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ライター ツボイ

2019.6.21

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EASTOKLAB Debut Mini Album『EASTOKLAB』インタビュー

「自由に捉えて聴いてもらえればいい」

名古屋を拠点に活動するEASTOKLABが、6月5日にミニアルバム『EASTOKLAB』をリリースした。同期系機材を一切排除した人力によるアプローチを追求して作られた楽曲は、緻密でありながらダイナミック。浮遊感溢れるギターとシンセサイザーは、壮大なサウンドスケープを描く。そんなEASTOKLAB独自の世界観を提示する今作について、日置逸人(Vo/Syn/Gt)に話を訊いた。

―EASTOKLABへの改名後初となるアルバムですが、手応えはいかがですか?

日置逸人(Vo/Syn/Gt): 自分たちが今やれる最高のレベルまで到達した気がしているので、手応えはかなりあります。

―今の自分たちのやれることはやり切れたと?

日置: そうですね。やり切れたし、やれることが何かを考えて作れました。

―その何かとは、例えば何でしょうか?

日置: 使う機材が増えてきたので、音の配置やバランスをどうコントロールしていけば今一番自分たちが表現したい音像に近づけるか。プラス自分たちにしか出せない音がどこにあるのかを結構みんなで考えました。

―なるほど。その作品『EASTOKLAB』を聴かせていただきました。音がより立体的になったなという印象です

日置: ベースもシンセを使うなど出せる音の種類が増えたので、そこで模索していた段階からどうやったら立体感や音の美しさを出せるかをとにかくみんなで追求していきました。そう言っていただけるのはうれしいです。

―4人で音を追求していったんですね

日置: バランスに関しては4人で追求していきました。自分たちのパートに対して追求するのはもちろん、別のメンバーが例えばギターに対して「もうちょっとこういう方がいいんじゃないか」と、自分のパートだけでなく全体でひとつの楽曲をどう組み立てていけばいいかとを考えて作っていった感じです。あと、音が前に飛ぶかどうか。音が前に飛んでいる感覚はすべての曲の中で追求していきました。

―さらに、以前よりもダルさがなくなった感じがしました。自然とそうなったのでしょうか?

日置: 改名前のアルバムは、ダルさや退廃的な感じ、サイケデリックな部分にフォーカスして作りましたが、今回は機材が増えたことによってロウ感がすごく増えてきて。そうなってくると、相対的にロウ感に対して上の音も出したいなと。以前よりもアンサンブルを俯瞰で見られるようになってきたので、その中でその曲にあったアプローチを追求していった結果、全部の音が綺麗に均等に出るようになりました。今まで重くなっていた部分も少しずつ削っていって、それをさらに上の帯域に寄せていくことで曲が成立していったからだと思います。

―なるほど。『Fireworks』のようなダイナミックさのある曲も今までなかったですよね

日置: これまで徐々に上がっていくのはあったんですけど、ここまでダイナミックに仕上げることは今までなかったです。この曲に関してはダイナミックな部分が先に自分のイメージにあって、それをどう聴かせるか考えながら全体を組み立てていきました。全員が前よりも自由にアレンジメントをしている感覚ですね。前は僕が指揮を取りすぎて、「もっとここはこう」という制限をかけていたところもあって。今回はそれをあまりしなくなったというか、メンバーそれぞれが出してくるアイデアがいいなと思うようになってきたので、あまり制限をかけなかったんです。それでバンドの出す音が自然と変わっていったのかなと思います。

―ちなみに、西尾大祐(Gt)くんが加入した影響もありました?

日置: 分かりやすい変化としてはそれが一番あって、西尾くんは元々僕らとは全然違う音楽から入ってきたので、最初は僕らに寄せつつ調整していました。慣れてきて自分らしいフレーズが出てきた時に面白いなと思う部分が多かったので、僕らなりに受け入れてどう昇華していくかと。音に対しての変化はすごくあったと思います。

―化学反応が起きたわけですね

日置: そうですね。しかも彼は「ここをこうしたい」というアイデアも出せるので、僕らも彼のイメージを聞いて「それもいいかも」と合わせていくところはありました。今までは絶対に起きなかったことが起きたので、彼がいなかったらできなかった部分もいっぱいあると思います。

―日置くん自身もメンバーの出す音を受け入れられるようになったところもあります?

日置: メンバーの出す音がよりカッコいいなと思えるようになったとは思います。今までは4人で作って僕がチェックするスタイルだったんですけど、今は断片的に作ってそれを広げていくスタイルに変わってきたので。メンバーが出している音のアンサンブルを俯瞰して見られるようになったことで、メンバーのここがカッコいいなとか、本人の性格ならではのフレーズがあるんだなというのが分かるようになりました。そういうのを拾っていった方が、自分たちにしかできないものになっていくだろうなと。僕一人のこうしたいより、そこは4人のいろんなアイデアが混ざっていた方が自分も成長するなと思ったので、あまり細かく考えずにパッと直感でいいと思ったら使っていく感じでした。

―EASTOKLABの楽曲は、軸に日置くんのファルセットがあると思います。メンバーはその声を生かすことも考えながら音を鳴らしているのかなと思うのですが

日置: たぶんメンバーみんな歌が好きで、そこに対してアレンジをしているので、最終的にちゃんと歌が飛んでくることは、全員が意識しているとは思います。ただ、そうしようとしたのではなく、自然にちゃんと歌が前に出る形になったのかなとは思います。

―メンバーみんなの頭の中で鳴っているのかもしれないですね

日置: パソコンで作り込んで渡すわけではなく、口で簡単に説明して伝えるだけなので、最初はメンバーそれぞれの頭の中で違う音が鳴っているんです。でも、それがいいかなと思っていて。全く同じものが鳴っていて、それをみんなで演奏していくのもひとつの手だとは思うんですけど、僕もメンバーから面白いアイデアが出てきた時に一番興奮するので、自分一人で完結させるよりメンバーから出てきたアイデアによって、自分が思っていたのとは全然違う方向へいった方が良かったりもする。それを足したり引いたりしながら組み立てていく感じだったと思います。

―4人の出す音だけで作っていたということですね。同期を使うわけでもなく

日置: 基本的に4人で同時に演奏できることをすごく大切にしました。全部人力でできるように。同期を使ったり、音が重なりまくっていてライブで生演奏できないような状態になったりしないよう今回は作りました。

―歌詞はどちらかというと詩のようで、聴く人に委ねているように感じました

日置: 僕の中には全ての曲に意味があるんですけど、別にそれを聴いた人が同じように受け取ってほしいという感覚は全くないですね。自分の中に何もないと、それを歌うのは気持ち悪いので、自分の中で曲に対する思いや感覚があればいいのかなとは思っていて。同じ曲でも、すごく踊れると感じる人もいれば、しんみり聴ける人もいると思う。そういうものでありたいなと。感覚的なものを音に変換しているので、聴いて泣けると思ってくれても踊れると思ってくれてもいい。結果的に音楽としてカッコ良かったら、僕ら4人の中ではオッケー。それ以上のことは自分たちから提示しなくていいかなと思っています。

―前回のインタビューでライブについて、「作品をスタジオで作り上げて完成したものを見せる場」だと話されていましたが、それは今も同じですか?

日置: スタジオで作り込んで出来上がったものを見せるという感覚は今も全く同じなんですけど、ライブでテンションが上がるのは人間がやっているからこそだと思うので、そこに嘘をつかなくてもいいかなと。僕らは全て人力でやっていて同期を使っていないので、抑制されるものがステージ上に一個もない状態でライブしています。そこでテンションが上がってテンポが上がってもいいし、むしろそういう部分を大事にしようというのは割と最近になって思うようになりました。

―緻密だけに一人のテンポが上がると合わせるのは大変ではないですか?

日置: そうなってもいいように練習は誰よりもやっていると思うので、誰かが着いていけないことはないですね。最近は必要以上に音が大きくなったりテンション上がってエフェクターのボリュームを上げちゃったりする方が面白いなと思っています。前はそれが起きると崩れていたから、そうしないようにしていたのかもしれないですね。今は誰かがテンション上がっても全員が対応できれば崩れないと分かっているので、自由になったのかなと思います。

―そのライブを楽しみにしています。では最後に、今作『EASTOKLAB』を手に取ってくれる人へ向けてメッセージをお願いします

日置: 聴くシチュエーションによって聴こえ方も変わると思っています。夜に運転しながら聴いてもいいと思うし、部屋で聴いてもいい。自由に捉えて聴いてもらえればいいです。こういう音楽を聴いてこなかった人にも届いて、その入り口になったらいいなと思っています。

EASTOKLAB 『Fireworks』MV

■リリース情報

『EASTOKLAB』
Debut Mini Album
2019.6.5 発売
1,700円(+tax)

■LIVE情報
EASTOKLAB Release Tour 2019
8月02日(金) 愛知 HUCK FINN
8月03日(土) 京都 GROWLY
8月06日(火) 東京 CLUB Que

■オフィシャルHP
https://eastoklab.tumblr.com

■プロフィール
エレクトロ、シューゲイズ、ドリームポップ、ミニマルミュージック、ベースミュージック、オルタネイティブ、ロックなど、さまざまなアレンジの手法を持ちジャンルを飛び越えたサウンドを鳴らす期待のニューカマー。メロディに寄り添う流麗なボーカルとファルセットの美しさで独時の世界観を提示。軽やかなリズム、浮遊感溢れるギターとシンセサイザーは壮大なサウンドスケープを描く。ライブでは多数の機材をコントロールしながらも、同期系機材やループシステムを一切排除した人力ならではアプローチを追求している。結成当初にリリースした会場限定カセットテープは完売、配信(Bandcamp)では海外からもオーダーを受け、アメリカのラジオ(DKFM)にてオンエアされるなど反響を得る。現在まで2枚の自主制作盤をリリース。そして、2019年6月5日、DAIZAWA RECORDS / UK.PROJECTよりミニアルバム『EASTOKLAB』をリリースした。

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