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ライター ツボイ

2020.3.30

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Kream 2nd EP『samsara』インタビュー

「Kreamってどんなバンドなんだろうというのをちゃんと凝縮できたと思います(Uchikawa')」

昨年配信リリースした『See The Light』が話題となり、今年1月の配信シングル『Kogarashi』でさらに知名度を上げたKream。その彼らが、4月1日に2nd EP『samsara』をリリース!シングル2曲はもちろん幅のある楽曲が収録された今作は、今のKreamが凝縮されている。『samsara』はどのように生まれたのか?Uchikawa'(Vo)とTsuruta(Gt)2人のインタビューから紐解く。

―今年の1月22日にリリースされた2nd配信シングル『Kogarashi』の反響はいかがですか?

Tsuruta(Gt): 自分たちの想像を遥かに超える反響をいただいた『See The Light』の後に出したシングルだったので不安はありましたが、さらに想像を超える反響をいただいてビックリしています。だからこそ、4月にリリースするEP『samsara』がめちゃ不安です(笑)。

Uchikawa'(Vo): 『See The Light』の時は何が起きたのか分からなかったけど、『Kogarashi』をリリースした事で「俺たちって今こんな感じなんだ」が分かってきたような気がします。4月に出す『samsara』でどうなるんでしょう?(笑)

―それは僕にも分からないです(笑)。その4月1日にリリースされるEP『samsara』の手応えはいかがですか?

Tsuruta: 前作のEP『Supernova』から1年以上空いたんですけど、『samsara』はその時の最高を確実に更新できているので、とても自信があるし満足のいく作品になりました。

Uchikawa': いよいよみんながKreamに何を求めているのかが、『samsara』で分かる気がしています。曲の幅はあるけど芯の部分は全楽曲同じ方向を向いているので、これを受け入れてもらえなかったらショックです(笑)。

―ショックなんですね(笑)。“samsara(サンサーラ)”はサンスクリット語で「輪廻転生」という意味ですが、収録されている同タイトル曲が曲の雰囲気からも今作の軸になるんじゃないかと?

Uchikawa': そうです。4曲目は最初違う曲の予定だったんですけど、曲を並べて聴いたらそれぞれの曲が独立しすぎた感覚があったので、一旦その曲を外しました。そして、この5曲を1本の物語にしてくれる曲があったらいいなと思い、時間をもらって数日後に『samsara』が出来たんです。

Tsuruta: この曲が出来た時に、これを絶対アルバムのタイトルにしようと思いました。元々入る予定だった曲もすごくいい曲なんですけど、ただ曲が並んでいるだけのEPになってしまうなと。それを『samsara』がひとつの作品にしてくれたので、アルバムのタイトルにしました。

Uchikawa': 本当に『samsara』という曲がないと、それぞれの楽曲が独立して聴こえるんですよ。しかも『samsara』は1分半しかないのに、入れたことで6曲がちゃんと物語になる。その驚きはありました。

―『samsara』が出来たことで完成した作品なんですね。その今作は『Fanfare』から始まります。ミュージカルっぽいところもある面白い曲ですが、どのように生まれたんですか?

Uchikawa': 『Fanfare』は、Netflixで見たホラー映画を元に書きました(笑)。僕は曲を書く際、音楽的に面白いんじゃないかという気持ちで作る時と、自分の心からこぼれ出てしまったものをそのまま曲にするという2つのパターンがあるんですけど、『Fanfare』は圧倒的に前者です(笑)。その対になるのが6曲目の『Catastrophe』。この2曲は全く同じ事象を歌っていて、どちらも“世紀末”がテーマになっています。『Fanfare』は世紀末という圧倒的な力に対してただ流されて何もできない事を歌っていて、『Catastrophe』はそういう状況でも強さや考え方次第で世界はこんなに美しくなるという事を歌っています。主人公が1人だとしたら、この人は同じ事象に立たされているけど、最初と最後ではこんなに変われたんだよというのを真ん中の曲で描いていて、それはきっと繰り返していくんだろうなというので『samsara』と付けました。

Tsuruta: ザ・作品の全貌という話だったね。

―確かに。『samsara』という曲がいかに重要なのかが分かりました

Uchikawa': 『samsara』は、誰にでも当てはまるように一番ライトな内容にしたくて。だから、かなり抽象的な歌詞になっています。でも、赤ちゃんの声を入れるなどかなりこだわってもいて。

―水の音も入っていますよね

Tsuruta: 水の音だったり空間の空気感を録音したり、赤ちゃんの泣き声を入れたり。それを2人でずっと録音していたので、1分半しない曲ですが一番時間がかかりました。『samsara』は最後に出来た曲ですけど、『Fanfare』、『Human』『Catastrophe』は2019年に書いていて、その中でも『Catastrophe』はデモ音源の段階で「いつか録音できたらいいな」という楽曲でした。ちゃんと自分たちの納得できる作品が作れるようになったら録ろうと思っていたのを、今回チャレンジしてみました。エンジニアの方と一緒に録りながら模索してという作り方をしたので、完成した喜びがすごくあります。チャレンジ成功です。

Uchikawa': そのいろいろ試しながら作ったのがとても良くて、最後自分の曲じゃないぐらいの感覚になりました。いろんな奇跡が積み重なって出来た曲ですね。今はそんなに歌詞が当てはまらない、意味が分からないと思っても、来年聴いてみてほしいし、再来年でもいいから聴いてほしい。聴く人の経験で聴こえ方が変わるような曲になったと思います。

―この曲も含め今作を聴いて思ったのですが、内川さんの死生観が見えたような…

Uchikawa': そう!僕、死生観の人なんですよ。

Tsuruta: 死生観の人って何?

Uchikawa': 僕は人生を映画みたいにしたいと思って生きていて。映画ってちゃんと終わりがあるじゃないですか。バッドエンドでもハッピーエンドでもそこで上手くまとまる。でも、それを自分の生活に当てはめると、最終回にしたいぐらい悲しいことが起きても、これが最終回だったらいいなというぐらい幸せなことが起きても、その後にまた生活が続いていく。だから映画みたいにするのはすごく難しくて。自分の人生を映画に置き換えたとして、いま歩いているシーンが映画の中盤だとした場合、それを豊にしたいと思って生きるのか、はたまた自分が人生を終えた時に笑っていたいのかということをずっと考えながら生きているから疲れちゃうんですよ。『Catastrophe』は、その疲れ果てた時に書いた歌詞で、無理やり今を最終回にするとしたら、自分で命を経つのか大災害が起きるか。この曲は隕石が降ってきて地球が終わるイメージで書いたんですけど、隕石が迫ってきて怖いと思うのか、遠巻きにその隕石を見て「キレイだね、最後にこれを君と見られて良かった」という人になるのかみたいな。僕は「キレイだね」と思いたいという思いを詰め込みました。逆に『Fanfare』は「隕石が迫ってくる、どうしよう」という歌なんですよ。やっぱり人に影響を与えるのは人だと思うから、『Fanfare』からの4曲の中できっと大切な人に出会ったのかな、そういう主人公に当たる人を描いてくれる誰かがいたとして、それで最後『Catastrophe』みたいな心情になれたのかなと。聴く人によって『Fanfare』と『Catastrophe』という点がいろんな形で結ばれていったらすごく面白いなと思います。

―なるほど。そういう思いが込められていたんですね。それを実現できたのは鶴田さんだからこそですね

Turuta: 芸術における良い悪いは数学の正解不正解とは違うので、そこをずっと見つめながら作ってKreamとしてひとつの形にできたと思います。結構チャレンジもしたので大変でしたね(笑)。

―ちなみに何が一番のチャレンジでした?

Tsuruta: 僕は内川さんの作るデモを聴いて、そこにない部分を想像したり感じ取ったりする力はちょっとあるんですけど、それでも形にする道筋には数多くの壁が見えて実現できるか不安でした。一番苦労したのは、それを実現させるために、どの楽器をどう使うといった音楽的な部分。『Catastrophe』では、どの太鼓をどのように使うか。『samsara』に関しては、雨の音や水の音をどう出すか、どのように録音するのか、空気感や距離感をどう出すか、そのためにどのマイクをどう使うか。表現したいことが分かっているからこそ、そこはすごく考えました。

Uchikawa': そのハンドメイド感というか、荒いところや拙いところを挙げたらキリがないですけど、今回密室の中で2人が缶詰になって頭を抱えながら作っていたものなので、それすらもいいんじゃないのかなとは思ってます。

―それぐらい今のKreamが詰まっている今作のジャケットにも注目したのですが、アーティスティックですね

Uchikawa': デザイナーの方と話をしてすごいなと思ったのが、中の歌詞が書いてある部分のバックは、ジャケットの絵を黒く塗りつぶして何回も重ねたものになっているんです。とういうことは、ジャケットの原画がこの世界に存在していないんですよ。上から塗ってるから。ジャケットは死んでるんです。その死んでる感じが生きているというか。そんな生きた芸術を見たことがなくてすごく感動しました。デザイナーの方が内容やコンセプトを汲み取ってくれて、それこそ僕の死生観の人にぴったりだなと。

Tsuruta: 僕らが曲を実現して、その作品をデザイナーがちゃんと形にしてくれた自負がすごくあるので、そういう意味で自信があるのかなと今話をしていて思いました。

Uchikawa': 僕もいま話をしていて、迷走した時これを聴いたら帰って来られそうな作品になったと思いました。「Kreamってどんなバンドなんだろう?」というのをちゃんと凝縮できた感じがあります。

―振り返った時にKreamを再確認できる作品なったかもしれないですね。そしてワンマンライブを7月17日にクアトロで行います

Tsuruta: 普段のイベントではなかなか作り込めない部分をこのワンマンで解決したかったし、ライブで『samsara』の楽曲を実現したくて大きい会場を選びました。たくさん来てほしいです。

Ushikawa': 『samsara』は僕らの中で決意みたいな部分が結構大きくて。せっかく皆さんに『See The Light』と『Kogarashi』で今の環境まで押し上げてもらったので、クアトロから少しずつ全国に出て行きたい気持ちはあります。力を貸してもらいたいです。

―すごくワンマンが楽しみです。最後にこのインタビューを読んでいる人にメッセージをお願いします

Uchikawa': 希望と絶望や幸せと不幸せって共存していると思っているけど、人って悪いところばかり見ちゃいますよね。僕はそういうのを描きたくて今回のEPを書きました。だから、『Catastrophe』は前向きな歌なのにタイトルから暗い曲だという捉え方はしてほしくなくて、逆に自分の中で「マジカタストロフィーだわ」という時に聴いてほしい。ネガティブでいることやマイナス思考でいることもいいと思っているし、僕がそういう人間だからこういうEPになっちゃうところはあります。だけど、ちゃんと幸せも希望もそこに共存しているんだぞということをみんなに伝えたいなと思います。

Tsuruta: 今のKreamが詰まっているからこそ僕から言うことは何もないです。とにかく聴いてください。これまで配信ばかりだったけど、ようやく歌詞とブックレットが付いた状態でお届けできるので、そこも楽しんでもらえたらなと思っています。

■リリース情報

『samsara』
2nd EP
2020.4.1 発売

■LIVE情報
4月25日(土) 名古屋JAMMIN'
※Go Doに出演
5月15日(金) 名古屋APPPLO BASE
※PLUE 2nd mini album "Sense" リリース記念自主企画 "ITOSHIKI"名古屋編
の延期公演

Kream One Man Live “samsara”
7月17日(金) NAGOYA CLUB QUATTRO

■オフィシャルHP
https://www.kream-web.com

■プロフィール
2018年4月2日、ロックバンドKreamを始動。5月25日、名古屋APOLLO BASEにて初ライブを企画。100人を超える動員を記録。8月に1stシングル『星に願いを』を数量限定カセットテープにてリリース。12月には1st E.P.『Supernova』をリリース。2019年7月の「TREASURE05X AUDITION トレチャン2019」にて準優勝を獲得。10月に配信シングル『See The Light』をリリース。地元ラジオ局にリクエストが殺到し注目を集める。11月22日に自身初のワンマンライブ「Theatre -1-」を開催。ソールドアウト。2020年1月22日に2nd配信シングル『Kogarashi』をリリース。そして、4月1日に2nd E.P.『samsara』をリリース。7月17日に名古屋CLUB QUATTOROでのワンマンライブが決定している。

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