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ライター ツボイ

2019.12.6

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PELICAN FANCLUB 1st Single『三原色』インタビュー

「聴いてくれた人の生活にこの楽曲が混ざって、何か別の鮮やかなものになるきっかけになったらいいな」

11月27日リリースのバンド初となるシングル『三原色』は、TVアニメ『Dr. STONE』のオープニングテーマとなっており、アニメの世界観ともリンクした楽曲に仕上がっている。その作品についてエンドウアンリは、「このシングルでPELICAN FANCLUBとはこういうバンドだと提示したかった」と言う。その収録曲に込められた想いとは。本人に話を訊いた。

―11月27日リリースの1stシングル『三原色』は、TVアニメ『Dr. STONE』のオープニングテーマ曲となっています。初のタイアップ曲になりますが、それが決まってから書かれたのでしょうか?

エンドウアンリ(Vo/Gt): 決まってから書きました。オケは3人それぞれのイメージを持ち寄って、セッションしながら形にしていったんですけど、歌詞は原作漫画がすごく好きなので、その影響を受けた言葉を反映させています。

―『Dr. STONE』どういうところが好きですか?

エンドウ: 僕がすごく興味を惹かれたのは、自分たちの身の周りにある今じゃ当たり前に使っているものが、ゼロからどのように創り出されたのか。それは、音楽にも共通しているわけですよ。僕は元々もの作りがすごく好きだったので、そこにすごくシンパシーを感じました。もし思春期に『Dr. STONE』を読んでいたら、科学者を目指していたかもしれないです。

―漫画を読んでいるからこそ出てきた言葉が歌詞に反映されているんですね

エンドウ: そこから化学式のような歌詞を作りたいと思って、一番と二番を足して、ラストのサビにイコールで繋げられるようにしようと。何かと何かを混ぜて別の何かになるところから、色を混ぜて別の色になるという歌詞を書きました。

―色を混ぜて別の色になるものはたくさんあると思うのですが、その中でなぜ“三原色”を選ばれたのでしょうか?

エンドウ: 大きくは自分たちがスリーピースというのがあります。僕ら3人を原色と例え、それぞれの頭の中にある物を混ぜて作り上げていくという意味も三原色にはあります。

―その『三原色』の歌詞にある<零にたして><今をかけて><線をひいて><殻をわって>の部分は歌詞とリズムのハマり具合が気持ち良くて、意味もありそうですね

エンドウ: ここは四則演算を隠すことを意識しました。“足して、掛けて、引いて、割って”という計算式をここで入れたいなと。そこがリズミカルな聴こえ方になったんだと思います。

―なるほど。さらに、<緑には花を><花には水を>から続く、<僕には夢を>という言葉は少年マンガらしいなと思いました

エンドウ: <僕には夢を>は、僕も少年のような言葉だなと思っていたんですけど、僕らが最初に音楽に触れたのは少年の時だったので、その頃を省みるような強い意志をここに込めました。メンバーもこの部分の歌詞はかなりフィーチャーしてくれています。

―そうなんですね。さらに、<想像をしていた〜>が続く部分がこの曲で一番言いたいことなのかなと思ったのですが

エンドウ: この部分は僕らの現状を歌っています。僕らが音楽を好きになったきっかけはアニメの主題歌だったので、いつか自分たちもアニメの主題歌をやる想像をしていて。実際に今回『三原色』がアニメの主題歌になったので、<想像をしていた「1」を手にした時>という歌詞につながり、そしてそれは<想像をしていたより遥かに超えていた>に続きます。本当に歌詞の通りなんですけど、自分たちが思い描いていたものを遥かに超えていたけれど、超えること自体も想像していたという、まだまだいけるという意思を落とし込みました。

―ここで終わりではないよという意味もあるんですね。ちなみに、エンドウさんが影響を受けたアニメとその主題歌は何だったんですか?

エンドウ: 最初に触れたのが『ONE PIECE』の映画で、その時の曲がBUMP OF CHICKENの『sailing day』。そこで火が点いて、『NARUTO』のASIAN KUNG-FU GENERATIONの『遥か彼方』でたぎっていました。この曲を聴きたいがためにアニメを見ていたぐらいで。

―きっかけがアニメだとアニメの主題歌を歌うのは嬉しいですよね。サウンド面もPELICAN FANCLUBらしさが存分に出ています

エンドウ: 今回僕らのルーツを取り入れました。僕はMy Bloody ValentineやCocteau Twinsが好きなんですけど、2010年代以降のドリームポップ、ニューゲイザーと言われるアーティストもすごく好きで、バンド結成当時に影響を受けていたその要素を入れました。

―心地良さもある曲に仕上がっていると思います。そして2曲目『Dayload_Run_Letter』は雰囲気が変わります。まずは、このタイトルの意味からお聞きしてもいいですか?

エンドウ: これは僕が綴っている手紙についての歌です。かなり僕の負の感情を歌った楽曲です。でも、楽曲はとてもポップなものに仕上がっているので、歌詞から聴く方はネガティブな楽曲だなと捉える人もいると思うんですけど、サウンド面から聴く方は明るくてポップな楽曲だと捉えるかもしれない。聴く人に委ねたいと思っています。

―確かに歌詞を読むと内向的ですね

エンドウ: 生活していく中で何か嫌なことがあると、ツイッターに愚痴を書き込んだりする人もいると思うんですけど、学生時代の僕は手紙に書き込むことで消化していました。この楽曲を聴いて消化してくれたらいいなという思いもあります。

―最後<ずっと黙っていて>から続くセクションは、かなり感情が詰まっているなと思ったのですが

エンドウ: このセクションの前に<誰にも読まれないようこの手紙を書く>という一節があるように、ここはいわゆる手紙に当たる部分です。何かを吐き出す時って過剰に言いたいじゃないですか。そこで<ずっと>というのは、冒頭の<永遠の眠りの中へ>に通づるように、「ずっと永遠に黙っていて」「ずっと永遠に無駄だって」と何かを悪く言うという、かなり負の感情を込めました。

―サウンドだけ聴いているとそうは思わないですよね。あえて歌詞の内容と曲調が違うようにしたのはなぜですか?

エンドウ: PELICAN FANCLUBのかつての作品はこういう手法が多くて、バンドをこのシングル3曲で表現するには必要不可欠だというのがあったので。

―だから以前リリースされたミニアルバム『OK BALLADE』に収録されている『記憶について』を再録して入れたんですね

エンドウ: 2016年に出したミニアルバム『OK BALLADE』に入っているんですけど、当時は赤いジャケットでリリースしたんです。血の色や熱いものを表現する時には赤を使うじゃないですか、そういう温かいイメージの楽曲だったんですね。それが、この3年間のライブで頻度高く演奏することで、お客さんと曲が混ざった時に赤だったイメージがどんどん変わっていって別の色になっていって。その大きい変化を持っている『記憶について』はPELICAN FANCLUBを示すために必要不可欠だと思って入れました。

―この3年間で色が変わってきたことでアレンジ面も変えられました?

エンドウ: 変えました。もっとソリッドであるべき部分は引き算をして、さらにアーミング奏法を取り入れるなど、もっと自分たちのルーツを生かすことを考えました。

―そして、ジャケットはメジャーデビュー以来ずっとアート感のあるデザインですが、ジャケットへのこだわりについてもお聞きしていいですか?

エンドウ: 僕が普段から身に着けている服のグラフィックデザイナー・Graphers Rockさんにジャケットを手掛けてもらっています。CDの音楽が僕の中身で、ジャケットが僕の外見にしたかったので、僕の大好きなデザイナーさんにお願いしました。だから是非CDを手に取っていただきたいです。

―そういう意味が込められていたんですね。そして、来年1月に東名阪でイエロー、レッド、ブルーと会場で色を分けてライブを行います。それは『三原色』というタイトルに合わせてですか?

エンドウ: それもありますし、僕らは色と密接していて普段ライブの曲を選ぶ際、頭は赤色を持ってきて、真ん中は青い楽曲にして、最後に色をごちゃ混ぜにしてライブを締めることをしていて。それを今回、名古屋はイエロー、大阪はレッド、東京はブルーと会場によって色を固定しました。僕らの楽曲の全ての中から黄色い楽曲だけを集めた名古屋、同様に赤い曲の大阪、青い曲の東京、と自分たちから色を提示したので非常に楽しみにしています。

―楽しみですね。今回シングルを出したことで今後に向けて変わったところはあります?

エンドウ: 『三原色』は僕がメロディを持っていって、それをメンバーが持ってきたキメのアレンジと当てはめたら、キメの部分とメロディの置き方が全く一緒だったんですよ。そういう化学反応が奇跡的に起こったので、メンバーと想定外の物をもっと作っていける確信ができました。もっと自由に幅広く皆さんに届けられるなと思っています。

―これからどんな化学反応が起きるのか楽しみにしています。最後にシングルを手にするファンへメッセージをお願いします

エンドウ: 『三原色』という楽曲は、何かと何かを混ぜて別のものになる楽曲なんですけど、聴いてくれた人の生活にこの楽曲が混ざって、何か別の鮮やかなものになるきっかけになったらいいなと思っていますので、ぜひ聴いてください!

PELICAN FANCLUB 『三原色』Music Video

■リリース情報

『三原色』
1st Single
2019.11.27 発売
通常盤 1,300円(tax in)
期間生産限定盤(Dr. STONE盤) 1.375円(tax in)

■LIVE情報
PELICAN FANCLUB TOUR 2020 “三原色”
-イエロー-
1月15日(水) 愛知 名古屋ell. SIZE
-レッド-
1月16日(木) 大阪 心斎橋COMPASS
-ブルー-
1月23日(木) 東京 表参道WALL&WALL

■オフィシャルHP
http://pelicanfanclub.com

■プロフィール
エンドウアンリ(Vo/Gt)、カミヤマリョウタツ(Ba)、シミズヒロフミ(Dr)からなるロックバンド。シューゲイザー、ドリームポップ、ポストパンクといった海外音楽シーンともリンクしながら、確実に日本語ロックの系譜にも連なる、洋邦ハイブリッドな感性で多彩な楽曲を生み出す。光と闇の両極を鮮やかに描き出す楽曲の振り幅が持ち味。オーディエンスに360度囲まれた状態で行う通称「ゼロ距離ライブ」を定期的に開催するなど、独自の視点を持った活動も魅力。2018年11月、ミニアルバム『Boys just want to be culture』でKi/oon Musicよりメジャーデビュー。2019年6月、デビューから充実の半年を経て『Whitenoise e.p.』をリリース。11月27日リリースの1stシングル『三原色』は、彼らにとって初のタイアップ曲となる。

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