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ライター ツボイ

2019.9.17

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FINLANDS LIVE DVD『FINLANDS "BI TOUR" 〜16th October, 2018 at Shibuya CLUB QUATTRO〜』インタビュー

「偏りなく聴かれるシーンをちょっと見てみたい」

2019年4月10日のステージにてずっと一緒にやってきたベースのコシミズカヨが脱退し、塩入冬湖の1人体制となったFINLANDS。1人になって変わったこと、変わらないこと、ソロ活動との違い、さらに塩入冬湖が考えるFINLANDSの未来とは? 9月4日にリリースされたLIVE DVD『FINLANDS "BI TOUR" 〜16th October, 2018 at Shibuya CLUB QUATTRO〜』の見どころや、9月16日から始まるツアーのことも含め本人に話を訊いた。

―4月10日のライブでベースのコシミズカヨさんが脱退し、FINLANDSは塩入さん1人になりましたが、新体制になって変わったことからお聞きしてもいいですか?

塩入冬湖: 12、3年一緒にバンドをやっていた子がいなくなったので、最初はあったものが無くなるという変化を感じていたんですけど、次に向かってどうするかに必死すぎて、あまり感情的になっている暇もなくここまで来た感じはあります。

―1人でやっていくことに悩む暇もなかったと

塩入: まだやりたいことがあるのに辞める理由なんてひとつもないし、何も悩まず今の決断に至っているので、深く考えていないだけかもしれません。

―そこまで深く考えていなかったんですね

塩入: 実は私も今話をしていて気付きました。私深く考えていなかったんだなって。だから、私が死んだらバンドは解散です。

―すごく分かりやすくていいですね。では、曲作りの面で変化はありました?

塩入: それは今までと変わらないです。作ったデモをスタジオに持って行き、サポートメンバーを含めて作る方法は今も変わっていないので。ただ、新しく迎えたベーシストに、こういう風にしたいという初期設定が伝わっているかいないかはあります。だからこそ新しい発見もありますけど。

―塩入さんはソロでもCDをリリースされています。今回バンドが1人になったことで、ソロとどう区別をつけています?

塩入: 自分ではバンドかバンドじゃないかということだけです。これは1人で完結させたいなと思った曲を1人でやって、これはバンドセットとして多勢で臨みたいなと思った曲はFINLANDSでやっています。そうやって分けられる二つの環境を持っていられてありがたいなと思う反面、それを明確に誰かに提示できる術が今はないです。

―どの段階でこの曲は1人でやろう、もしくはバンドでやろうと決めるんですか?

塩入: 曲が2、3割できた時に決めます。

―その時点で、ソロかバンドかを決める決め手が生まれるということなんですね

塩入: 生まれますね。いい意味でバンドというのは制限というか規制があって。例えばライブで、ここはこの尺が絶対や、ここにはこういうパターンというものがありますが、ソロではそれが一切ないので自分の好きなタイミングで尺を増やしたり減らしたり、歌詞を増やすことも自由。そういう制限のない方がいいなと思った曲に関してはソロでやるようにしています。

―なるほど。歌詞で棲み分けているわけではないんですね

塩入: 歌詞に関しては意識をすごく持ってやっているわけではないですけど、ソロの方が時にすごく生々しさや湿気みたいなものが生まれるなとは思います。

―塩入さんの歌詞には棘のあるイメージがあったのですが、『BI』あたりから優しさも内包された曲が増えてきた印象があります

塩入: 少しずつ自分自身があまり手を出そうと思っていなかったフィールドというか、言葉を素直に使い、言葉の意のまま歌うことがやっとできるようになったんだろうなと、去年『BI』を発売した時に思いました。だから、棘というより、言葉の素材をそのまま使っているように変化しているのかなと思います。

―変わってきているということですね。塩入さんが考えているこの先のこともお聞きしていいですか?

塩入: アンダーグラウンドなシーンやパンク、ハードコアのシーンがすごく好きだなと思うことが多いんですけど、そのシーンに自分たちが存在できるようになっただけで満足してはいけないなと最近すごく思っています。私たちは私たちなりにそのシーンに何かいいものを持って帰ったり、いい効果をもたらすようになったりしないと、ただそこで群れて終わってしまうと思うので、一旦ちゃんと音楽をもっと大勢の人に聴いてもらえるようになった方がいいなと最近は思っています。

―それはお茶の間に届くような曲を作りたいということですか?

塩入: 音楽ってどうしても年代によって偏りがあると思っていて。我々が生きているのは音楽にすごく近い世界じゃないですか。そこですごく売れていてもそれを母親は知らないわけで。そういうところにすごく偏りを感じていて。それをどうすれば解消できるのかをすごく考えています。偏りなく聴かれるシーンをちょっと見てみたいですね。

―なるほど。そのきっかけになるかもしれないLIVE DVDが9月4日に発売されます。今回どういう意図でLIVE DVDをリリースされたのでしょうか?

塩入: まず、全編きちんとDVDで発売するのは今回が初めてだったので、記録として残せて良かったなという気持ちはあります。私はすごい田舎で育ったので、しょっちゅうライブを観に行けなかったけど、LIVE DVDを見ると疑似体験というかライブってこういうものなんだという興奮みたいなものが、CDを聴くよりも感じられました。私のように、遠方に住んでいてなかなかライブへ行けない方もいらっしゃると思うので、そういう方に届くのであればすごくいいことですよね。だから、今回作ったことにはすごく意味があると思います。

―このDVDは『BI』のツアーになりますが、見どころを教えて下さい

塩入: 私たちも全く知らなかったんですけど、リハーサル風景やスタッフが準備している姿も入っていて、私たちの知らない彼らの面が見られました。ライブの演者になりたい人だけじゃなく、裏側に回りたい人も楽しめると思います。

―さらに、DVDの特典音源として新曲『USE』が聴くことができます。言葉に強さを感じたのですが、どういう思いを込めて作られたのでしょうか

塩入: 去年から3月に東京で2daysワンマンライブをやっていて、去年は『BI』を発売する前だったので、『BI』という曲を作ってその映像をライブ終わりのエンドロールでスクリーンに流しました。今年はそういうものを作る時間がなかったんですけど、ライブの1ヶ月前にエンディングソングを作り始めました。その時点でベースの(コシミズ)カヨちゃんが辞めることは決まっていたので、この曲で私がこれからきちんと1人でやれることを示したくて、今までのデモはベース以外を作っていたのを、自分でベースも入れて全編作り上げました。それがこの『USE』です。だから、強さはあるかもしれない。いい意味だけじゃなくて強がっているわけでもないですけど、焦りも感じつつそれをきちんと昇華したいなと。それを周りの人に提示しなければどんなに言い張ってもそれは真実にならないという気持ちが強いので、言っていただいたように強いというのは合っているかもしれないです。

―これをもって9月16日(月祝)からツアーが始まります。今回は新曲をリリースしたわけではないので、セットリスト等の組み立ても変わるのではないでしょうか?

塩入: 今回は全部ワンマンツアーで回るんですけど、確かにCDをリリースした後のツアーは、どうしてもセットリストに偏りが出てくると思います。でも、今回はFINLANDSの6年間の総集編みたいなセットリストで、古い曲から新しい曲まで全部持っていけるなと思うので、今までにないツアーになるんじゃないかなと思います。

―名古屋は29日(日)のAPOLLO BASEです。名古屋のお客さんの印象はいかがですか?

塩入: 最近やっと受け入れてもらえたと思っています。最初は本当に難しいなと思いました。正直すごく名古屋と仙台は受け入れてもらうのに時間が掛かったと思っていたんですけど、去年ぐらいからすごく受け入れていただいた気がしていて。やっと「お前OK」みたいな許可をいただいたのかなという気持ちはあります。

―そうだったんですね。今回も楽しみにしている人たちがたくさんいると思います。その人たちへ向けてメッセージをお願いします

塩入: 名古屋に限らず、全国10都市全てで今までの総集編のようなセットリストをやりたいと思っております。ここから何か新しいものが始まればと思っておりますし、古い曲に新たに光を当てるような作業ができればとも思っております。名古屋の皆様に関しましては、最近受け入れていただいているんじゃないかなと勝手に思っていますので、受け入れているテンションで是非ライブを観に来てくれたらうれしいです。よろしくお願いします。

FINLANDS LIVE DVD
「FINLANDS"BI TOUR"~16th October, 2018 at Shibuya CLUB QUATTRO~」Trailer

■リリース情報

FINLANDS "BI TOUR"
〜16th October, 2018 at Shibuya CLUB QUATTRO〜

LIVE DVD
2019.9.4 発売
2,600円(+tax)

■LIVE情報
FINLANDS DVD RELEASE one-man TOUR
"REMOTE CULTURE TOUR 2019"

09月16日(月祝) 宮城 仙台MACANA
09月17日(火) 新潟 CLUB RIVERST
09月23日(月祝) 北海道 札幌KRAPS HALL
09月29日(日) 愛知 APOLLO BASE
10月04日(金) 福岡 Queblick
10月06日(日) 広島 CAVE BE
10月10日(木) 香川 高松DIME
10月11日(金) 京都 GROWLY
10月23日(水) 大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
10月12日(火) 東京 恵比寿LIQUIDROOM

■オフィシャルHP
http://finlands.pepper.jp

■プロフィール
塩入冬湖(Vo/Gt)とコシミズカヨ(Ba/Cho)の二人で2013年に結成。大型野外フェスやサーキットフェスにも多数出演。2017、2018年に出演したサーキットフェスでは全会場入場規制となる。2015年に『ULTRA』『JET』2枚のミニアルバム、2016年にはフルアルバム『PAPER』をリリース。『JET』に収録の『さよならプロペラ』は、北海道日本ハムファイターズのテレビCMに起用されるなど、ポピュラリティも併せ持つ。2017年にミニアルバム『LOVE』、2018年にフルアルバム『BI』とコンスタントに作品をリリース。『BI』リリースツアーのワンマンライブにおいて、渋谷クラブクアトロをはじめ、追加公演含め全てソールドアウトさせた。2019年3月には初のEP『UTOPIA』をリリース。そのリリースツアーファイナルでもあった4月10日の渋谷クアトロのステージを最後にコシミズが脱退。以後、ベースにサポートメンバーを迎えてライブ活動を行なっている。

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