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ライター ツボイ

2019.4.1

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Rhythmic Toy World 4th Mini Album『PLACE』& 内田直孝 New Single『Adversity is the first path to truth.』インタビュー

「大切な場所に改めて気付くことができた作品でもあります」

メジャーからインディーズへとシーンを戻し、再び走り出す第一歩目となるミニアルバム『PLACE』を4月3日にリリースするRhythmic Toy World。結成10年という節目を迎える今年、まだまだ俺たちは突き進んでいくんだという強い意志が伝わってくる7曲が収録されている。さらに、ボーカルの内田直孝のソロ作品『Adversity is the first path to truth.』も同日にリリース。バンドとは違う彼の一面が垣間見られる歌詞と、アコースティックとピアノで構成されたサウンドに酔いしれる。この2作品について、内田直孝に話を訊いた。

―4月3日にRhythmic Toy Worldのミニアルバム『PLACE』と、内田さんのソロ作品『Adversity is the first path to truth.』がリリースされます。今回は内田さんにその2作品についてお話を伺おうと思います。まずは、バンドのミニアルバムの方から。今作はどのようなテーマの元、作られたのでしょうか?

内田直孝: キャッチコピーの“誰もが精一杯。響く全てがエールだ。”が、そのままテーマという感じです。僕の中では“響く全てが”の部分がミソで、一曲全てじゃなくてもワンフレーズやたった一言だけでも、エールになり得ると思うんです。だから、その言葉が、あのギターが聴きたくて再生することってあると思う。それは、きっとその人がその時に求めている、響いたエール。この作品でひとつでもそれに出会ってくれたらうれしいですね。

―今作は7曲収録されていますが、どの歌詞も結構リアリティありますよね

内田: 今までの作品の中では一番リアリティのある感じで書けたと思います。僕たちは今回メジャーからインディーズへとシーンを戻したんですが、それはお客さんがRhythmic Toy Worldに何を求めているのかをみんなで話し合い、その結果より自由度の高い場所で音楽をすることが一番いいとなったからです。気持ち的な部分にそれがすごくあったから、よりパーソナルな部分を削って出せればなと。それが歌詞のリアル感につながったと思います。

―しかも、曲ごとにいろいろな人間模様が見えます

内田: 人って昨日と今日で考え方が変わったり、言ってることと腹の中は違ったりしますよね。今回曲の順番を決めている時に、メンバーから「この曲では前向きなのに、次の曲ではすごく落ち込んでるけど、大丈夫か?情緒不安定ちゃうか?」と言われました。でも、情緒不安定こそが人間だと思ったので「そのままでいい」と。むしろ本当は情緒不安定なのに、みんな安定しているように見せているだけ。それが人だよなと思って。

―確かにそうかもしれないです。少し話は戻りますが、僕が響いた言葉は『クリティカルヒット』の<理想捨てる それが人生だろ>。確かにそうかもしれない。けど…ってなります

内田: 理想を持つのはいいことだけど、捨てなあかん時に捨てられへんみたいなプライドはすごく自分を邪魔する。理想を捨てることを、いかにマイナスじゃないように受け取れるかが課題だと30歳になった時に思いました。バンドを10年続けてこられたのは絶対に理由があって、自分が理想を捨てられない時に仲間が上手く違う方向へ持っていってくれて、そんなに自分の理想とかけ離れていない錯覚をさせてくれた。いつの間にか理想を捨ててたことに気付いたけど、それは捨てることがマイナスじゃなかったから、受け入れられたんだなと思える。そのおかげで今が楽しいんだから、人生最高やんという意味の曲です。

―前向きな曲ということですね。そう思うと、今作の歌詞はこれまでよりちょっと大人の感じがします

内田: ちょっと精神年齢が上がったかもしれないです。これまでは、なるべく幅広い年齢層の人に聴いてもらいたいというのがありました。でもライブには、40代の方も結構来てくれるので、100や200キャパのライブハウスに様々な年齢層が一緒にいる。その人たちが年齢差を越えて仲良くなっているのを見て、『クリティカルヒット』でも書きましたが、届くためにやってるんじゃなく、届く奴のために俺らはやっているんだなと思いました。だから、30歳の僕が今思うことを書けばいいんだと。だから、自分と同じ歳の人にはもちろん、10代でも40歳でも分かる人には届く。自分からここだという狙いを定めるのをやめたことが、精神年齢の向上につながったと思います。

―その中で『2019』という曲は他とちょっと趣が違って、普通の日常を描いていますよね

内田: 日常の一瞬の出来事を切り取った歌です。作り手として、平成から新たな元号になるタイミングに関する曲を作りたいなと。それで『2019』を作り始めたんですが、最初はもうちょっとバラードっぽい感じでした。でも楽曲のアレンジをしていくうちに、スケール感は壮大やけど狭いなという不思議な感覚になって。それって、感じ方は無限大なのにすごく狭い心と似てる。それが曲とリンクしてるなと。俺らの生活の中で大切なことって超些細なことだと思いません?例えば、夏にエアコンのリモコンの電池が切れてる。これって致命的だし、どこで何が起きていてもその瞬間は自分の中でそっちの方が絶対大切じゃないですか。こういうことっていっぱいあるなと思って、そこにフィーチャーして書きました。ただ、急に僕がこの歌詞を持ってきたからメンバーは心配になったみたいで、「悩み事でもあるの?」って。初めてそんなこと言われたけど、俺は「良し」と思いました。今まで俺が書けていなかった部分をちゃんと言葉にできたんやと思って、これはいい曲なんやなって思いました。

―確かにすごく狭い中での出来事を書いていますし、すごくリアルな表現ですね

内田: 実はこの歌詞を書いている前日に家の電球が切れたんですよ。で、<電球がチカチカ>という言葉が浮かびました。ただ、普通は電球がチカチカって聞くと、もうすぐ切れるのかなと思いますよね。でもこのチカチカは切れる瞬間じゃなくて、LED電球との相性が悪かったのかめっちゃチカチカしていたことです。それが、人間関係と似てるなと。点いている時は絶対電気見ないけど、切れそうになったら見る。確認するというか。それが人間と一緒で、仲良くしてる人や友達のことは連絡をよくとるから忘れないけど、ちょっと知り合いぐらいの人って忘れますよね。会ったら思い出すような人。そういう薄い繋がりの人との関係はいつ切れても気付かないんじゃないか。それと掛けています。<何ワットだ 財布はどこだろう>という歌詞も、ワット数が合わなかったら電気は点かないですよね。結局この歌の人は、一人がいいみたいなことを言ってるくせに何ワットかを気にしてる時点で、誰かに合わせてどうすればこの人と上手くいくんやろうとどこかで少し考えている。一人がいいと思いながらも一人が寂しいみたいな。結局俺って弱いよなという感じを最後に入れました。さらに、<財布はどこだろう>は、お金でつなぎとめる人間関係にも掛けています。

―何気なく聴いていましたが、そんなに深い意味を持たせた歌だったんですね

内田: 最後の行は僕的に書けたなと思っています。書いた場所が純喫茶だったので、小説家になった気持ちで語り部みたいにメロディじゃなく手紙を書いてるみたいに書けました。

―そうだったんですね。最後の曲『パドル』も雨と心の描写がちょっと文学的ですよね

内田: パドルは水たまりという意味です。昨年、メンバーと腹を割って20年30年と続けられるバンドになるための話し合いをして、その結果、元の所に戻って顔の見える相手と音楽を作る仕事をすることに決めました。その帰り道、自分に何が書けるのだろうと下を向きながら家に向かって歩いていると、前日に降った雨のせいで家の近くに大きい水たまりができていて、そこに写った自分の顔が、怪訝な表情をしていると思いきや、満ち満ちた顔をしてたんです。それにすごくほっとして。不安や迷いをいっぱい抱えながら歩いていたのに、絶対にいいものを作ってやるぞというやる気に満ちた顔をしていた。自分に自分の背中を押してもらった感にグッときて、アコギですぐ曲を作りました。だから初期衝動がそのままパッケージされています。アコースティックだから静かな曲ですけど、心の内では熱意に満ちています。それを最後に入れることで次を見てる感じもあっていいなと。あと、CDをループで聴くと次は1曲目の『はじまり』になるので、すごくドラマチックだし、感情も一周して最後の曲にぴったしやと思います。

―確かにドラマチックです。その今作のタイトルをどうして『PLACE』にされたのでしょうか?

内田: 最初にも“響いたものがエールだ”と言いましたが、響いたフレーズが聴いてくれている人の居場所だと。なるべくみんながこれは私の曲、俺の曲やって思えるものがひとつでもあればいいなと思って付けました。それが心の拠り所になったらその人の居場所にもなるし、それを生で聴きたいと思ったらライブハウスという場所になるわけで。それに、僕らはメジャーレーベルからインディーズレーベルに戻りました。インディーズレーベルは僕らが初めてミニアルバムを出した場所であり、Rhythmic Toy Worldが生まれた場所。その大切な場所に改めて気付くことができた作品でもあります。そういういろいろな居場所をコンパイルしています。

―そして、同日にソロ作品『Adversity is the first path to truth.』もリリースされます。タイトルは有名な言葉なんですよね。調べました

内田: そうなんですよ。プロデューサーが今の僕に合う言葉だと言ってくれて。確か「逆境は真理にいたる最初の道である」という意味だったと思うんですけど、それがバンドとして再び一歩を踏み出すという逆境でもあるし、僕はバンドを組む前にソロで弾き語りをしていて、その時は今よりもさらにギターも弾けへんかったし歌も下手くそやった。でもやってなかったら止まっちゃうような気がして、がむしゃらにやっていて。それが弾き語りの思い出なので、その今まで引き連れてきたしょっぱい思い出をぶち壊すという逆境に挑戦する意味もあります。タイトルが長いのは、その方がみんなタイトル覚えへんから、ウッチーのソロと呼んでくれるかなと。僕がソロを始めたことをみんなに伝えやすいなと思って決めました。

―確かに。収録曲はその当時のものではなく、最近作られた曲ですか?

内田: ここ1年ぐらいで書いた曲です。最初はRhythmic Toy Worldの曲をアコースティックでやっていたのですが、アコースティック用の曲を書いていこうと。それも意気込んで書くのではなく、今度のライブで新曲をやったら喜ぶかなみたいな勢いとノリで前日に作って、次の日に「昨日作ったので聴いてください」と披露していました。そうしたら、「あの曲すごく良かったです」っていう感想が返ってくる。その声がすごくあったので、今回リリースすることになりました。

―その収録曲3曲の中から1曲目の『電影少女』についてお聞きします。正直あの漫画のこと?って思いました

内田: そう思いますよね(笑)。7つ上の兄がいるのでその漫画も家にありました。漫画のことを書いたわけではないですが、近いところはあると思います。この曲のきっかけは、僕は「そんなに容姿も良くなくてうだつの上がらない男が、なぜかすごく可愛い女の子数人から同時にモテる」という設定が好きで。それをアニメーションという画面の中にいる女の子を直接的に表現したくて、『電影少女』にしました。

―曲そのものは、画面の中にいる女の子が好きというラブソングですよね

内田: この曲は確かクリスマスに向けてラブソングを書こうと思っていて、でも普通のラブソングは書かないので、僕の好きなアニメのキャラクターのことを思いながら書きました。アニメのキャラクターのことが好きになる気持ちは、本気だけど届かないですよね。でも、そんな恋をしてる人っていっぱいいると思うんですよ。それって素敵やなと。本気で好きというのは素晴らしいことなので、そういう人たちに向けたラブソングを書きました。

―やっぱり微妙に漫画に近いですね。そして、4月12日(金)からはRhythmic Toy Worldのライブツアーが始まります。このエリアには三重、岐阜、名古屋と来られますが、1回のツアーで東海3県に来て、さらに全てワンマンは珍しいと思います

内田: 三重には僕の実家があるので三重ではワンマンをやりたい。岐阜は2回目なんですけど、実は岐阜生まれなんですよ。生まれてすぐ大阪に行くんですけど、そういうのもあって岐阜でもライブをやりたい。さらにいうと、昨年、大雨でライブハウスが浸水してしまい、しばらく営業できなかった中、僕らのツアーから営業再開できるように、僕らのライブに行きたいと思ってくれてる子達が復興作業を手伝ってくれたという話を聞きました。それを聞いて、俺たちは絶対ここに毎回来ないといけない、もらったものをちゃんと返さなければいけないと思って、そのライブの時に「いつか絶対ワンマンやります」と言ったんです。それで、今回2回目ですがワンマンにしようと。なるべく長い時間多くの曲をこの場所で歌いたいなと思ってみんなで決めました。そういうドラマもあって絶対に行きたい場所なんですよ。

―そのツアーに向けて準備もしていると思いますが、どのようなツアーにしたいですか?

内田: 『ネバギバ』はライブでやり始めていて、自分たちが想像したような画を既に作れています。楽曲はツアーで育っていくものだから、全曲自分たちがこうしたいなというものをみんなにしっかり伝えて、それをツアーしながら完成形にしたい。ツアーファイナルの時には曲として完成しているツアーにしたいと思っています。

―ファイナルが楽しみですね。最後にリリースを楽しみにしているファンへ向けてメッセージをお願いします

内田: 最初に言った響いたものが僕が伝えたかったことです。全てじゃなくて全然いい。全てを受け入れようとしてくださらなくて大丈夫なので、たった一言でも何かハッとしたものがあれば、それがきっとその時の自分が求めているものだと思います。僕らの曲だけじゃなく、日常生活でもそういうことっていっぱいあると思うので、そこにアンテナを張って生きていたら楽しそうじゃないですか。僕もそうやって生きてるので、皆さんもあまり肩に力を入れず、Take it easyという感じでいきましょう。

内田直孝『電影少女』MV

■リリース情報

『PLACE』
Rhythmic Toy World
4th Mini Album
2019.4.3 発売
1,800円(+tax)


『Adversity is the first path to truth.』
内田直孝
Single
2019.4.3 発売
1,000円(+tax)

■LIVE情報
Rhythmic Toy World「PLACE TOUR」
4月12日(金) 千葉 千葉LOOK
4月20日(土) 三重 CLUB CHAOS
4月21日(日) 兵庫 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎 w/ MAGIC OF LiFE
4月23日(火) 福岡 小倉FUSE w/ KNOCK OUT MONKEY
4月24日(水) 岡山 CRAZYMAMA 2nd Room w/ KNOCK OUT MONKEY
5月10日(金) 長野 ALECX w/ グッドモーニングアメリカ
5月17日(金) 茨城 mito LIGHT HOUSE
5月19日(日) 栃木 HEAVEN’S ROCK Utsunomiya 2/3 (VJ-4)
5月24日(金) 岐阜 柳ヶ瀬 Ants
5月25日(土) 静岡 Shizuoka UMBER w/ MAGIC OF LiFE
6月60日(木) 岩手 the five morioka w/ 真空ホロウ、CIVILIAN
6月07日(金) 福島 郡山CLUB #9
6月14日(金) 大阪 Shangri-La
6月15日(土) 愛知 名古屋CLUB QUATTRO
6月21日(金) 群馬 前橋DYVER w/ MAGIC OF LiFE
6月26日(水) 宮城 enn 2nd
6月28日(金) 北海道 COLONY
6月30日(日) 富山 Soul Power w/ GOOD ON THE REEL
7月04日(木) 福岡 Queblick
7月05日(金) 広島 CAVE-BE
7月25日(木) 東京 LIQUIDROOM

■オフィシャルHP
http://rhythmictoyworld.com

■プロフィール
2009年に結成。2010年に現在のメンバーが揃い本格的に活動を開始。2013年の1stミニアルバムを皮切りに怒涛のリリースを続ける。2016年には森永製菓『DARS』のCM楽曲に抜擢され大きな反響を巻き越した。また、第一興商が強力プッシュするD-PUSH アーティストに異例の3回選出や、テレビ東京系『ゴッドタン』のエンディングテーマ曲として2度の抜擢、東宝映画『何者』ではメンバーが出演し、さらには劇中歌として使用される。さらに2018年TV東京系アニメ『弱虫ペダル GLORY LINE』のオープニングテーマに抜擢。2018年4月にメジャーデビューアルバム『SHOT』をリリース。そして2019年、シーンをメジャーからインディーズへと移し、4月3日に4thミニアルバム『PLACE』をリリース。

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