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ライター ツボイ

2019.8.5

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ズーカラデル 1st Full Album『ズーカラデル』インタビュー

「『アニー』は、最大の味方であり最大のライバルであるという気持ちもあります(吉田)」

札幌出身のバンド、ズーカラデルが7月10日に1stフルアルバム『ズーカラデル』をリリースした。今作には、彼らの知名度を上げるきっかけとなった『アニー』をはじめ、これまでの作品に収録されていた曲のリミックスから新曲まで全12曲を収録。地元北海道で制作されたという今作は、これまでの集大成であり今のズーカラデルを表現した作品でもある。その今作について、楽曲の作詞作曲を手がける吉田崇展(Gt/Vo)に話を訊いた。

―ーまずはバンド結成の経緯からお聞きしてもよろしいでしょうか

吉田崇展(Gt/Vo): 僕がギターを弾いて歌うバンドをやりたいなと思って、ドラムの山岸(りょう)と今とは別のベーシストの3人で2015年に始め、去年2月にそのベーシストが抜けたので、札幌で活躍していた鷲見(こうた)に声を掛けて今に至ります。

―ドラムの山岸さんを誘った段階で、バンド名はズーカラデルだったんですか?

吉田: そうですね。最初は、吉田崇展とズーカラデルというバンド名で僕が真ん中で歌い、10人ぐらいのバックバンドと一緒に楽しくワイワイやるイメージでした。でも、3人から全然メンバーが増えなくて(笑)。しょうがないから3人でやっている感じです。

―バンドの曲を作っている吉田さんはどのような音楽を聴いてきました?

吉田: 高校時代に日本のバンドを聴くようになったんですけど、BUMP OF CHICKENや銀杏BOYZ、くるりとかを聴いていました。もっと遡ると、両親が中島みゆきさんを好きだったので一緒に聴いたり、洋楽も少し聴いたりしていました。

―最初はそういったバンドのコピーもされていたんですか?

吉田: 高校の時に、文化祭で演奏するからと初めてバンドにベーシストとして入り、BEAT CRUSADERSやCHARCOAL FILTERのコピーをしていました。その後も同じメンバーでGOING STEADYや銀杏BOYZのコピーをやろうとなったんですが、ベースが難しくて弾けなくて。それでリードギターと交代してギターを弾き始めました。

―銀杏BOYZのコピーをしなかったら今ギターを弾いてなかったかもしれないですね

吉田: そうですね。そこで上手くいっていたら、今もベースを持ったままかもしれないです。銀杏BOYZに人生を狂わされました(笑)。

―その表現いいですね(笑)。7月10日にリリースされた1stフルアルバム『ズーカラデル』には、過去の作品に収録されていた曲もいくつか入っていますが、今回どのようなテーマで制作されたのでしょうか?

吉田: 僕らはずっと北海道に住んでいましたが、拠点を一回東京へ移そうという話が出ていて。それなら今回のアルバムは、物心がついてからここまでの北海道での活動の集大成になるだろうと。それで、今まで出した曲に、ライブではやってるけどパッケージとしては出していない曲も入れて、「これが北海道で性を受けたズーカラデルです」というアルバムにしました。

―という事は、かなり昔に作った曲も入っているんですか?

吉田: ミニアルバムを出す前にCD-Rを手焼きして配っていたデモ音源があるんですけど、そこに入れた曲もいくつか収録しました。僕が別バンドでやっていた曲も1曲あります。

―ズーカラデルというか吉田さんのこれまでを感じられる作品になっているんですね

吉田: 今回その当時の曲を改めて今の3人で録音し直すことによって、バンドの今の状態をすごく反映した作品になったという気はしています。

―吉田さんの書くほとんどの歌詞には、<あなた>や<君>という言葉が入っているなと思いました。歌詞を書くにあたり、対象となる人がいた方が書きやすいです?

吉田: 具体的にせよ抽象的にせよ何かしらの対象があって、その対象と自分との距離を書いていることは多いです。それは、実際に生きている人間じゃないものだったり、女性のように書いてるけど実は男性のことだったり。姿は変わってるけど、自分の位置から見える相手に対して手紙を書くような感じで歌詞を書くことが多いです。

―さらに、吉田さんの歌詞は日常を書いているなと思ったのですが、歌詞は何をきっかけに生まれるのでしょうか?

吉田: 歌詞は一生懸命考えて生まれます(笑)。

―メロディ先行で歌詞を書かれているんですか?

吉田: このメロディに相応しい音は何だろう意味は何だろう、音程が高くなった時にどういう声を出したいのか、みたいなことは考えます。また、どんどんアレンジを進めていってほとんど完成している時に書く場合は、ドラムのタイミングやベースの音色に対して自分の声がどういう風に入るのかを考えています。歌詞のストーリー性の外側からひとつひとつパズルを組み合わせるように考えていって、最終的に形になるものを目指していく感じが多いです。

―それは相当大変そうですね。リード曲の『イエス』は、これまでの曲とはちょっと違うなと感じたのですが、今のお話のような感じで歌詞を書かれたのでしょうか?

吉田: この曲は、他と違う作り方をしている感じがあります。他の曲は音程の動きやリズムの感じをどう美しく見せるか考えて、ひとつひとつ構成をしてるんですけど、『イエス』は元々あったちょっとのメロディと漠然のイメージに対して、こういうシチュエーションでバンッと曲が流れて、いろんな人に聴いてほしいという具体的なイメージがありました。外を向いたところからスタートして作り始めた曲なので、バンドとして初めての試みだったし、一次元ハードルが増えるというか、めちゃくちゃ複雑な作業になっちゃって(笑)。

―歌詞の雰囲気もこれまでのものとは違うなと感じました

吉田: 歌詞っぽい言葉も結構使ったなと思っています。これまでは、いわゆるロック曲に出てくる言葉をそんなに多用してこなかったんですけど、<夢とか希望>って言っちゃってるなと。その<夢とか希望>の“とか”という言葉がめちゃくちゃ気に入っています。

―『イエス』はバンドの新しい指針となる曲になりそうですね

吉田: これを続けていくのかは分からないですけど、これをやったことによって見えたものはめちゃくちゃたくさんあったので、すごく大事な曲になったような気はしています。

―次が楽しみです。その前の曲『花瓶のうた』はポエムっぽいなと思ったのですが、何かを想像しながら歌詞を書かれたのでしょうか?

吉田: 僕側にはストーリーみたいなのものはありますが、「ポエムっぽい」とおっしゃるのもそうだなと思います。実は歌詞に関して新しい試みがあって、過去に作っていた曲は歌詞を1から10まで全部1発で分からせることを前提に書いているので、初めて聴いてもちゃんと刺さることを当然のハードルとして設けていました。でも『花瓶のうた』に関しては、自分で美しいと思えるものをすぐに全貌を明らかにできなくても、美しい形のままでちゃんと表現して説得力を持たせられる仕上がりにしたいというチャレンジが上手くいった曲。分からなくても成立するみたいな。だから、僕が勝手に発信している感じが出ている。そういう意味で「ポエムっぽい」とおっしゃっていただけたのは、ある種上手くいったなという気がします。

―チャレンジで言うと、『ウェイティングマン』はリズムがこれまでになかったような曲ですよね

吉田: この曲は音から入りました。最初のスネアの連打とベースのリフがやりたいと思って、メンバーそれぞれに「これを弾いてくれ」と言いました。そこから歌をくっつけていったので、すごく楽しくできました。アレンジも「ソロ回しとかしてみる?」みたいな(笑)。割とラフな気持ちで面白がって進めていけたので楽しかったですね。

―楽しい曲の感じが伝わってきます。先ほどお聞きしたこれまで聴いてきたバンドに銀杏BOYZが入っていましが、『恋と退屈』という曲に出てくる英語のフレーズは、銀杏BOYZの曲『YOU&I』にもあります。もっと言うと、『恋と退屈』というタイトルも峯田さんの作品にあります。この曲は銀杏BOYZに対する吉田さんの気持ちを歌っているのではないかと思ったのですが

吉田: 高校時代に銀杏BOYZを聴いていて、君と僕の世界こそが世界の全てだ、ROCK N ROLL or DIEみたいな中で生きてきたんですけど、自分でバンドをやったり表現をしたりしていく中で、必ずしも銀杏BOYZから教えてもらった正義の中でずっと生きていけるわけじゃないんだなと思うタイミングが結構あって。そういった葛藤に対する自分なりの答えみたいなものを、『恋と退屈』という曲で表せたと思います。自分の問題について理路整然と表現して解決することができたので、すごく気に入っている曲です。

―そういう曲だったんですね。そして、バンドの名を広めた曲『アニー』は、今やバンドにとって大事な曲になりつつあるのではないでしょうか?

吉田: そうですね。『アニー』で初めてズーカラデルを知った方もたくさんいらっしゃるので、『アニー』はバンドにとって大きな曲であることは間違いないですね。逆にこの曲の足を引っ張るようなバンドになったら終わりだろうなという感じもあって。だから、『アニー』を堂々と演奏していますよと言えるようなバンドではありたいなと強く思っています。最大の味方であり最大のライバルであるという気持ちもありますね。

―こういう曲が1曲あると強いですよね。最後の曲『前夜』は趣がちょっと違うなと思っていて、切ない感じがします

吉田: 実はこの曲が一番古くて2011年に作りました。すごく良くできたなと思っていたんですけど、ずっといろんな人に聴いてもらわないまま持っていて。今聴き返してもこれが古いとは全然思わないし、逆に個人的には作った当初の精神性みたいなものが今、より身につまされる感じがしています。みんなに聴いてもらえそうないい曲があるのにずっと眠らせておくのはかわいそうだなと思って、メンバーに「前のバンドの曲だけどやっていいかな」と相談して入れました。

―そうだったんですね。ちなみにこの曲、ドラムの手数が多くないですか?

吉田: 多いですが、今はだいぶスッキリしてる方です。もっと多くという方向性でやっていたので。曲を作った当時の仮タイトルは、札幌の大先輩バンドbloodthirsty butchersからとって『butchers』と付けていました。元々の動機が「ブッチャーズみたいな曲をやりたいんだよね」だったので、「サビでエイトビートをやっちゃダメなんだよ。スネアを連打してガシャガシャ叩いて」と言って。すごく苦労してましたけど、カッコ良く仕上がって良かったです。

―そして、このアルバムもって9月13日の地元札幌からワンマンが始まります。地元スタートなので楽しみですね

吉田: 地元ですが、僕らは札幌のライブハウスでブイブイいわせてから全国へ行ったバンドではないので、たぶん札幌でのライブでもズーカラデルを始めて観るみる方が多いと思います。でも、北海道で出来たアルバムなので、北海道の人に正しく突き刺さってほしいというのはあります。

―名古屋は9月22日(日)です。名古屋のお客さんの印象はいかがですか?

吉田: 名古屋で初めてライブをした時に『アニー』で手拍子が起こって、それがすごくリズミカルで(笑)。最初は「まさか」と思って笑っちゃいましたけど、リアルに音楽を感じてくれているなと思って、すごくうれしかったですね。今もその手拍子をしてくれるのは名古屋のお客さんだけです。

―名古屋ライブでの手拍子を楽しみにしています!最後に、そのツアーを楽しみにしている方々へメッセージをお願いします

吉田: 今回のツアーはフルアルバムを持って回るので、音源を聴いてみなさんそれぞれの曲になったものを演奏できたら、そんなに楽しいことはないだろうなと思っています。そして、「音楽って面白いよね」と思ってもらえるような空間を用意できるようしっかり準備しますので、楽しみに待っていただけると幸いです。

ズーカラデル『花瓶のうた』 Official Music Video

ズーカラデル『イエス』 Official Music Video

■リリース情報

『ズーカラデル』
1st Full Album
2019.7.10 発売
2,500円(tax in)

■LIVE情報
ズーカラデル「全国ツアー」
09月13日(金) 北海道 札幌KRAPS HALL
09月18日(水) 福岡 Queblick
09月20日(金) 岡山 PEPPERLAND
09月22日(日) 愛知 名古屋CLUB UPSET
09月23日(月祝) 大阪 Music Club JANUS
09月28日(土) 宮城 仙台LIVE HOUSE enn 2nd
10月03日(木) 東京 渋谷WWW
10月12日(土) 香川 高松TOONICE
10月25日(金) 広島 HIROSHIMA BACK BEAT

ズーカラデル「全国ツアー」追加公演
2020年
01月25日(土) 愛知 名古屋JAMMIN’
01月31日(金) 東京 渋谷CLUB QUATTRO
02月08日(土) 大阪 Music Club JANUS

■オフィシャルHP
http://www.ivytofraudulentgame.com

■プロフィール
吉田崇展(Vo/Gt)、鷲見こうた(Ba)、山岸りょう(Dr)からなる札幌発の3ピースバンド。2017年9月に1stミニアルバム『リブ・フォーエバー』を会場販売開始。2018年3月に現体制となり、11月21日に2ndミニアルバム『夢が醒めたら』を発売。12月に初のワンマンツアー「地獄の入り口TOUR」を開催。そして、2019年7月10日、1stフルアルバム『ズーカラデル』を発売。9月からは全国9箇所を回るワンマンツアー「全国ツアー」を開催する。さらなる飛躍を遂げるべく活動中。

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