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ライター ワタナベ

2019.2.25

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パノラマパナマタウン 1stフルアルバム『情熱とユーモア』インタビュー

「具体的に物事を言っちゃうところに面白さと情熱があると思う」

HIP HOPやロックの垣根を越えて、独自の音楽性を突き詰めるパノラマパナマタウンが初のフルアルバム『情熱とユーモア』をリリース。バンド結成当初の頃からの曲や配信リリース済みの曲、新たに挑戦した新曲など全13曲が揃った一枚となっている。メジャーデビューから1年、改めて今作の制作で感じたことや今後の思いまで、浪越康平(Gt)に訊いた。

―今作の出来栄えは個人的にはいかがですか?

浪越(Gt): 13曲揃えて聴いてみると色々な曲があって面白いなと思いました。リリースしてみたら、反応も結構良かったので、結果的に良いアルバムになったなと。

―完成してから、じわじわと良さが分かってきたんですね。また今回の限定盤にはメンバーの手刷りTシャツが付いてくるとか

浪越: そうなんです。自分たちで作るのが多分好きなんですよね。最初MVも自分たちでiPhoneで撮っていたので。

―なかなかない特典ですよね。今作は初のフルアルバムですが、これまでとは作り方は変わりましたか?

浪越: 変わりました。これまでは岩渕(Vo&Gt)が作っていたんですが、今回は半分ほど自分とベースのタノが積極的に制作しました。

―今までとは違う曲の雰囲気も楽しめるんですね。浪越さんが制作した曲で最初にくるのは4曲目の『めちゃめちゃ生きてる』。最初のギターが印象的なのに加え、曲全体を通して、曲調がどんどん変わる曲ですね。最初から最後までパノラマパナマタウンの世界観に引き込まれました

浪越: 元々自分たちの曲は『世界最後になる歌は』や『リバティーリバティー』のようにファンキーで跳ねた、ライブも楽しめる曲が多いんです。それを昔からやってきたので、違う感じの曲を作ってみたいなと思って。テンションに任せてギターを弾くところから始めて、曲を作りました。

―では、まず最初のギターがイメージに出てきて生まれたんですね。そこからメンバーで広げていったのですか?

浪越: 僕が作曲するときは曲全部を作ってからメンバーに持っていき、そこをいじってもらいます。僕の頭の中にあるイメージをどんどん音にしてから、それを再現してもらう感じですね。

―曲の途中で曲調が変わるのも最初から計画していたんですか?

浪越: そうですね。途中でノリを変えて落としたり、色々いじったりしてみました。サビはやっぱり明るくジャンプで楽しめるものにしたいと思ったので、そのイメージで制作しました。

―作曲後、岩渕さんの歌詞がついて印象は変わりましたか?

浪越: 変わりましたね。『Waterfront』や『月の裏側』は描いたものに近かったんですが、『めちゃめちゃ生きてる』は歌詞の方向性は想像通りだったものの、「めちゃめちゃ生きてる」という言葉が来るとは思わなかったので。

―特徴的なタイトルですよね

浪越: 自分がカッコいいって思って作った曲なのに、このタイトルかってびっくりしたんですよ(笑)。

―確かに他の曲の中にこのタイトルがあったら、何だろうって思いますよね(笑)。でも言いたいことは伝わる絶妙な言葉です

浪越: このバランス感覚が『情熱とユーモア』っていう言葉になると思います。

―そのタイトルはどのように決めたのですか?

浪越: 岩渕が決めたんですが、もともと『情熱とユーモア』っていう言葉が自分たちのバンドにすごく合っていると4人で話していたんです。『フカンショウ』や『$UJI』の<ほっといてくれ!>とか<数字>って叫ぶとか、面白さに突き抜けていると思うんです。それは今作の『めちゃめちゃ生きてる』とか『俺ism』も同様です。このタイトルには、そのユーモアが突き抜けた曲たちの全力の言葉に熱さと面白さがあるという意味が込められています。

―そうですね。どの曲も面白味はあるけど、気持ちの強さが感じられるものばかりです

浪越: 一時期、僕は『フカンショウ』や『くだらnation』が自分の見てきたロックと比べるとダサいなと否定的になっていた時期がありました。でも『情熱とユーモア』というタイトルを自分たちの表現の仕方と照らし合わせたら、すごく腑に落ちたというか。情熱的だけどユーモアがあることをやっと自分が理解できて、今までやっていたことを好きになりました。

―今までのタイトルとは違う雰囲気ですが、これがまさにバンドらしさを物語っているんですね

浪越: そうなんです。今までの『Hello Chaos!!!!』も『PROPOSE』も抽象的なんですよ。抽象的でなく、具体的に物事を言っちゃうところに面白さと情熱があると思うんです。僕らの良いところは「ほっといてくれ 俺たちは自分の道を行くから構うな」って言葉をカッコ良くせずに具体的に言っちゃうところだと思います。

―今作ができて、改めて発見できたんですね。今作の中にはそのパノラマパナマタウンが以前から歌い続けている『世界最後になる歌は』も収録されています。2年前のリリース作品にも収録されており、ライブでも定番ソングのこの曲を今作にも収録しようとなったのはやはり大事な曲だからでしょうか?

浪越: そうですね。この曲はもうずっとやっているんですが、ライブやっているうちにノリなどがどんどん変わってきています。最初に作った時にプラスで出したい音が明確にできるようになって、これはまだもっと良くできると思うんです。今後もずっとこの曲はライブでやっていくと思ったので、今回収録しました。

―今作の収録曲として注目してほしいところはどこですか?

浪越: 2番から歌詞が変わっているんですが、最後の<世界最後になる歌はこんなもんでは>で終わるところに気づいてもらいたいです。以前はこの後に<伝わらない>が入っていたんですよ。それが今回なくなったことで、岩渕が伝わらないことに対しての諦めがなくなって、今のバンドの力なら伝えられると思うようになったのかなと感じました。

―ではずっと聴いているファンの方はそこで…

浪越: 「はっ」とすると思うんですよここで。あ、伝わったって。

―この曲はやはり聴いている方からも反応が良い曲なんですね

浪越: そうですね。フックがすごい曲なので、一回聴いただけでも忘れられないと思うし、初めて聴いた人でもすっと入ってくる曲だと思います。

―何回も聞いてしまうほど、耳に残る曲。そういう曲を初期の頃に制作していたなんてすごいですね

浪越: 作ったのは本当に結成した直後の5年前なんです。これまで全く聴いたことがない感じの曲だったので、その時からすごい曲だなと思っていました。結果的に今メンバーも誰も想像していなかった形になりました。

―デビュー後のフルアルバム収録にふさわしい曲ですね。そしてその曲に続くのは『月の裏側』。不思議な雰囲気ですが、耳心地が良く、個人的に好きな曲です。この曲はどのようなイメージで制作を?

浪越: この曲は自分なりにサウンドで挑戦してみようと思い、バンドサウンドと打ち込みサウンドの両方を生かした曲を目指しました。自分たちはレッドホットチリペッパーズを目標にしているのですが、そこに現代的な音を入れて上手いこと融合させたいなと思っているんです。ビートを打ち込みと生のドラムの二つで成立する、シンセの音とギターの兼ね合いも二つで成立するという形です。イメージ的には真ん中にバンドのサウンドがあってその周りをシンセの音が囲んでいるみたいな。その二つを気持ちよく合わせようとした結果この曲ができました。

―バンドサウンドに電子音を融合させるという

浪越: プラスにするのではなく二つで一つ。こういうサウンドを今後も作っていきたいと思っています。

―今作が第一歩になったんですね。演奏する際の感覚は他の曲と違いますか?

浪越: 違いますね。例えば『Top of the Head』や『$UJI』は、自分たちの演奏にシンセが乗っている曲ってあまり一緒にやっている感がないんですよね、でも『月の裏側』だとやっぱりシンセと一緒に演奏する感覚になります。

―合奏みたいで気持ちも変わるんですね。ライブでも楽しい曲になりそうです

浪越: ライブが結構すごいんじゃないかと。上手いことやれば、なかなか聴いたことのないサウンドが出せると思うんですよね。

―音源でもライブでも楽しそうな曲揃いの今作ラストの曲は『俺ism』。ノスタルジックで、サビ以外は語り口調というエモーショナル曲となっていますね

浪越: これは元々楽器だけで作ってそのまま岩渕に「歌は任せた」って渡した曲なんです。その後まず『俺ism』ってタイトルを聞かせられて…。僕はもっとノスタルジーでロックな感じにしたかったので、「嘘やろ?!」って思ったんですが、歌詞を聴いてみると理解できました。

―切なさが強いこういう曲は今までになかったのでは?

浪越: こんなにストレートなサウンドで、ここまでノスタルジーな感じはなかったですね。この曲は実は半年から1年ぐらい前から作っていて、ずっと僕がやりたいやりたいって言っていたんです。改良に改良を重ねてやっと今回入れられました!

―最終形態としては一番良い形になったのではないでしょうか。何曲かお話を訊いてきましたが、浪越さんがこのアルバムの中で気に入っている曲はどれですか?

浪越: 11曲目の『Who am I???』ですね。HIP HOPをやりたいと岩渕が一人で作った曲です。これも『月の裏側』と同じようにかなり挑戦した曲なんですが、元々持っている自分たちの良さと新しいものを融合させてできた曲だと思っています。

―挑戦した曲なんですね

浪越: 僕はロックの人間なので、80年代のハードロックバンドがHIP HOPに手を出したみたいな感じにしたいと話したんですが、岩渕は古いものにはしたくないと。でもこれまで僕が作ってきたものって結構古臭いと思うんです。でもそこに岩渕の歌詞の新しさやビートの新しさが加わって成り立っているんだなと、僕も岩渕も気づきました。それが分かった上でどう作るか話し合ったところ、新しいビートだけだと面白くないので、前のトラックの『Waterfront』のギターのリフをそのまま繋げてみようとなりました。最新系HIP HOPでありつつも、そこに少し自分なりのロックの部分を足していて、そのバランスがいいなと思っています。まずそれがサウンド面の気に入っているところですね。

―今回初めて発見されたんですね。確かに10曲目と11曲目は聴いていると自然な流れで入ってきます

浪越: あとこの曲の気に入っているところは岩渕の声が1オクターブほど低いことですね。その声質が今までなくて、いいなと。意外と低い声ってカッコいいんだなって。

―ガラッと変わって素敵ですよね。新しい挑戦も聴きどころです

浪越:この曲と『月の裏側』はMEGさんって方とアレンジをしていて、パソコンに向かい合って曲を作ったんですが、ロックとデスクトップミュージックの融合感があって面白かったです。

―今作で初めて試みた制作方法なんですね。レコーディング中に曲を決めたりと制作方法も様々ですね

浪越: 割とその場のノリで曲の作り方が決まることが多くて。例えば『Top of the Head』のギターソロは本番まで考えず、ドラムとベースが録り終わったノリでやりたくて。いざ本番で弾いたらギターソロカッコええやんとなって、それまでに書いていた歌詞を岩渕が<ギターの歪みがあれば十分>と変えました。この歌詞の後にギターソロに入ります。

―すごいですね、歌詞が変わるほどの影響力!いつもギターソロはその場なんですね

浪越: ギターソロって毎回同じものを弾く必要が絶対ないと思っているんです。サビよりもギターソロとイントロをサビにしたいなと思っているほど、一番目立ってやろうというのは常に思っています。

―そこが一番注目を浴びられますよね。3月には全国回る今回のツアーが始まるので、ライブも楽しみです

浪越: ものすごく楽しみですね。ワンマンライブって音にこだわれて、時間もかけられて、スタジオでやるだけじゃ分からない演奏のノリなどが見えてくるんです。例えば同じ演奏でも、ここは4部のノリ、8部のノリっていうのが段々とメンバーで分かってきます。どうやったら気持ち良いのかを考えながら音を作ることが9回もやれると思うとかなり楽しみです。

―今作の中でも今思っていない曲が化けてきたりするのもあるかもしれないですね

浪越: それが楽しみなんですよ。その前に全曲再現ライブっていうのがあるんで、まずここで一回全曲人前で演奏してみるのでワクワクします。

―音源でも楽しい曲揃いなので、ライブも楽しくなるに違いないですね。では最後にファンの皆さんにメッセージをお願い致します

浪越: 初めてのフルアルバムが出せるようになったのは応援してくれているファンの皆さんのおかげだと一番に思っています。その人たちの予想を超えるアルバムを作ることができたので、是非たくさん聴いてもらいたいです。

パノラマパナマタウン「Top of the Head」Music Video/PanoramaPanamaTown"Top of the Head"

パノラマパナマタウン「めちゃめちゃ生きてる」Music Video

■リリース情報

『情熱とユーモア』
1st Full Album
2019.2.13発売
2,500円(+tax)

■LIVE情報
パノラマパナマタウン 1st Full Album “情熱とユーモア” Release Tour 「HUMAN PARTY」
3月21日(木) 千葉 LOOK
3月28日(木) 宮城 仙台MACANA
3月30日(土) 北海道 札幌 SPIRITUAL LOUNGE
4月05日(金) 福岡 DRUM SON
4月06日(土) 広島 Cave Be
4月13日(土) 新潟 CLUB RIVERST
4月20日(土) 大阪 梅田CLUB QUATTRO
4月21日(日) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO
5月18日(土) 東京 恵比寿 LIQUIDROOM

■オフィシャルHP
http://www.panoramapanamatown.com/

■プロフィール
神戸大学の軽音楽部で出会った、それぞれの出身地が福岡、広島、大阪、神戸と異なる4人で結成されたオルタナティブロックバンド。結成後1年でロッキング・オン主催の「RO69JACK」でグランプリ受賞、ROCK IN JAPAN FESTIVALに出場した。MUSICA、A-Sketch、SPACE SHOWER TV、HIP LAND MUSICがMASH A&Rとして主催する合同オーディションでグランプリを掴み取った。2017年には『ラプチャー』が西尾維新のテレビアニメ『十二大戦』のオープニングテーマに抜擢。翌年1月にはミニアルバム『PANORAMADDICTION』でメジャーデビュー、全国対バンツアーと東京・神戸のライブを成功させた。同年6月にはDigital Single『$UIJI』、10月にはDigital Single『くだらnation』をリリース。2019年には4度目となる主催サーキットイベント「パナフェス2019」を神戸で開催。2月13日には初のフルアルバムとなる『情熱とユーモア』がリリースされ、そのワンマンツアーのファイナルは恵比寿LIQUIDROOMで行われる。

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