりもすごくてアメリカの雰囲気が出ていると思います。

テラオ: 『Orange glitter』は、前作の『イエロウ・イン・ザ・シティ』に収まらなかった荒くれ者感があるんですよ。その荒くれを束ねてくれるのがこの曲。だからこいつが最後にいるんだと思いますね。

―上手くまとまりましたね。その『Orange glitter』というタイトルはどのタイミングで付けました?

テラオ: 最後です。今後も含め色をテーマにしたかった中で、今回の曲たちからランプの灯りのような力を感じて“Orange”がいいなと。そこに「煌めいている」という意味の“glitter”を付けて、「『Orange glitter』はどう?」ってみんなに持っていってから、めちゃめくちゃいろんなタイトルが出て。

三木: 三周ぐらい回った後に『Orange glitter』を見たら「すげえいいじゃん」って(笑)。

一同: (笑)。

―ぴったりなタイトルだと思います。そして1月に東名阪でワンマンを行いますが、どういうライブにしたいですか?

テラオ: 今までインディーズのバンドマンって少ない層の人にしか向けて発信できていなかったと思っていて、その少ないパイをいろんなバンドマンが取り合う感じがあったんですよ。その中で自分たちは最近YouTubeの活動を活発化させていて、それによってその層の人たちもライブに来てくれたらうれしいなというか、そうさせたい。この3日間でそれを実現したいのは大きな目標ではあります。それに、今回は全編を通してサポートでキーボードやピアノを入れて生演奏でやろうと思っているので、迫力も変わると思います。

三木: 『Orange glitter』らしい熱量がこの作品に入っていない別の曲でも届けられるんじゃないかと思います。

―楽しみです。最後にツアーを楽しみにしている方々へメッセージをお願いします

三木: 『Orange glitter』は、人間の意思や思いの力が輝いてキラキラしてる意味合いで付けました。今回はサポートも全編通して入れたいと思っていて、熱量もより伝えやすい形でワンマンができると思っています。『Orange glitter』の曲はもちろん、今までの曲も新たな人間のエネルギー的な輝きを得ると思うので、是非見に来てほしいです。

EARNIE FROGs『ヴァニラ』 Official music video

EARNIE FROGs『バタフライ』 Official music video

EARNIE FROGs『36.7℃』 Official music video

■リリース情報

『Orange glitter』
3rd Mini Album
2019.11.20 発売
1,500円(tax in)

■LIVE情報
ツアーファイナル ワンマンシリーズ
1月10日(金) 東京 新宿samurai
1月19日(日) 大阪 club vijon
1月25日(土) 愛知 SPADE BOX

■オフィシャルHP
https://earnie-frogs.jp

■プロフィール
2010年7月、テラオ(Gt)を中心に結成。2011年に2枚のシングルを会場限定でリリース。2012年には1stアルバム『blue bell』を全国流通でリリースし活動の幅を広げるが、2013年8月、メンバー不仲により活動休止に。2014年の活動再開後、TANK!theAUDITION2014優勝、イナズマゲート2014準優勝、イナズマロックフェス2014に出演。以後4枚のシングルと1枚のミニアルバムをリリースし、2017年4月に1stフルアルバム『ノンフィクション』を発表。同年7月にAPLLO BASEにて初のワンマンライブを開催。2018年5月に2ndフルアルバム『キャラクター』をリリース。7月に名古屋CLUB QUATTROにてワンマンライブを行った。2019年5月、2ndミニアルバム『イエロウ・イン・ザ・シティ』をリリースし、それから僅か半年後の11月20日に3rdミニアルバム『Orange glitter』をリリースした。

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