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ライター ツボイ

2019.5.27

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ペンギンラッシュ 2nd Album『七情舞』インタビュー

「やりたいことを明確に見せられた作品になったので、何回も聴いてほしい(望世)」

名古屋を拠点に活動するペンギンラッシュが、6月5日に2ndアルバム『七情舞』をリリース。ジャズやファンク、フュージョンなどをルーツとしながらも、どのジャンルにも属さない独自の音楽を奏でるペンギンラッシュが今作で表現したかったものとは?望世(Vo/Gt)と真結(Key)の2人に訊いた。

―まずは、ペンギンラッシュ結成の経緯からお聞きしてもいいですか?

望世(Vo/Gt): 高校のとき軽音部に入っていたんですが、鍵盤のいるバンドをやりたいなと思っていて。そこで、鍵盤がかなり上手かった真結(Key)に声を掛けました。ちょうど真結もバンドを組みたかったらしく、一緒にやることになりました。

―真結さんの鍵盤が必要だったわけですね。真結さんは、望世さんの声に最初どのような印象を持ちました?

真結(Key): 変わった声だなと思いました。部内にはボーカルをやっている女の子がいっぱいいたんですけど、望世の声はちょっと違うなと。いい意味で珍しいというか。

望世: キー的にはそこまで低くないのに、声の出し方か声質なのかは分からないんですけど、よく「ハスキーだね」と言われます。

―ちょっと分かる気がします。バンドは最初お2人だけだったんですか?

真結: 最初は同じ軽音部内の4人でガールズバンドを組んでいました。

―その当時はどのような音楽を奏でていました?

望世: それが今とあまり変わらないんですよ(笑)。その当時の曲が前回のアルバム『No size』に入っていますし。軽音部の顧問の先生がジャズピアニストとしても活動していたので、その影響でジャズなどを聴くようになって、自然にバンドもそういう音楽性になりました。もちろんその当時流行っていた音楽も聴いていたんですけど、先生の影響で日本のファンクやジャズ、ネオソウルと派生していきました。

―今の音楽性は顧問の先生の影響が大きいんですね

望世: かなり大きいです。こういう音楽性になったのはほぼ先生のおかげと言っても過言ではないですね。

―ベースの浩太郎さん、ドラムのNarikenさんの加入についても教えていただけますか?

望世: 県外に進学することになった私と真結以外の2人とバンドを続けていくことが難しくなってしまったので、ベースとドラムを探さなきゃなと思っていた時に、たまたま今の男子メンバー2人のそれぞれのバンドが解散して。そこで、お世話になっていたライブハウスの店長さんに繋いでいただきました。男子2人は最初サポートでの活動だったんですけど、レコーディングやライブは一緒にしていたので2017年に正式加入してもらって今の4人になりました。

―これまでにシングル3枚と昨年にはフルアルバム『No size』をリリースし、6月5日に約10ヶ月ぶりとなる2枚目のアルバム『七情舞』をリリースされます。聴かせていただいて、前作よりもサウンドが繊細で深みもあって大人っぽい印象を持ちました。今回はどのようなテーマで作られたのでしょうか?

望世: 最初はコンセプトアルバムを作ろうという話をしていたんですけど、作り始めたらそうならなくて(笑)。気が付いたら今やりたいことを形にしたいなと思うようになっていました。

―タイトルの『七情舞』は、収録されている7曲で7つの感情を表現しているという意味ですか?

望世: タイトルは曲ができてから付けたんですけど、七という数字を使いたいなとは思っていました。七がついた言葉を探して、最初は“七元徳”をモジって“七元毒”にしようかなと。でも、毒は強いかなと思って(笑)。

真結: この他にもタイトル候補はいくつかあって、その中から『七情舞』を選びました。

望世: その七情は、喜怒哀楽では収まらない人間の感情が入っています。いろんな感情があることを、アルバム1枚通して聴けばきっと分かると思います。

―その七情に“舞”と付いていますが

望世: 1枚を通して聴いた時に、全7曲に込めた感情や思いが舞っていくようなイメージが湧いたのと、制作していく中でそのイメージがだんだんできていったので、そこから付けました。

―間奏の鍵盤ソロは曲ごとにいろいろな表情をみせてくれますが、ソロ部分は真結さんが考えられているんですか?

真結: 鍵盤のパートは基本的に私が考えています。望世が曲のモチーフを持ってきた『悪の花』は、ピアノソロのイメージを先に望世から教えてもらって、それを参考にしながら弾きました。

―イメージ通りのものが上がってきました?

望世: いつも一発OKです(笑)。

真結: 確かに(笑)。ダメと言われたことないです。

望世: イメージの共有が上手くできているからだと思います。結構イメージ通りに作ってくれますので。

―『晴れ間』の鍵盤は沈んでいくような音だなと感じたのですが、どのようなイメージで作られたのでしょうか?

真結: 私はどの曲も全体を通したイメージを鍵盤で表現できればと思って弾いています。この曲はギターがあまりない分、ピアノが楽器の一番聴こえる部分になってくるので、鍵盤で曲のイメージを表現できたらなと思って弾きました。

―鍵盤の音も表情豊かですが、望世さんの歌声も表情豊かだと思います。特に抜くというか、息を吐くような歌い方が好きです。歌い方へのこだわりをお聞きしてもいいですか?

望世: 歌というよりも声を鳴らすというか、うまく言えないのですが声も楽器?みたいな考え方をしています。ただはっきり発音するだけでもないのかな、とか。力をかなり抜いて歌っているのは今回『晴れ間』や『契約』ですね。息多めに、なんて考えながら歌っていました。

―その『契約』は先に歌詞ができたとか

望世: このアルバムの中では唯一歌詞が先にできた曲です。バンドメンバーで共有しているフォルダに歌詞を投げて、そのまま放置していたら浩太郎が曲を作ってくれたんです。それがすごくイメージと合っていたので、これだと。

真結: 本当に少ないですけど、たまにそういう感じでできる曲もあります。

―イントロの水が流れているような音も印象に残りました

望世: これは私の発案なんですけど、こういう曲の入り方が好きで前作も1曲目に入れています。バイノーラル録音というイヤフォンでの臨場感を追求したステレオ録音方法があって、それで遊ぶのが好きなんですよ(笑)。今回、面白い表現ができたらなと思ってシャワーを流している音を入れました。雰囲気も出て感情移入しやすいのかなと。この曲を聴いた時に空気感がそういうイメージだったので入れてみました。

―確かに曲に入りやすいかもしれないです。そして4曲目『能動的ニヒリズム』は結構トリッキーな曲。リズムを取るのが難しそうですね

真結: そうかもしれませんね(笑)。この曲は私がデモというかモチーフを持ってきたんですけど、声も楽器として扱うようなイメージで歌メロが付いています。歌メロは、元々ピアノで弾こうと思っていたフレーズをボーカルにしたので、そこがちょっとした違和感になっていると思います。でも、そういう面白いリズムで遊んでいる曲になりました。

―ライブでは盛り上がりそうですけど

望世: 確かに。まだやったことないです。

真結: やろうと思うと練習が…ね。

望世: そうなんです(笑)。

―なるほど(笑)。歌詞の内容はちょっと怖くて、見えるようで見えない相手のことを歌っているというか

望世: そうですね。ちょっと変わった拍子で曲の感じもハッピーではないなと思ったので、そういう内容になりました。

―この曲では<あなたは誰だ>で終わり、次の曲『モノリス』では<分からなけど>で終わります。考えさせるような言葉で終わっているのはあえて?

望世: 解釈は人それぞれでいいと思っているんですけど、ちょっと心に残るような、考えてもらえるような歌詞にしたいとは常に思っています。

―最後の曲『青い鳥』は身近な人を応援しているような歌詞だなと

望世: これは身近な人のことです。過去にすがってなかなか前に進めていない人を見て、その人を応援できるような曲を作りたいなと思って詞を書きました。

―応援歌にしては曲調が優しいですよね

望世: この曲は真結が持ってきたんですけど、優しい印象の中に冷たさもあるなと思ってこういう歌詞になりました。鍵盤ハーモニカが入っているんですけど、鍵盤ハーモニカってちょっと懐かしい感じがしませんか?

―確かに。最後の感じは特に懐かしいかも

真結: 音的にもそういう楽器なので、どこか懐かしいと感じてしまうようなメロディを意識して特にアウトロは演奏しています。

望世: 過去と今じゃないけど、振り返りながら「すがらなくても大丈夫だよ」という思いを込められたらなと思って作った応援歌です。これをアルバムの最後に持ってくることに意味があるのかなと思っています。

―応援歌で終わるのはいいですね。以前、当サイトで『yoasobi』『Chorus』のディスクレビューを書かせていただきましたが、その頃より全ての面でだいぶ大人っぽくなりましたね

望世: あの頃から2年くらい経って、それなりに成長しているんですかね(笑)。まだまだですが、音楽に関してはやりたいことを形にしていくことが少しずつできるようになってきているかな?と思っています。

真結: 鍵盤もまだ使ったことのない音がいっぱいあるので、今はやりたいことがどんどん出てきます。これから色々な音を入れていきたいです。

―この『七情舞』が今後の指針になりそうですね

望世: このアルバムで今やりたいことを見せられたと思っているので、それをどんどん突き詰めていきたいです。新しいことにチャレンジしながらも、何となくジャンルでまとめられないような、まとめられたくない思いもあるんですけど、ペンギンラッシュを突き詰めていけたらなと思っています。

―今後に期待しています。そして、6月27日のAPOLLO BASEから東名阪をまわる今作のツアーがあり、8月18日にはワンマンライブもありますね

望世: 初めてのワンマンライブです。やっぱりそれまでのライブとは全然違うと思うので、やりたいことしかやらないというか(笑)。

真結: 面白いことができたらなとは思っています。

望世: いま見せ方をすごく色々考えています。自分たちの音楽を最大限に活かせる表現ができたらなと思っていますし、ライブの幅を超えたいです。ショウでもないしライブでもないみたいな。

真結: そういうのがやってみたいですね。

―ペンギンラッシュの世界観をぜひ見せてください!では最後に、6月5日にリリースされる『七情舞』を楽しみにしている人たちへ向けてメッセージをお願いします

望世: 音作りだったり言葉選びだったり前作のアルバムよりも強度が増して、やりたいことを明確に見せられた作品になったので、何回も聴いてほしいです。聴いていろんな発見をしてほしいなと思います。

真結: 音に関しては細かいところまで聴いてほしいですね。

望世: そしてライブに来てほしい。

真結: ライブでは同じ曲でも違うものに聴こえたり、ライブでしかできない発見もあったりすると思うので、アルバムを聴いていいなと思ったらぜひライブにも来てほしいです。

ペンギンラッシュ『悪の花』 Official Music Video

■リリース情報

『七情舞』
2nd Album
2019.6.5 発売
1,800円(+tax)

■LIVE情報
SAKAE SP-RING 2019
6月01日(土) APPLO BASE
16:30から出演

インストアライブ
6月09日(日) 名古屋パルコ西館1Fイベントスペース
12:00から出演
※ライブはフリースペースで行う為、どなたでもご覧いただけます。

『七情舞』東名阪レコ発ツアー“七情に舞う”
6月27日(木) 名古屋 APOLLO BASE
7月05日(金) 東京 代官山SPACE ODD
7月12日(金) 大阪 心斎橋CONPASS

Rush out night 2019
8月18日(日) 名古屋 APOLLO BASE
※ワンマン

■オフィシャルHP
https://penguinrush.wixsite.com/penguinrush-official

■プロフィール
名古屋出身。2014年、高校の同級生だった望世(Vo/Gt)と真結(Key)を中心に新たなJ-POPの開拓を目指し結成。2017年にサポートをしていた浩太郎(Ba)とNariken(Dr)が正式加入し現4人体制に。2ndシングル『yoasobi』は、タワーレコードの企画「タワクル」にて、名古屋パルコ店で2017年4月から1年以上TOP5に毎週チャートイン。2018年8月に1stアルバム『No size』をリリース。東海アーティストレコメンド2018などに選出され、高い注目を浴びる。昨今のバンドサウンドとは一線を画す、ジャンルレスなアンサンブル、独自のメロディライン、言い換えるならば現在のPOPsシーンに存在しない“違和感”で構成されるJ-POP。中毒必至。

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