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ライター ツボイ

2019.11.4

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RED in BLUE Mini Album『MUTANT CIRCUS』インタビュー

「ライブハウスと音源がリンクした作品になっています(田口)」

11月6日にミニアルバム『MUTANT CIRCUS』をリリースするRED in BLUE。前作のアルバムから約2年ぶりとなる今作には、これまでライブで鍛え上げてきた楽曲だけが収録されている。それ故に完成度は高く、1曲1曲にそれぞれのストーリーが存在。その作品はどのようにして作られていったのか?それを紐解くべく、メンバー全員に話を訊いた。

―アルバムは約2年ぶりのリリースとなりますが、今回の制作はどのように始まりました?

田口悟(Gt): この2年ほど、ライブと並行して楽曲の制作もしていました。でも、これがシングルだろう、これがリードだろうという強い曲がなかなか出来なくて。これはいいぞという曲が出来てライブでやったはいいけど、思っていたのと違うなというのを繰り返し、最終的に生き残った曲が今回のミニアルバムに収録されています。

―選び抜かれた7曲が収録されているんですね。ということは、特にテーマは設けずライブで披露して良かった曲を集めた感じですか?

田口: テーマはないですが、ロックバンドとしてライブでちゃんと自分たちを提示できる曲をパッケージした作品になったと思います。

―その作品の2曲目『さよならのかわりに』は故郷広島のことを書かれたそうですが、どういう想いで書かれたのでしょうか?

田口: 曲は去年7月の豪雨災害の前に着手していたので、元々の歌詞は広島の街並みを思いながら離れていった人たちのことを書いていて、誰にでも当てはまるような地元を離れて夢を追うという内容の歌詞でした。でも、豪雨災害があって僕らもボランティアへ行かせてもらい、想像の10倍以上の土砂崩れを目の当たりにしたり、重機が入れない所をスコップで掻き出したりしながら、本当に終わるのだろうかという途方もない気持ちになったのですが、その中で人との縁が芽生え、再生に向けて動いていることをすごく感じたので、この曲に故郷のことを込めたいという気持ちになり、それを歌詞にしました。

磯村俊介(Ba): 特にそういう話をしたわけじゃないのに、ライブを経ていく中で自然と豪雨災害のことを思ったというか。

高橋祐揮(Vo): 自然と「これはそういう曲だよね」となっていったよね。

田口: 曲が内容を呼んだ感じがするね。

高橋: この曲はアレンジャーさんが…。

田口: 1曲目と2曲目は初めてアレンジャーさんを入れて作りました。最初はギターソロが倍の長さだったし、サビはもっとゆったりした重い曲だったんですけど、それをエイトビートにするなど、曲をどんどん削って濃い状態へ持っていきました。この曲はスケール感を出すため、ティンパニーの重低音や二胡という弦楽器の音、最後にはストリングスが出てきます。僕はバンドの以外の音が入っていることをすごく嫌う時期があったので、これでいいのかなと思っていたんですけど、やってみたらすごく良くて。アレンジャーさんのアイデアで良くしてもらったことが初めてだったので、ちょっと寝取られたみたいな感じで(笑)。

一同: (笑)。

―客観的な意見が入ることはいいことだと思います

田口: 長いと感じるのは、そこに退屈の余地があったということ。そこをギュッと詰めて、ここは何でソロが入ってるの?ここは何でふた回しあるの?と、その意味を考えながら曲を作れるようになったので、すごく成長させてもらいました。

―それは歌い方にも影響はありました?

高橋: とにかく刻んでいったり、キメに合わせたりするようなメロディが今までは結構あったんですけど、この曲は伸びやかに歌えるので、ライブでより気持ちを込めて歌えるし、伝えようという意識を持ってライブに臨めています。そういうところも含めてライブ向きなのかなと思います。

山崎慧(Dr): 僕も伸びやかにドラムを叩けるので、歌を生かすためのドラムプレイに集中できます。この曲では難しいことをしていないので、お客さんの耳にも残りやすくて伝わると思うんですよね。

磯村: プレイヤーとしては真価を問われる曲だと思います。この曲で初めてピック弾きをしたんですけど、すごく大変でした。指弾きだったら容易く弾けるフレーズなのにって。

田口: アレンジャーさんが「この曲はピック弾きだよね」って言ってくれたんだよね。

磯村: 「ピックで刻むエイトの感じがほしい」と。僕は「指の弾き方次第でどうにかなるんじゃないの」と思っていたんですけど、エイトビートに対するドライブ感はピックの方が断然出ることが分かったので、勉強になりました。

―バンドとして成長できた曲でもあるんですね

田口: すごく勉強させてもらいました。この曲が出来てから何やかんやボーカルが持っていくライブになって。それはうれしいことですね。

―次の『テレポーテーション』は真逆で、RED in BLUEらしいテクニカルな曲ですね

田口: 僕の曲に携わった人は絶対にタッピングをさせられるという(笑)。

磯村: 僕がやらないことだけピンポイントで好きなんですよ!でも、やったら意外と面白かったです。

田口: 最初はバーンって鳴らして入る曲だったんですけど、ディレクターから「楽器隊をフィーチャーした曲にしよう」と言われて、イントロで全部の楽器を出しました。この曲はナイフのような鋭さと青春の焦燥感、危うさを意識しています。

―ちなみに『テレポーテーション』とはどういう意味なんですか?

田口: 例えば、友達になりたい人や友達と思っていた人から言われた一言で、ガラッと心の居場所が変わってしまうという、心があっちへ行ったりこっちへ行ったりするのを、瞬間移動しているようなイメージで『テレポーテーション』とつけました。

―なるほど。学生が共感しそうですね。そして、『CINDERELLA』はあのシンデレラのことですか?

田口: そうです。<どうやってバラを摘んでも ね あの子になれないけど ガラスの靴が 死ぬほど似合ってる>という歌詞で劣等感を表現しました。さっきの話と通ずるところもあって、ずっとここだと思っていたけど、行ってみたら自分にぴったりの場所があるということをサビで歌っています。この曲は女性目線で歌詞を書いています。

磯村: 女の子目線の曲じゃん。(高橋)祐揮くんはどんなイメージで歌っているの?

高橋: 女言葉の曲を歌うことに特別苦手意識はなく、そんなに難しいとは思わなくて。知られざる俺のメスの部分が出てきてるのかも(笑)。レコーディングの時も、音の切り方が難しいから難航するんじゃないかと思ったけど意外とすんなりで。

―歌っていても違和感がないと

高橋: サビのメロディに関してはバーンって入ってすごく力強いから、ライブでお客さんの拳が上がる感じで。ライブでこの曲はすごくオスなんですよ。

―そのライブで盛り上がりそうな『MONKEY STATION』は再録ですが、当時の曲と変えた部分はあります?

磯村: コードがちょっと変わったよね。

田口: コードも少し変わったし、始まり方も最初はギターにディレイをかけたフレーズで始まっていました。今まではアナログな方法で作っていたんですけど、今回からDAWを使ってパソコンで曲を作るようになったので、宇宙のスケール感や重苦しい宇宙空間、レーダーがピコピコしているような音も、今まではエフェクターで全部出してたんですけど、DAWならではの音色を足しました。

高橋: 宇宙をイメージさせるような音が入っていて、昔の『MONKEY STATION』がライブで染み付いている分新鮮だし、より『MONKEY STATION』になった感じがします。

磯村: ベースはこの曲が一番カッコいいです。ドラムのデータを聴きながらベースのフレーズを何も決めずに弾いて録ったんですけど、すごく良く録れました。その時、何となく調子が良くて(笑)。

山崎: 5年前の曲なんですけど、その時と根本的にドラムの考え方が変わったので、ドラムは引き算みたいな考え方をしています。ドラムって楽器の一番下にいるパートだから、まずは土台になるフレーズ作りをイチから見直しました。極論を言えば、キックとスネアとハイハットがあれば成り立っちゃうんですけど、他の楽器が生きるように次のフレーズへの繋ぎやすさを見直したことでシンプルになって。シンプルな曲ではないですが、5年前よりは断然聴きやすくなったと思います。だからベースもいい調子で弾けたんじゃないかなと。

一同: (笑)。

山崎: すごく見直せたので、聴き比べると聴きやすさが向上していると思います。

田口: この曲は、以前出した『ファイヤーバード(アルバム『Hybridize』収録)』という曲の雛型に当たります。

高橋: スペーシーシリーズです。

―それがバンドのイロっぽくていいと思います。そして『テラー・オブ・ミラー』は聴きやすいロック曲です

田口: 一番に出来た曲なのですが、この曲が一番形を変えたかもしれないです。

高橋: ライブでやりながらね。

磯村: もっと激しい感じでしたよね。

田口: THE BACK HORNやHOLSTEIN、BANDWAGONという、あの当時の横浜や町田のライブハウスの空気を想像しながら、諸先輩方へのリスペクトを込めて血が沸騰するような曲を目指しました。

高橋: でもめちゃ変わったよな。

田口: アルバムの他の曲で学んだことが返ってきたような曲で、歌詞をもっと詰められるよね、アレンジももっと削ぎ落としてカッコ良くできるよねというのが、どんどんフィードバックして最後まで悩まされた曲ですね。

磯村: この曲はピック弾きなのもあって、ベースは一番苦戦しました。歌詞も曲作りもプレイも苦労しましたけど、ビートの移り変わりも心地良くて6曲目にふさわしい曲だと思います。

田口: やっぱりロックバンドだなというところに戻ってこれる、ライブハウスが見える曲になったと思います。

山崎: メロディもすごく分かりやすいので、一番ポップに聴ける曲じゃないかと思います。サビのベースラインもですけど、メロディの上がり下がりの幅が広いから、やっていてすごく楽しくて。そこも意識して聴いてほしいですね。

田口: 最後の最後にイントロどうしようとなっていた時、ちょうどMr. BIGにもう一回ハマっていて、イントロの最初だけ『Daddy, Brother, Lover, Little Boy』のベースとギターのユニゾンで曲が始まるところをオーマジュで入れました。それによって表舞台に立つ権利を得たと思います。

―やって良かったですね。そして、最後の『ディスコード』はすぐに終わる熱量の高い曲

田口: 最後の最後に、昂ってどうしてもやっちゃいたくなるような曲が1曲欲しくて。歌詞は自分の間違いや謝れなかったこと、ありがとうと言えなかったことなど、すれ違いの曲なんですけど、それを走馬灯みたいな感じで一瞬でズバッと断ち切って終わる曲です。この曲は一番だけの状態でデモを送ったんですけど、メンバーやディレクターからすごくいいリアクションをもらいました。そこから2番を作るかどうかすごく迷って、サビをもう一回持ってきてすぐに終わるようにしたら、後に何も足せなくなっちゃって。これが完成だなというところで結局1分半の曲になりました。

高橋: 最初のカッティングは最後に付けたよね。

田口: これもライブでやっていく中で何段階か変化して。最初はカウントからサビが始まる曲だったもんね。

山崎: 確かに。

田口: この曲がキター!と察してから本線が始まるという準備の部分を作ってから、ドーンとサビがくるようにしようとディレクターから意見をもらって。本当に勢いでワンコード一発鳴らすだけのイントロを作ったら、すごくハマりが良くてそのまま採用しました。ただ自分が全力でカッティングをするという(笑)。

―ミニアルバムは以上7曲です。タイトルの『MUTANT CIRCUS』はどのタイミングでどのように付けたんですか?

高橋: 最後です。めっちゃ悩みました。

磯村: 最初“CIRCUS”という単語だけあって、その前に漠然と超人みたいな言葉を付けようというイメージだけありました。

田口: サーカスでも、下半身がクマで上半身がゾウで目がひとつで羽があってというような、あり得ないけど、そこにあるサーカスみたいなイメージを、なるべく短くて伝わる単語でという言葉のチョイスに時間が掛かりました。

磯村: 本当にギリギリで「これやん!」となったよね。

田口: 『FRANKEN MUSIC』からマジカルバナナで、「フランケンと言ったらミュータント」みたいな(笑)。“MUTANT”は“突然変異”という意味なので、そこからイメージを膨らませでジャケットもいそうでいない突然変異感のある瞳のジャケットになりました。

―そして11月8日(金)から今作のツアーも始まります。どんなツアーにしたいですか?

高橋: 極端な言い方をすると、今までは曲が散らばっていて。それが良さでもあるんですけど、今回のアルバムでより伝えるところにシフトできたと僕は感じています。ライブを通して曲を育てたからというのもあるし、やっぱりメロディと歌詞に僕らはいるんだなというのを再確認できたので、全力でそれを伝えられるツアーにしたいと思っています。

―ライブも楽しみにしています。最後に『MUTANT CIRCUS』を手にする方々へメッセージをお願いします

田口: 今までの僕らを知ってくれている人を置いていくことなく、ここから僕らを知ってもらって合流する方々にも一発で届くように、曲の並び、構成、クオリティ、メロディ、歌詞全てがベスト。自己最高の曲を収録できたと思っています。ライブも、細かいシステムの仕様やアンプ、楽器などを新調したので、音も今までで一番いい状態になっていると思います。ライブハウスと音源がリンクした作品になっていると思うので、是非CDを買って1曲目から最後まで聴いてほしいです。

RED in BLUE『FRANKEN MUSIC』 MV

■リリース情報

『MUTANT CIRCUS』
Mini Album
2019.11.6 発売
1,800円(tax in)

■LIVE情報
MUTANT CIRCUS TOUR 19-20
2019年
11月08日(金) 島根 出雲APOLLO
11月10日(日) 広島 尾道BxB
11月15日(金) 福岡 Early Believers
11月16日(土) 福岡 小倉FUSE
11月23日(土) 富山 SoulPower
11月24日(日) 新潟 CLUB RIVERST
11月25日(月) 千葉 千葉LOOK
11月29日(金) 京都 MOJO
11月30日(土) 滋賀 B-FLAT
12月18日(水) 愛知 名古屋CLUB UPSET
12月22日(日) 山口 周南rise
2020年
01月12日(日) 広島 広島CLUB QUATTRO
01月17日(金) 大阪 アメリカ村BEYOND
01月24日(金) 東京 下北沢ERA

■オフィシャルHP
http://www.redinblue.info

■プロフィール
一度耳にしたら離れないグッとくるメロディとシンガロング。エフェクティブかつトリッキーな予測不能サウンド。楽しさと切なさが入り乱れるライブパフォーマンスはまさに激情。泥臭くエモーショナルながら、時として大胆にオートチューンを操るVo.高橋の歌声に、とあるライブレビューにて『激しさの向こう側』と比喩されたニューギターヒーローGt.田口のド派手なプレイに加え、技巧派なプレイを要所に織り込みつつバンドのボトムを確実に支えるBa.磯村の演奏と、Dr.山崎の大胆かつ緻密でテクニカルなドラムワークが加わり1つの音の塊に変わる。今一番ライブハウスで見るべきバンド。

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