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ライター ツボイ

2019.12.20

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The Floor 2nd Album『nest』インタビュー

「僕らのバンドに住んじゃってください(ササキ)」

3人体制初となるアルバム『nest』を12月4日にリリースしたThe Floor。3人それぞれが作詞作曲した楽曲が収録されており、それぞれの個性が垣間見られる作品となっている。その作品に込めた思いと、3月のワンマンツアーへの思いをThe Floorの3人に訊いた。

―約2年ぶりとなるアルバム『nest』が12月4日にリリースされました。3人体制となって初のリリースとなりますが、今作の制作はいつ頃から始まりました?

ササキハヤト(Vo): 前作の『CLOVER』を出したあたりからギターが抜ける話を聞いていたので、それぐらいから3人でどうしていくかは考えていました。そこからだいぶ時間は経っちゃいましたけど、その分いい作品ができたと思います。

ミヤシタヨウジ(Ba): デモ自体はずっと各々で作っていたんですけど、実際にこのアルバムに入れる曲が出来たのは7月、8月です。

コウタロウ(Dr): 元々抜けたギターがメインで曲を書いていたので、最初は手探り状態でした。でも、自分たちのやり方が掴めてからは早かったと思います。

―初めて3人で制作したアルバムのタイトルに『nest』と付けた理由をお聞きしてもいいですか?

コウタロウ: タイトルは収録する8曲が決まった後に決まりました。『nest』を直訳すると“巣”という意味なんですけど、他にも“居心地のいい場所”という意味もあって、聴いてくれた人たちがこのアルバムを心の拠り所にしてくれたらいいなという気持ちを込めつつ、これをきっかけに高く飛び立っていきたい気持ちも込めています。

―その思いが込められた作品の1曲目『Candy』はキャッチーで明るい曲。恋の歌ですよね

ササキ: 恋で一喜一憂する状態が、口の中で転がってすぐ溶けちゃうキャンディと似てるなと思って書き始めました。いつか無くなってしまうものだけど、今を楽しめた方がいいよねという思いを込めています。コミカルな感じも出せたらなというのもあります。

―コミカルに繋がるかは分かりませんが、韻を踏むなど言葉遊びもしていて、特に<春過ぎて夏が終わって飽きちゃって冬景色>が印象に残りました

ササキ: 僕もそこは結構気に入っています。語感の良さや、聴いていて面白くなるというかフックになる感じは意識しました。

―ライブでも楽しい曲だと思います。次の曲『雨夜の月』は明るい曲に浮遊感が上手くハマっているなと

ミヤシタ: 浮遊感がめちゃめちゃ好きなんですよ。こういう明るい曲に、いきなりスネアのロールが入ると印象がだいぶ深くなると思ってやってみました。それもハマったし、全体的なリバーブ感も浮遊感に繋がっていると思います。

―歌詞は『Candy』よりも切ない恋ですね

ササキ: これは『Candy』とは違った切ない恋のカタチを書いてみました。届かせたいけど届かないというか、すぐ側にいるのにどうしても届かないものってあるなと思って、そういう気持ちを書きました。The Floorは楽しい曲にこういう歌詞を乗せがちですね。

ミヤシタ: 僕らの曲って結構そんな感じで、底抜けに楽しい曲は歌詞がちょっとシニカルだったりするし、逆に超暗い曲でも歌詞は前向きだったりします。

―そのバランス感が上手いなと思います。そして、コウタロウさん作詞作曲の『砂の山』は打ち込みですよね

コウタロウ: ベースは打ち込みで、ドラムも生のドラムをレコーディングしてから打ち込みで並べて作った曲です。とにかく音をめっちゃ重ねて飽和させたかったので、マスタリングでも「ちょっと歪ませてください」とお願いしました。とにかくデカい音で鳴らしたい気持ちで作った曲ではあります。

―その雰囲気伝わります。歌詞はどのようなイメージで書かれたのでしょうか?

コウタロウ: 僕自身があまりできるタイプの人間ではないので、何かしら積み重ねていけばいつかは山になって、行きたいところに辿り着けるんじゃないかという気持ちを込めました。

―コウタロウさん自身のことを書かれているんですね

コウタロウ: 歌詞は自分自身と向き合って書き始めるんですけど、書いていくうちに自分でも気付いていなかった部分に気付かせられます。自分はこう思っていたんだと。それが歌詞を書いているとすごく多くて。この曲も<砂の山を駆け登ってゆく>というフレーズが出てきて、俺はこういう風に思っていたんだということに気付いて、そこから歌詞が持つ世界観や景色が見えてバーっと歌詞が書けていきました。

―ササキさんは作詞作曲した『To Be Continued』をどのようなイメージで書かれたんですか?

ササキ: 『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフの作品に『恥知らずのパープルへイズ』という作品があるんですけど、そこから着想を得ながら、一歩を踏み出せない人たちをテーマに書いてみました。難しい言葉一切使っていないと思うので、すごく素直な気持ちのまま書けたなと思います。

コウタロウ: サウンドに引っ張られたのかは分からないですけど、歌詞はストレートな言葉を使っていてすごく響く曲になると思っています。

ミヤシタ: 今までやっていないチャレンジができたロック曲になったと思っています。今までは「ここ空いてるな」となったら、何かフレーズを入れようと思っていたんですけど、余白を意識することができた曲でもあります。

―チャレンジもしている曲なんですね。そして『群青について』。ミヤシタさんが見た景色や思ったことをそのまま書いている印象です

ミヤシタ: 僕は二人と違って、自分の中で忘れたくない心情や思い出を自分のために書いているので、それが誰かに一ミリでも響いてくれたら儲けもんみたいな。この曲は『群青について』というワードが先に頭の中にあって、時系列関係なく何個もある自分が忘れられない瞬間を全部詰め込んでやろうと思って書いた曲です。

―という事は、全て実体験なんですか?

ミヤシタ: 全部実体験です。僕は「これを書きたい」という明確な指針があった上でそこに実体験を落とし込んでいって、結果コウタロウが言っていた「こういう面もあるんだな」という気付きもあったりします。

―<缶コーヒーを飲み干して 見上げた満月も>はロマンチックだなと思ったのですが、これも実体験ですか?

ミヤシタ: すみません。実はこれ、実際は“おしるこ”だったんです。

一同: (笑)

ミヤシタ: ツアー中に高速道路のパーキングエリアで休憩した時、寒かったのでおしるこを飲んでいて。おしるこって底に小豆が溜まるので、それをトントントンってやりながら空を見たらめちゃめちゃ満月で。この景色いいなと思って。

一同: (笑)。

ササキ: ちょっと歌い直そうか。

ミヤシタ: いや、おしるこはハマらないから。

一同: (笑)。

ササキ: 曲の雰囲気めちゃめちゃ変わる(笑)。

―面白エピソードがありましたね。そして最後の曲『I Don't Know』はEDMな感じが結構好きです

コウタロウ: 僕と(ミヤシタ)ヨウジの2人で作った曲です。

ミヤシタ: 最初はUnderworldの『Born Slippy』や、The Killersの『Mr. Brightside』のデカいフェスで歌っている映像を見て、すごく響いてる感じがいいなと思って作り始めました。バンドとハウス感がいいバランスで融合できてすごく気に入っています。

コウタロウ: サウンド的には打ち込みですけど、これも生のドラムを録ってこういう四つ打ちをする、バンドとEDMのいいバランスが取れたと思っています。ライブでやるのも楽しみですね。

―そのサウンドのタイトルに『I Don't Know』と付けたのは?

コウタロウ: 先にメロディがあって、それに日本語がハマらないなと思って考えていたら、<I Don't Know>という言葉がハマったので、そこから自分がI Don't Knowだと思うことについて書きました。人との距離感にすごく悩んでいた時期だったりしたので、そういうことについて書います。

―悩みが曲になりがちなんですね

コウタロウ: なりますね。僕は基本的に自分が普段思うこと、感じることを煮詰めて抽出して言葉にしている節があるので、悩みは歌詞の材料になりがちですね。

―そう思うと歌詞の書き方は三者三様ですね

ミヤシタ: そうですね。歌詞の書き方に関しては今しゃべっていてはっきり分かった感じです。

コウタロウ: 普段は書いたものを渡してるだけだからね。

ササキ: 本当に3人それぞれの色が曲にも歌詞にも出たと思います。

―3人になったからこそできた作品ですね。そして3月に新体制初となるワンマンツアーを開催されます。どんなツアーにしたいですか?

ササキ: 新体制になって初めてのワンマンなので、新しい気持ちで挑みます。今までThe Floorを好きでいてくれた人たちは、俺らも今までのThe Floorが好きだからこのままの形でやっているので、そこは信じてついて来てくれたらうれしいです。初めてくる人も絶対に楽しませるし、一緒に踊れる、寄り添える音楽をやっていきたいと思っているので、ぜひ一回遊びに来て一緒に音楽を楽しんでほしい。今回のツアーは、“Live”という住む、生きるの進行系の“Living”というタイトルにして…

コウタロウ: この間対バンツアーをやって、そのタイトルが“Build-ing”で新しい俺たちを見てくれというツアーだったので、次はそのビルドしたものに住んで生きていこう、俺たちもバンドとして生き続けるぞという気持ちを込めて“Living”というタイトルにしました。

―名古屋は3月22日(日)にAPOLLO BASEですね。楽しみにしています。では最後に、そのライブを楽しみにしているファンへメッセージをお願いします

ミヤシタ: 今回のアルバムの曲はもちろんやります。そのすごくいろんな曲たちが、ライブの中でどういう輝き方をするのか個人的にもめちゃくちゃ楽しみなので、一緒に楽しみましょう。

コウタロウ: 僕ら自身が今バンドをすごく楽しめているので、その感じをお客さんと一緒に共有できたらいいなと思っています。ぜひライブへ遊びにきてほしいです。

ササキ: 新体制になって変わった部分に不安を持ってる方もいるかもしれないですけど、そんな不安を全部掻き消すライブをするので、飛び込んで来てほしいです。本当に“Living”という名にふさわしいライブにしますので遊びに来て、僕らのバンドに住んじゃってください。すごくオープンな気持ちで遊びに来て一回僕らの音楽に触れてくれたら嬉しいです。

The Floor『Candy』Music Video

■リリース情報

『nest』
2nd Album
2019.12.4 発売
生産限定盤(CD+グッズ) 3,500円(+tax)
通常盤(CD) 1,900円(+tax)

■LIVE情報
The Floor one-man Tour「Living」
3月01日(日) 大阪 Anima
3月07日(土) 東京 Veats Shibuya
3月22日(日) 愛知 APOLLO BASE
3月27日(金) 北海道 BESSIE HALL

■オフィシャルHP
http://thefloorthefloor.com

■プロフィール
2012年10月に結成された、ササキハヤト(Vo)、ミヤシタヨウジ(Ba)、コウタロウ(Dr)による北海道札幌市在住3人組ロックバンド。海外ロックの系譜を持った世界水準のサウンドと、抒情的かつ温かな歌声は絶妙なバランスで共存。無邪気に「音」と遊ぶバランス感覚は、フェスシーンからJ-POPシーンまでを横断する、新たなギターロックのスタンダードを北の地から鳴らす。2016年5月にリリースした初の全流通盤1stミニアルバム『ライトアップ』が、いきなりタワレコメンに選出され、その勢いのままRISING SUN ROCK FESTIVAL 2016 in EZOにRISING STARとして抜擢され出演。2018年2月にアルバム『ターミナル』でメジャーデビュー。2019年2月に1stミニアルバム『CLOVER』をリリースし、5月22日にはデジタルシングル『緑風』を配信。そして、12月4日に2ndアルバム『nest』をリリースした。

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