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LIVE REPORT ライブレポート

2017.3.13

踊る体。燃える心。

GOODWARP 『ベラボーにブラボー!ツアー』
2017.2.16(木) @池下UPSET

東京を拠点に活動する4ピース・ダンサブルポップバンドGOODWARP。昨年11月にリリースした新EPを引っさげてのツアーは、有安祐二(Dr/Cho)が療養のため急遽不在のなか、吉崎拓也(Vo/Gt)、萩原“チャー”尚史(Ba/Cho) 、藤田朋生(Gt/Cho)の3人で初めて挑むという、ある意味レアでチャレンジングなツアーとなった。今回はそのファイナル公演をレポート。彼らの意志に共鳴したオーディエンス・共演者全員がGOODWARPを祝福するような、終始会場を包む温かい雰囲気が非常に印象的だった。

物語の始まりを彷彿させるSEをたっぷりと聴かすと、「The Cheseraseraと言います。今日はよろしくお願いします」の声を合図に、宍戸(Vo/Gt)の優しい歌声で幕が上がる。『賛美歌』でこの日の門出を祝い、「今日はGOODWARP主催のパーティです。ドレスコードは耳が付いている人。知っている人も知らない人も付いてきてください」と放たれ歌われた『Youth』。赤いスポットが美しさを演出し、1人1人の顔をしっかりと見つめ歌を届ける。

「僕たち1番手ですけど、後から盛り上がるより、今盛り上がったほうがいいでしょ?」とオーディエンスの緊張をほぐすと、この日披露された新曲では、“これからどんな曲が始まるのだろう”という胸の高鳴りに似た美代(Dr)の刻む印象的なビート、そして幻想的なストリングスと迫力あるバンドサウンドが混ざり合う心地良いサウンドで歌詞に色をつけてゆく。

『月と太陽の日々』では、時々3人が目を合わせながら、短い時間の中で全てを出し切るように演奏。ステージとフロアの距離をぐっと近付けたオープニングに相応しい渾身のステージだった。

2番手に登場したのは、広島、福山発の4人組CRAZY VODKA TONIC。この2度と戻れない時間という空間にいたことを確かにするための合言葉<ハロー>のシンガロングを背に歌われた『刹那の一節』。池上(Vo/Gt)の真っ直ぐで、どこかミステリアスな雰囲気を含む歌声に心掴まれる。そして、彼らの歌詞は単なる言葉ではなく、1つ1つに重みを感じる。そんな小説の一節を切り取ったかのような重みのある言葉がステージから放たれると、脳内へと心地良さを伴いながら深く突き刺さる。

たっぷりと歌を聴かせ、サビに向けて徐々にサウンドのボリュームが増す『ラブソング』では、坂本(Dr)のコーラスが恋の淡く切ない情景をより鮮明にさせる。「始まってたくさんの言葉をここに吐き出しましたが残り1曲…」と、最後の曲では、残り少ない数文字の言葉を“みんな”ではなく “あなた”に1つでも受け取ってもらうべく全力で披露。拳が高く突き上がると、「負けんなよ。日々戦い抜いたあなたとまた、ここで会いたいと思います。」と、ライブハウスでの再会を約束した。

大きな拍手の中から姿を現したのは緑黄色社会。大人っぽい表情で、力強く透き通る歌声を響かせ、『またね』で初めましての挨拶をすると、手拍子も加わった『Bitter』でフロアをポップな会場に仕立てる。堂々たる歌い方と、バンドの音色が合わさった瞬間に見える1つのショーを見ているかのような迫力がオーディエンスを圧倒する。

以前から共演したいと話していたGOODWARPと、ようやく一緒のステージに立つことができて嬉しいと声を弾ませた長屋(Vo/Gt)。ツアータイトルがお気に入りという長屋が、ツアータイトルにちなんだコール&レスポンスでフロアを和やか空気にさせる。

不規則なギターサウンドと点滅を繰り返す照明がサビに向かうにつれての疾走感を加速させる『アウトサイダー』、ベースソロでわっと沸いた『Alice』。男女混成バンドにしか表現できない歌声を響かせ魅了し、最後に深々とお辞儀をすると始まりと同様大きな拍手に包まれながらステージを後にした。

お馴染みのスーツとシャツに身を包んだ3人。柔らかな表情を見せながら登場する様子から、この日を迎えられたことに嬉しさを隠せない様子。『直線距離』、『Answer』と徐々にフロアの熱を高めて行くと、「ベラボーにブラボーツアー楽しんでいますか?もっとこのフロアを盛り上げたいんですけどいいですか!?」と煽り、軽快なドラムビートから『bravo!! Bravo!! Bravo!!』へなだれ込む。GOODWARPにとって新たな試みとなるホーンの音色で華やかさを増しつつも、らしさが光るどこか浮遊感のあるキラーチューンで会場に星を瞬かせた。

長いようであっという間だったツアーもこの日が最終日。ファイナルはどこかスペシャル感があるという。そんな一夜をダンスホールに仕立て上げたのは『真夜中のダンス』。ベースを置いて、チャーが軽やかなダンスを披露すれば、オーディエンスもつられて、頭上で輝くミラーボールの中、3人の動きに合わせてサイドステップを踏む。3人だけでは完成しない。みんなで踊ることで初めてライブハウスがダンスフロアへと変貌するのだ。

そして、ダンスソングに負けないくらいの存在感を示した『Sweet Darwin』では、彼らにとって新境地ともいえるミディアムバラードでしっとりと曲を聴かせる。ドリーミーなサウンドに踊っていたオーディエンスも動きを止め、吉崎の歌声に寄り添うように耳を傾ける。

今回のツアーを通して、同じライブなんて2度とできないのだと改めて痛感したという吉崎。「こころに燃えている炎。寂しい時も楽しい時も揺れ動いて、移し移されていく炎。僕らがこうしてライブを通して心を揺らすその火種を、聖火リレーのタイマツみたいにみんなに届けて、それがみんなにとっても糧になったり、力になったら。そんな瞬間をちょっとでも長く分かち合いたい」と自身の心臓を指しながらツアーに賭けた思いを話す。自身の気持ちを歌に、そして炎に変えて届けているのだ。そうして届けられた『Tonight is the night』では合唱が鳴り響いた。

アンコールは、突然の大雨でびしょ濡れになってもなりふり構わず行こうぜ!と盛り上げる『レイニー白書』。吉崎の動きを真似て踊る姿であったり、「そろそろマジでヤバそうだ!」と歌詞を口ずさむオーディエンスの様子はまさに彼らの心に燃えさかる炎の火種を受け取ったサインのように見えた。“ナイトワンダーズ”とは吉崎曰く“夜に繰り出す者たち”。ダブルアンコールの拍手が鳴り響くなか、GOODWARPと旅する途中、真っ暗な暗闇の中でも迷子にならないほどの明るい炎をこの日、この場所にいた1人1人の心に彼らは確かに灯した。来たる3月16日(木)、ワンマンライブではどんな景色を見せてくれるだろうか。

文/伊藤成美 写真/ナツミ(http://natsumi-live.tumblr.com/)

■セットリスト
―The Cheserasera
1.賛美歌
2.Youth
3.ファンファーレ
4.新曲
5.ラストワルツ
6.東京タワー
7.月と太陽の日々

―CRAZY VODKA TONIC
1.刹那の一節
2.雨のあとに
3.第二走者
4.ラブソング
5.光源の花
6.黒ヤギさんたら食べずに読んだ

―緑黄色社会
1.またね
2.Bitter
3.regret
4.丘と小さなパラダイム
5.アウトサイダー
6.Alice

―GOODWARP
1.直線距離
2.Answer
3.Bravo!! Bravo!! Bravo!!
4.真夜中のダンス~恋する爪先~
5.Sweet Darwin
6.Tonight is the night
7.大人になれば~lights&music~
(encore)
8.レイニー白書

■LIVEインフォメーション
GOODWARP 3rd One-man Live「今夜がそのとき」
3月16日(木) 東京・代官山UNIT OPEN 19:00/START 19:30
オフィシャルHP http://goodwarp.jp

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