1. トップ
  2. インタビュー
  3. Half time Old Mini Album『宅配便で現実を送りつけて』インタビュー

ライター ツボイ

2019.9.13

104 good

Half time Old Mini Album『宅配便で現実を送りつけて』インタビュー

「4人になりステップアップして次につながるアルバムができたと思う(阪西暢)」

地元名古屋のロックバンドHalf time Oldが、9月4日にミニアルバム『宅配便で現実を送りつけて』をリリースした。7月にベースの内田匡俊が加入し、再び4人体制となって初となる今作には、幅の広いサウンドの楽曲が収録されている。そのミニアルバムはどのようなテーマでどのように作られていったのか?メンバー全員の話から紐解く。

―7月にベースの内田匡俊さんが正式加入して4人になりましたが、今バンドの雰囲気はどうですか?

阪西暢(Dr): 前回のツアーからサポートでベースを弾いてもらっていたので、バンドの雰囲気や活動スタイルは変わっていないですが、今回レコーディングにゼロから参加してもらったから音源にはだいぶ反映されていると思います。

鬼頭大晴(Vo): 彼には打ち込みやいろんな音を作れる能力があるので、今回だいぶ助かりました。雰囲気ですが、彼は結構天然なので和みますね(笑)。

内田匡俊(Ba): 僕自身はただ一生懸命なだけなんですけど…。

―それがいいんだと思います。9月4日にリリースされたミニアルバム『宅配便で現実を送りつけて』は4人で作ったとのことですが、4人になって何が一番変わりました?

阪西: 一緒に曲を作りながらツアーを回ることができたので、同じ温度感で作れたのは精神的にも僕らの結束力的にも良かったと思います。

鬼頭: 曲を作る段階でプログラミングで表現したいことが結構あるので、それを実現させてくれたのは僕の中でめちゃくちゃ大きかったです。だから、曲が出来た時の達成感が今まで以上にありました。最後までイメージ通りに作れるので、ウッチー(内田)の加入はだいぶ力になりました。

―バンドにとって内田さんの加入は大きなプラスになったみたいですね。その作品のタイトルは前回に続き文章になっています。これは敢えてですか?

鬼頭: そうですね。そういう感じにした方がいいのかなというのが頭にあったので。収録曲の中で最初に書いたのは『101分の1の本音』なんですけど、書いて見直してを繰り返しているうちに、割と具体的な表現や情景描写が浮かぶような歌詞が多いなと。今回それを意識して他の曲も書いたので、“現実”という言葉を入れたいのはありました。そして、それを届けるイメージとして、誰もが身近に感じられて分かりやすい“宅配便”がいいなと思ってこのタイトルにしました。

―なるほど。それを、“届けて”でも“送って”でもなく、“送りつけて”という強めの言葉にしたのはなぜですか?

鬼頭: もっとたくさんの人に聴いてもらうためには、バンド側から発信していかなければいけないなと思うのであえてそう表現しました。

―今作を作るにあたりテーマは設けました?

鬼頭: 歌詞については具体的な言葉にする。サウンド面に関しては前回がロック色強めだったので、今回は曲ごとにキャラクター付けすることを意識しました。

―収録曲についてお聞きします。1曲目の『アナザーロード』には、<2000Vを待つ囚人>や<レトルトで作ったような友人>など独特な表現の言葉が使われていますが、これはどういうところから出てくるんですか?

鬼頭: それが僕にもよく分かんないんですよ(笑)。

一同: (笑)。

鬼頭: もちろん考えて歌詞を書いていますけど、なるべくみんなが使っているような言葉は書きたくなくて。その中で普通に自分の中の言葉を使うと、割と珍しい表現だねと(笑)。

―僕もそう思いました(笑)。この曲はサウンドの構成も面白いですが、どのように作っていったんですか?

小鹿雄一朗(Gt): イントロでギターのフレーズが入ってくるところは、僕が家で練ったものを持っていき、それ基準で徐々に作っていきました。

内田: (鬼頭)大晴さんがデモを持ってきた時点でBメロは三拍子になっていて、曲の特徴的な部分がワンコーラスに詰まっていました。その方向性と小鹿さんのイントロ案も相まってこういう感じの構成になったと思います。

鬼頭: 曲にキャラクターを付けるというところで、三拍子が入る曲も作った方がいいなと思って作りました。それによって、今までの僕らの曲調をそのままレベルアップした曲になったと思います。

阪西: 『アナザーロード』は今作のリードでもあるし、1曲目にふさわしい元気があってスタートダッシュになるような曲になったと思います。

―バンドの成長が見られる曲ですよね。次の曲『狐と鴨』は狐と鴨を何かに例えていると思うのですが、具体的にお聞きしてもいいですか?

鬼頭: 狐はずる賢いイメージから狩る側で、鴨は狩られる側(カモ)という意味です。対極の存在として、現代社会でも同じようなことがあるということを描写しました。

―そういう意味だったんですね。この曲のイントロはこれまでにない感じですが、誰のアイデアですか?

小鹿: 元々バンドとして、ギターが絡み合うフレーズで始まる曲がほしいよねという話がありました。この曲のデモを聴いた時にそういう曲が作れそうだなと思ったので、考えたフレーズを出してみたら採用されて。Aメロでウッチーがスラップするなど、各々の楽器が立っている曲になったと思います。

阪西: ベースも途中でエフェクトが面白いところがあって、ウッチーの趣味が結構出ていると思います。

内田: ソウルやファンクもすごく好きなので、その部分も結構詰め込めたとは思います。

―今後も楽しみな新しい曲ですね。そして『マシュルームソング』は、結構SNSに対する皮肉がすごいなと

鬼頭: 皮肉ばっかりの曲です(笑)。SNSを題材にしているんですけど、僕も含め本当にSNSを上手く使っている人をあまり知らなくて。でも、それが普通。ただ、使えていない者同士が「あいつはああだ、こいつはああだ」と言っていることがSNSでは日常茶飯事だなと思ったので、こういう感じの曲にしました。でも、曲調は明るくしたかったので、アレンジで結構明るい曲にしました。いい感じに中和されていると思います。

小鹿: この曲にはピアノが入っていて、それがポップさをさらに出しているかなと思います。

―どうしてピアノを入れたんですか?

鬼頭: 小鹿がギターのイントロを持ってきてくれた時点で、木琴を入れようと思って簡単に打ち込みで入れました。そこから何となくピアノでやってみようとなって、入れてみたら良かったのでピアノにしました。

―木琴だともっとおもちゃ箱っぽい感じになりそうですしね

鬼頭: そういうポップでかわいい感じをピアノでも出せたので、イメージ通りになりましたね。

―それとは対極にある『言わせていただきますが』ですが、<僕は駄目な人間だ>というネガティブワードから始まるのが衝撃的です

鬼頭: ワンコーラス書いて、どう落とそうかすごく悩んだ曲です。最初は、何も不幸なこともないし現状に満足していることこそが不幸だということを書こうと思ったんですけど、僕自身そうでもなくて。割といろいろなことがあったので、自分の中でそういう人の気持ちを代弁してまとめられないかなと。そう思ったら、いい感じでギターのソロセクションが空いていたので、そこで完全に視点を逆転して、そこからは1番2番で歌っていた人に対して、僕目線で最後まで歌い切るということをやってみました。

小鹿: 考えたギターソロがちょっと物足りなくて納得していなかったんですけど、後から送られてきた歌に合わせたらいい具合にマッチして。ギターが主張しすぎず歌もすごく入ってきてカッコいい感じになったので、これでいこうと思って、当初考えたものでレコーディングしました。偶然の産物ですね(笑)。

―そういうこともありますよね。最後の曲『愛の真ん中』も印象に残る言葉があって、最後の二行が…

鬼頭: そこは2番のAメロを作っている段階で出てきた歌詞だったんですけど、2番のメロディに合わせるとあまり良くなくて。それで、一回この歌詞とメロをボツにしたんですけど、最後まで書き終わった時に「やっぱりあの歌詞を使っときたいな」と思って、最後に付け加えました。

―どうしても入れたかったんですね

鬼頭: 入れたかったですね。社会人をテーマに書いているんですけど、確かにお金は大事だし、大切なことは色々あるけど、別にそこで完結しているわけじゃないなと思って。お金があっても幸せじゃない人もいれば、お金があるだけで幸せという人もいるかなと。僕の中で確信をつけたんじゃないかという謎の自信があったので、どうしても使いたかったですね。

―後から足した感あるのはそういうことだったんですね

鬼頭: アウトロに入っているところにあるので。そのまま主線として歌うと、楽曲的にもちょっとアンバランスな感じになるので、ダブリングといって二つボーカルを録って、両耳からステレオで流すようにしました。おかげで曲に馴染んだと思います。

阪西: この曲は僕らの中では珍しい曲調で、今までのバラードはすごくスローテンポだったんですけど、この曲はミドルバラードで押しています。プログラミングが結構入ってたり、歌詞とメロディが強かったりする分、楽器はどしっと構えて必要な時だけ出るみたいな。

内田: ベーシストとしてのスタンスは、ドラムと同じで出るところは出るけど徹する部分は徹する。プログラミングもそういう風にしました。楽曲の雰囲気を壊さないよう自分なりに工夫しました。弦楽器にちょっとエフェクトを足して馴染ませてみたり、ダブリングみたいなことをしてみたり。僕なりにいいなと思ったものを投げてみたら、メンバーも「いいじゃん」と言ってくれたので、結果オーライって感じです。

阪西: プログラミングが加わって壮大さが増したよね。

―いい作品ができましたね

阪西: 4人になりステップアップして次につながるアルバムができたと思います。

―これをもって10月からツアーが始まります。東名阪はワンマンですが、どんなライブをしたいですか?

鬼頭: 今まで地元名古屋でしかワンマンをやっていなかったので、初めての東名阪ワンマンは楽しみです。あと、フルアルバムだと旧譜からできない曲も多いですけど、今回はミニアルバムで7曲なので、昔の曲やずっとライブでやれていなかった曲も披露できる新鮮なライブになるんじゃないかと思います。

―それは楽しみですね。最後にミニアルバムのここを聴いてほしいというところを一人ずついただいてもいいですか?

阪西: 今回はプログラミングが入って、ギター、ベース、ドラム以外の音が今までより圧倒的に増えました。そこの絡みを意識的に聴いてもらえたらうれしいです。あと、僕は前作よりはしゃいでいません(笑)。出したいビートを全部の楽器でメロディや詞に乗っけようとしたので、マニアックな人がいらっしゃったらリズム隊にも注目していただきたいです。

内田: 僕は『狐と鴨』のラップ調みたいなボーカルの裏で、バシバシとベースをさばいている部分を聴いてほしいです。アルバムをシャッフルで聴いちゃう人も多いですが、『アナザーロード』から『愛の真ん中』まで曲順どおり聴いて、そこから戻ってもう一度『アナザーロード』を聴くのが結構好きなので、最初から順番に聴いてほしいですね。

小鹿: 『アナザーロード』や『狐と鴨』、『言わせていただきますが』は、自分発信のギターフレーズが採用されているので是非聴いてほしいです。『愛の真ん中』は今回の中では一番ギターを抑えた曲で、歌をメインに聴かせることを意識したのでギターはあまり入っていないけど、イントロやアウトロのフレーズはすごく気に入っているので、そういうところも聴いてほしいです。

鬼頭: 今回は暗くなったりすごく皮肉が多かったりもあるので、ちょっと心が痛いなと思っちゃう人もいるかもしれない。でも、文句だけ言って終わる曲を昔から作らないようにはしていて、どこかしらにちょっと救いがあったり僕なりの答えを書いている部分があるので、その本当にちっちゃい光も探して聴いてほしいです。

Half time Old『アナザーロード』PV

Half time Old『愛の真ん中』PV

■リリース情報

『宅配便で現実を送りつけて』
Mini Album
2019.9.4 発売
1,667円(+tax)

■LIVE情報
Half time Old「宅配便で現実を送りつけて」リリースツアー
10月11日(金) 神奈川 横浜BAYSIS
10月18日(金) 岡山 CRAZYMAMA 2nd Room
10月20日(日) 福岡 Queblick【SOLD OUT】
11月07日(木) 宮城 仙台enn 2nd
11月09日(土) 北海道 札幌SOUND CRUE

Half time Old「宅配便で現実を送りつけて」リリースワンマンツアー
2019年
11月23日(土) 大阪 梅田Zeela
12月26日(木) 東京 渋谷WWW【SOLD OUT】
2020年
01月26日(日) 愛知 名古屋E.L.L

■オフィシャルHP
https://www.halftimeold.com

■プロフィール
2011年に結成。これまでに、「イナズマロックフェス」出場を賭けた「イナズマゲート2013」での優勝や、2014年に行われた「イナズマロックフェス」のオープニングアクト出演、「COUNTDOWN JAPAN」への出場を賭けた「RO69 JACK 14/15」で優勝を果たし、「COUNTDOWN JAPAN 14/15」への出場経験もある名古屋のロックバンド。
2019年、数々のライブサーキットにて入場規制、大型フェス「FREEDOM NAGOYA 2019」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2019」へも出演。PV『アウトフォーカス』がYouTubeにて300万回再生突破。鬼頭大晴(Vo,)の描く「詞の世界観」と「唯一無二の歌声」は、まさに必聴!

関連キーワード

RANKING

RECOMMENDED

KEY WORD

WRITER


トップへ